不漁と価格高騰の裏で、サケの密漁が横行しています。やむことがない違法行為に、漁業関係者は頭を抱えています。
腹を割き川に捨てイクラを
旬を迎えた秋の味覚イクラ。しかし、不漁に伴う価格高騰の陰でサケの密漁が増えつつあります。
先月、北海道幕別町の川岸で撮影されたドローンの映像には、次々と釣り上げられるサケが…。サケをたたき、腹を割いて、卵を取り出した後、魚を川に投げ捨てる様子も映っています。
「ここでどの時間に釣りをやれば、効果的に釣れるというのが、彼らは理解している」
「漁業者の方々の生活を脅かしている問題なので、とても許せない」
およそ2時間で30匹から50匹ものサケをとったとみられています。
サケ密漁横行 漁獲量減少
密漁行為があった川の上流には、資源保護のためにサケを捕獲する施設があります。ここでとれたサケを増殖して、資源の維持を図っているということです。
北海道での9月中旬までのサケの漁獲量は、5年前の同じ時期にはおよそ492万匹でしたが、今年はおよそ161万匹にとどまっています。
さけ・ます増殖事業協会
新出幸哉専務理事
「捕獲場までのぼってきているもので4年かかって、それを自分の利益のためにとるというのは、やめてほしいというのが我々のお願い」
近年、漁業者が密漁したケースの検挙数は減少傾向にあります。一方で「漁業者以外」による密漁は増加傾向が続いています。
専門家は、サケの価格高騰が原因の一つと指摘します。
大学院水産科学研究院
佐々木貴文教授
「サケの価格上昇といった収益化、容易な外部環境が形成されれば、組織的計画的な犯罪へと変化しやすい環境が形成されてきている」
夜な夜なパトロール
去年9月、川沿いの防犯カメラにはフードをかぶり、釣りざおのようなものを持って現れた不審な人影が映っていました。
近くにはサケの孵化(ふか)場があり、釣り上げたのはサケとみられています。
刃物のようなもので腹を引き裂き、取り出した卵でしょうか。袋に入れているのが分かります。
先月、同じ場所に不審な複数の人影が映っていました。
「この大きい袋を持っているので、卵狙いというよりも魚体そのまま。全部持っていくつもりで、こういう形でいるのかな」
現場に現れるだけで密漁しない日もあれば、網のようなものを使いサケをとっているのが確認できる日もありました。
漁業取締船の関係者らは暗闇のなかでも密漁者を探し出せる特殊なカメラを搭載したドローンを夜な夜な飛ばしてパトロールしています。
「根気強く、密漁者がいなくなる取り組みを警察機関と合同で取り締まりを続けていきたい」
(2026年10月6日放送分より)







