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2026年9月22日 16:00

台風25号“直接観測”で見えた威力 最新研究『台風制御』で被害7割減の試算も

台風25号“直接観測”で見えた威力 最新研究『台風制御』で被害7割減の試算も
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2026年は台風による被害が相次いでいますが、被害を少しでも抑えようという研究が進んでいます。

台風25号を直接観測したデータから、台風の強さの源泉が見えてきました。
台風の脅威を人間が制御するという最新研究についても見ていきます。

■上空から見た台風25号 水蒸気に特徴 観測の目的は?

台風25号を空から観測しました。

9月18日と19日の2日間、上空約1万4000メートルから観測しました。

観測方法と内容です。

『ドロップゾンデ』という観測機器を航空機から台風に投下して、気温、湿度、気圧、風向き、風速などをセンサーで直接観測しました。

“台風に投下”とは、どういうことなのでしょうか。

機内の筒から観測機器を投下します。
機体から下に突き出た筒から海に落ちるまで、約15分間、データを観測します。

なぜ直接観測をするのでしょうか。

観測を行った、名古屋大学、横浜国立大学の、坪木和久教授です。
台風の中心気圧や最大瞬間風速は、気象衛星のデータから推定しています。
台風の勢力が強いほど誤差が大きくなるため、今後の予測のためにも、直接観測による正確なデータが必要だということです。

坪木教授によると、台風25号について、現時点で観測からわかったのが、台風の強さにかかわる水蒸気量の多さです。

坪木教授です。
「観測時点で、1平方メートルあたり最大で80キログラムを超える多量の水蒸気が存在した。この水蒸気量は大気中に含みうる最大値に近いもの」

直接観測の目的です。
台風制御研究や、台風の内部構造の解明のため、台風の目の中の気象データを取るのを大きな目的の一つとしている、ということです。

■将来の台風 数は減少も威力強まる恐れ

将来の台風について、スーパーコンピューター富岳での試算です。

東京大学大気海洋研究所の宮川知己准教授によると、21世紀末には、台風の総数は22.7%減少しますが、勢力の強い台風が6.6%増加します。
台風に伴う降水量は増加し、強風域も拡大していく可能性があるということです。

なぜ、将来の台風は、数が減って強力になるのでしょうか。

1、温暖化の影響で海面水温が上昇し、海上の水蒸気量が増えます。

2、そして、上空はさらに気温が上昇することで、大気が安定化し、上昇気流が起こりにくくなることで、雲ができにくくなります。
その結果、台風の数は減少します。

3、ただ、台風が発生した際は、大量の水蒸気を取り込むので、勢力が強くなりやすくなる、ということです。

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■減災 最新研究『人工雲』で台風を制御 台風の弱点つく作戦

台風の強力化が予想される中、台風を制御して被害を減らそうとする研究が進んでいます。

タイフーンショット構想です。
2050年を目標に、台風の勢力を制御して、一部をエネルギーとして利用するという考えで、各分野の研究者がメンバーになっているプロジェクトです。

そもそも、どうやって台風が発達するのでしょうか。
台風の中心に上昇気流が発生して、周りの空気が台風に向かって流れ込み、台風が発達します。

台風の弱点をつく作戦です。

雲の種となる物質を撒き、台風の周りの雲を人工的に発達させて、台風の構造を崩します。

こうすると、台風の周りで発達した雲に、上昇気流が発生します。
この雲の上昇気流が周りの空気を吸い込むので、台風に向かって流れ込む風を奪います。

結果、台風の上昇気流が弱まり、台風の目が広がります。

台風の目が広がると、台風の構造が崩れて、風が弱まり、勢力が減少します。

中国では天気の制御が、すでに行われています。

中国には、人工降雨ロケットがあります。
ヨウ化銀などを搭載したロケットで、2008年の北京オリンピックで、雨を避けるためにも使われました。

メカニズムです。
大気中に雨の種となる粒子を散布します。
雲の中には水蒸気が漂っていますが、まかれた種に水蒸気がくっつきます。
すると、雨粒に成長して地上に落ちていきます。
事前に雨を人工的に降らせて、開会式の天気をよくするために行われました。

近年も天気の制御は行われています。
2022年、ドローンで雨の促進剤を散布しました。
水不足の四川省に、人工降雨を降らせるためです。
気象当局によると、散布した後に、5ミリから10ミリの雨が降った、ということです。

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■台風制御の効果 被害7割減の試算も 減災に期待

台風制御の効果をコンピュータでシミュレーションしました。

過去の台風を制御した場合、どうなるでしょうか。
2019年の台風15号をモデルにして、シミュレーションをしました。
2019年の台風15号は、千葉市で最大風速35.9メートル。
最大瞬間風速は57.5メートルで、観測史上1位でした。

この台風を、制御の度合いを変えて複数のパターンで検証した結果、最大風速を約5メートル減少させた場合に、被害件数が約70%減少することが分かりました。
被害は大きく軽減されます。

そして、シミュレーションで分かった、制御のベストタイミングです。

台風が発生前に制御すると、進路や強度に大きな変化が起こり、台風発達後に制御をしても、効果が薄いことが分かりました。

■“台風発電”脅威をエネルギーに 船を使った発電メカニズム

台風のエネルギーを発電に利用するという研究が注目されています。

船を使って台風のエネルギーを活用するというものです。
現段階では、このような形の船です。
・複数の硬い大型の帆があり、
・風の力を利用して動きます。
・無人船で、
・大型の水中タービンを搭載しています。

船でどうやって発電するのか、メカニズムです。

1、台風の周りに船を出航させて、大きな帆で水蒸気を含んだ風を受け止めます。
2、受け止めた風の力で船が動き、船の下についた海中のタービンが回ることで発電する、
ということです。

試算によると、1年に発生する日本近海の台風から、100隻の船で発電すると、日本の年間消費電力の2〜3%をまかなえるということです。

今後の目標や課題は、
・台風の暴風域にも耐えられる船をなるべく軽く、安く造る、
・より多く発電するために、効率的なやり方を探る、
ということです。

直近の実験では、台風近くの荒れた波や強風にも耐えられるように、より安定する船体を2つつなげた形で実験中だということです。

この船の研究者、台風科学技術研究センター・副センター長の満行泰河さんです。
「2050年には、台風が来たら船が一斉に出航し、『脅威だ』ではなく、『発電できる恵みだ』と思えるようになるよう、研究していきたい」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年9月21日放送分より)

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