フォロワー200万 ハンドボール“レミたん”の思い[2021/03/18 23:30]

若者に大人気のSNS『TikTok』で有名になった異色のアスリートがいます。

ハンドボール日本代表の土井レミィ杏利選手(31)は、1月の世界選手権ではキャプテンとして、
24年ぶりの予選ラウンド突破に大きく貢献しました。

その一方で、人気TikToker『レミたん』として若い世代を中心に絶大な知名度を誇っています。

土井選手:「(フォロワーは)200万人突破しました。(TikTokを初めて)2年半くらい。友達を笑わせるために始めた。やってみたら面白くて、どんどんハマって。TikTokの中の自分は、そのまま普段の姿」

TikTokerとしての『レミたん』を知ってから「この人ハンドボールの日本代表なんだ」という順番の若者がたくさんいるといいます。

土井選手:「アスリートとしてではなく、後からしってもらう流れは珍しい。ただ、今までと同じように、ハンドボール載せても、ハンドボーラーしか見ない。まず自分を知ってもらって、好きになってもらってから、ハンドボールやってますよって載せたら、そっちにも興味もってもらえるのではないか」

土井選手は、フランス人の父と日本人の母を持ち、小学生でハンドボールを始めました。大学を卒業すると海を渡り、2017年からは世界トップレベルのフランス1部リーグでプレー。しかし“人種差別”という大きな試練に襲われます。

土井選手:「何も悪いことしてないのに、すごいひどい言葉を毎日浴びせられて、なんでか分からないけど、家で包丁持っていた。すごい震えて、変な汗をいっぱいかいて、というところまで追い詰められたことがあった。ここで変わらないと、このまま終わってしまう、せっかくトップチームに入ることができたのに、このまま終わったらなんの意味も無いと思った。この苦しい状況をどう変えられるか、原点に立ち返ったら、ハンドボールを楽しまないといけない。自分を卑下してまで相手を敬う必要はないと思って、相手ばっかりじゃなくて、自分自身をもっとリスペクトしようと思った。自分の中でその状況も楽しむことで乗り越えられたので、その経験を皆に伝えたら、笑顔になれる人がいるんじゃないか」

レミたんは、皆の応援者として、どんなに多くても全てのコメントに反応を残しています。

土井選手:「僕が『いいね!』してあげたら『ちょーうれしい!』みたいな反応してくれたりするんですよ。悲しいことに今、親指1本で人を殺せてしまう時代。逆に考えれば、親指1本で人を救うこともできる。そういう世界のほうが好きですね」

先週行われた日本ハンドボールリーグのプレーオフでは、ハンドボーラー・土井レミイ杏利のプレーに、
会場が熱狂に包まれました。

客「(ハンドボール感染は)初めてです。思ってたより迫力があった」「(Q.土井選手を知ったきっかけは?)TikTokです。感動した」

土井選手:「(SNSを)やらない手はないと思います。普段プレーしてる姿から離れた、私生活が面白い、可愛い、まとめてその人の魅力。そこまで発信できる世の中になっているので、やらない手はないと思います」

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