社会

ABEMA NEWS

2026年10月4日 08:00

「犯人は今もおびえている」妹家族4人が殺害され放火 22年間犯人を追う遺族の訴え「守ってやれなくてごめん」未解決事件が動く“きっかけ”とは

「犯人は今もおびえている」妹家族4人が殺害され放火 22年間犯人を追う遺族の訴え「守ってやれなくてごめん」未解決事件が動く“きっかけ”とは
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 2004年9月9日未明、愛知県豊明市で家族4人が殺害され、自宅に放火される事件が発生した。侵入・逃走経路や凶器は不明で、犯人の遺留品もほとんど見つかっていない。事件から22年が経過した今も未解決のままである。

【映像】「22年前の事件で未解決です」情報提供を呼びかける遺族

 事件で妹家族を失った天海としさん(64)は、犯人逮捕を諦めず活動を続けてきた。事件から5年後には殺人事件の被害者遺族で作る「宙の会」に参加し、他の遺族とともに訴えを続けた結果、2010年に殺人罪などの公訴時効は撤廃された。

 『ABEMA Prime』では、22年間闘い続ける遺族の“生の声”を聞きながら、未解決事件を動かすきっかけについて考えた。

■「体中に大きい穴がボーンと開いたようだった」

殺害された加藤利代さん家族

 豊明市の事件では、加藤利代さん(当時38)と、長男・佑基さん(15)、長女・里奈さん(13)、次男・正悟さん(9)が刃物で刺されるなどして殺害された。父親は当時、残業で不在だった。

 利代さんの姉である天海さんは、事件当日の様子を「『ボヤだ』と聞いて、現場に駆けつけた。到着した途端、異様な匂いがした。パトカーや救急車、人だかりを前に、何が起きたんだろうと感じた。殺害されたと知った時は、体中に大きい穴がボーンと開いたようで、受け入れることはできなかった」と振り返る。

 被害者家族については「本当に仲良かった。自慢の妹で、クリスマスケーキを手作りしたり、5月の節句には柏餅を作ったり。子どもが命のお母さんだった」と語る。

 事件からおよそ1年後、初めて現場を訪れた際には、「殺害されたであろう人間の形がうっすらと残っていた。そこにひざまずいて、『守ってやれなくてごめんね。犯人が捕まるまでは絶対に頑張る』と誓った」と話す。

■捜査状況は「遺族といえども知らされない」

天海としさん

 事件発生から22年たったが、警察からの捜査情報はほとんど共有されていないという。「一言で22年と言うが、随分な月日が流れた。いろんな刑事さんが携わって捜査をしっかりしてくれていると思うが、全くわからない状態だった」。

 世田谷一家殺害事件などの捜査に携わった、元警視庁・成城警察署署長の土田猛氏は、「この事件に限らず、ほとんどの事件では、警察側から捜査状況を遺族に話すことはない。犯人が捕まるまでは、遺族や家族であっても捜査上は犯人側の可能性を完全には排除できない。実行犯でなくても、誰かに頼んだ可能性もあるため、『今の捜査状況はこうですよ』と警察は言えない」と説明する。

 一方で、担当捜査員も長い年月の中で入れ替わってきた。天海さんは「数え切れないくらい変わっていく。でも発生当初の刑事さんが、OBになったから知らん顔しているかというとそうではない。事件日の活動には参加してくれる。必ず捕まえてくれると信じている」と話す。

 土田氏は「22年前の事件なので、現在の捜査員の中には、事件当時まだ幼かった人や、警察官になって間もなかった人もいる。資料に基づいて分析し、『何としても捕まえるんだ』と捜査はしている。現場は全焼していても、そこから新たな科学的手法で証拠を抽出する努力を、警察は懸命にやっている」と述べる。

■「これを見ている犯人が心揺さぶられることを強く願う」

土田猛氏

 土田氏は、時が経ってから寄せられる情報にも期待を寄せる。「『今だから言える』という情報もある。『なんとなくおかしい』と思っていたけれど、『言うとあの人に迷惑がかかるのではないか』『自分に降りかかるのではないか』と、ずっと言えなかった人が、10年、15年経って、情報提供を呼びかける遺族の姿を見て情報提供する」。

 天海さんにとって、時効撤廃は大きな意味を持つ。「時効があったら、うちの事件はもう終わっていた。時効がなくなったことによって、犯人は今もおびえて暮らしている。犯人を捕まえることができない今、少しはおびえていてほしい」。

「夢と希望を持って生きていきたかった人がいたことを覚えていてほしい。今ある幸せは普通ではない。私も普通に生きてきたが、今は普通ではないと、本当に身にしみている。これを見ている犯人が、少しでも心揺さぶられることを強く願う」

 愛知県警では今も情報提供を呼びかけている。

(『ABEMA Prime』より)

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