社会

ABEMA NEWS

2026年9月26日 18:00

大腸がんステージ4公表「役員から平社員」に自ら申し出…想定外だった“手取り10万円”の過酷とオープンに働く意義

大腸がんステージ4公表「役員から平社員」に自ら申し出…想定外だった“手取り10万円”の過酷とオープンに働く意義
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 日本では「2人に1人ががんになる」時代を迎え、働きながら治療を続けるための環境整備が急務となっている。今年4月には、労働者の治療と就業の両立支援が企業の努力義務となった。しかし、会社へ病名を「公表」して配慮を得る道を選んだとしても、役職の変更や大幅な収入減といったシビアな現実に直面するケースもある。『ABEMA Prime』では、ステージ4のがんを明かして働く当事者と専門家を招き、オープンに働くことのメリットと、社会制度の狭間にある課題について考えた。

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■「とても隠せる状況ではなかった」ステージ4での決断

会社員のかずさん

 会社員のかずさんは5年半前、大腸がんが肝臓に転移しているステージ4の診断を受けた。「人工肛門になる可能性もあり、大腸と肝臓の手術で入院することになったため、とても隠せる状況ではなかった」と振り返る。

 すぐに会社の社長や同僚に事実を伝えると、社長からは「仕事のことはいいから、まずは病気を治してくれ」と温かい言葉をかけられた。公表したことで、「後ろめたい気持ちがなく、堂々と働くことができる」という最大のメリットを得られたという。現在も、社内のチャットツールのグループ機能を活用し、「自身の体調、血液検査の結果、今できる仕事とできない仕事」を一括で定期的に共有することで、周囲とのスムーズな連携を図っている。

■役員から平社員へ…「手取り10万円」の過酷な現実

かずさんががんを公表した理由

 一方で、治療と仕事を両立する中で、キャリアと収入をめぐる厳しい現実にも直面した。かずさんは当時、取締役という重要なポジションにいたが、自ら申し出て一般社員へと立場を変え、給与は減額された。

 「1年後に自分が生きているかもわからない中、高い給料をもらいながら休んだり通院したりすることに申し訳なさを感じていた。役員のストレスを手放したかったのもある」と理由を語る。しかし、給与が大幅に下がったにもかかわらず、社会保険料や高額療養費制度の自己負担額は「給与が高かった時の基準」で数カ月間計算されるため、「手取りが10万円になる一方で、医療費が毎月14万円かかり、貯金を切り崩す赤字生活が続いた。ノイローゼ気味になり、金銭的にも本当に辛かった」と、制度の狭間にある過酷なリアルを打ち明けた。

■産業医が語る「上司と部下の距離感」と「会社の役割」 

内科医で産業医の森勇磨氏

 内科医で産業医の森勇磨氏は、がんを公表された側(上司や企業)の対応について、「本人がどこまで周囲に周知してほしいか、どのような配慮を望んでいるかはケースバイケースであり、正解はない。上司と部下の関係性が深ければ、個別に対応できることも増える」と説明する。

 一方で、企業側が担う支援の範囲についても言及。「働き続けることが必ずしも正解ではない。会社と福祉は違うため、提供できる価値(労働)と報酬のバランスが難しくなった場合は、契約形態を変えたり、一定期間休んで傷病手当金をもらうといった選択もある。会社側は、そうした一般的な知識を得られる『窓口』をまずは用意しておくべきだ」と語り、企業と労働者双方を守る仕組みづくりの重要性を強調した。

(『ABEMA Prime』より)

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