今年、開園45周年を迎えた東武動物公園。約120種類、1200頭の動物たちが暮らしています。中でもいちおしは、今年生まれた赤ちゃんたちです。今しか見られない愛くるしい姿がいっぱいです。
世界一美しいシカ
まず出会ったのは、絵本から出てきたような美しい赤ちゃん。南アジアに生息するアクシスジカで、“世界一美しいシカ”と呼ばれています。
「どんなところが世界一美しいと言われている所以でしょうか?」
「生まれた時から大人の時まで、一年中白い斑点模様が消えない。さらに白い斑点がとてもきれいなことから世界一美しいシカと呼ばれています」
「斑点が消えないのは珍しいことなんですか?」
「シカの仲間でも消えないのは珍しいことで、例えばニホンジカだと夏毛の時は斑点が見えるけど、冬毛だと見えなくなるので」
開園中に誕生したシカの赤ちゃん
そんなアクシスジカに、今年5月、赤ちゃんの「ガジュマル」が誕生しました。しかも、生まれた場面は少し特別だったようです。
「開園中に展示場内で生まれたので、来園していただいたお客様にも貴重な生まれる瞬間を見ていただきました。警戒心が強いので、とても貴重な瞬間だったと思います」
生まれた直後の様子はSNSにも投稿されていました。居合わせたお客さんたちは、ガジュマルが立ち上がるのを応援していたようです。
「小さい時ならではの行動とか特徴は何かあるんですか?」
「U字溝の中に入って座るという行動が見られて、これは体が小さくないと入れないので赤ちゃん特有の行動となります。今ですと、首を一生懸命伸ばしながら食べに行く姿がかわいらしい特徴です」
「第5の手」を持つサル
続いては、手が5本あるように見える赤ちゃんです。今年4月に生まれたジェフロイクモザルの「クリハシ」。クモザルたちには、飼育担当者の出身地にちなんだ名前がついています。
母親の「ウエノ」にぴったりとくっつく姿は、今しか見られません。この動物園では約5年ぶりの誕生です。
ジェフロイクモザルは中央アメリカの森林に生息していますが、生息地の減少などが理由で絶滅危惧種となっています。
「尻尾がかなり長いですけど、どんな動物なんですか?」
「この長い尻尾が一番特徴的な部分で、第5の手とも言われている」
「第5の手!?」
「今もあんな感じで使っているんですけど」
「ほんとだ、手と尻尾で動いているんですか?」
「尻尾の先、内側のところに毛がなくて、私たちでいう指紋みたいなしわしわになっているんですね。ちょうど滑り止めの役割で、ものをつかんだり、移動したりする時とかに役立っている」
尻尾の先にあるのは「尾紋(びもん)」と呼ばれる部分です。枝をしっかりつかみ、体を支えられることから、“第5の手”と呼ばれています。
「お母さんにしがみついていますね」
「もうこの時点で長い尻尾はちゃんとありまして、お母さんにくっつく時も尻尾が役に立っています」
もう一つの特徴
母親の背中にしがみつく時にも、“第5の手”が活躍しています。ここで、クイズです。
「実はジェフロイクモザル、もう一つ特徴がありまして何だと思いますか?」
「見てみてもいいですか?」
皆様も考えてみてください。
「分かった!指が4本ですか?」
「正解です!」
ジェフロイクモザルは、親指にあたる部分がほとんどありません。枝をしっかり握るよりも、長い腕を使って枝から枝へ飛ぶように移動するのに適した形状です。
奇跡の高齢出産
今回の出産について、飼育担当者たちは心配を抱えていたといいます。
「お母さんが今28歳なんですけど、かなり高齢で、人間でいうと大体50代から60代くらいなので、かなり高齢出産」
「平均ではどのくらいで妊娠するもの?」
「性成熟するのは早くて4歳くらいなのでそれ以降」
「かなり高齢出産だったんですね」
「おなかが大きいなと、その時はガスがたまっているんじゃないかなと。検査したら赤ちゃんがいると分かって。心配はしていたんですけど、子育てもしてくれているので今は安心です」
ホワイトタイガーの迫力
次に出会ったのは、ホワイトタイガーです。水の神殿のような展示場で暮らしています。
色素の減少により体が白くなったベンガルトラで、しま模様は一頭ごとに異なります。野生では、1950年代にインドで確認されたのが最後とされ、現在は主に飼育下でしか見られない希少な存在です。
2年前に生まれたコタとハクは、生まれた直後はぬいぐるみのような姿でした。2頭で遊ぶ様子がSNSに投稿されると、たちまち32万回再生されました。今では、たくましい姿に成長しています。
毎週土曜日には、事前予約制で500円の餌(えさ)やり体験ができます。佐藤アナも、餌の馬肉を持って挑戦しました。餌を食べるのは、コタとハクの両親、シュガーとソルティです。
「シュガー、私も“さとう”です」
「“さとう”つながりでシュガー君に餌をあげてみてください!」
「シュガーどうぞ、すごい!大きい声出しちゃった!迫力ありますね、びっくりしちゃいました」
豪快な食べっぷりを見せたシュガーは、一日に約5.5キロの餌を食べるそうです。
「会話ですか?」
「これ友好的な声といいますか」
「甘えているような感じですか?」
「そうですね。おり越しでは信頼関係といいますか、毎日顔を見せているので覚えてくれていて、お肉を持っていくと甘えた声をだしてくれたりとかはよく見られますね」
国内3園だけの貴重な動物
最後に訪ねたのは、国内3園だけで飼育されている貴重な赤ちゃんです。
「いましたね!かわいい!真ん中の子、赤ちゃんですよね。角がまっすぐでかわいいですね。初めて見たんですけど、貴重な動物なんですよね」
「当園含めて3園館でしか見られないとても貴重な動物で、絶滅危惧種に指定されています」
そこにいたのはアダックス。北アフリカのサハラ砂漠に生息するウシ科の動物です。最大の特徴はねじれた角で、長いものは80センチを超えることもあります。
「結構白い体なんですね」
「この白い体も砂漠で光を反射するように、熱に強くなるようにできています」
「確かに黒だと暑いですもんね」
アダックスは乱獲や生息環境の悪化などで個体数が大きく減少し、野生では現在100頭未満ともいわれています。
待望の赤ちゃんが誕生
今年6月には待望の赤ちゃんが誕生し、名前は10月に「はちまる」に決まりました。
「まだ生まれて4カ月」
「4カ月!生まれた時は、どんな感じだったんですか?」
「角もほとんど見えなくてほんとに子牛みたい。大人は角がぐるぐるしているんですけど、赤ちゃんはまっすぐなので」
「じゃあ足を運ばないと、この姿今しか見られないんですね。なぜアダックスを迎え入れたんですか?」
「開園当初から飼育はしていたんですけど、一度途絶えてしまって、今回国内の繁殖を目的として、展示再開することになりました」
東武動物公園は1987年、日本で初めてアダックスの人工哺育に成功しました。今回、22年ぶりに展示を再開することが決まり、姫路セントラルパークから今年5月に2頭が来園。その後まもなく、赤ちゃんが誕生しました。ただ、飼育担当者たちをドキドキさせる習性があるそうです。
「生まれてすぐ物陰に隠れてしまってどこ行ったんだと、今でも扉の隙間に隠れるので、いなくなっちゃったと、我々が見えないところにいると心配になってしまう」
野生では、天敵から身を守るために物陰に隠れるといいます。
今年もたくさんの赤ちゃんが誕生している東武動物公園。そのモットーは。
「お母さんに子どもを育ててもらうようにしています。我々が人工的にミルクをあげることもできるんですけど、人との距離が近くなってしまったり、大人になってから動物種同士での繁殖が難しくなってしまったりすることもあるので、なるべくお母さんに育ててもらうように促しています」
(「グッド!モーニング」2026年10月28日放送分より)






















