人の心に届くダンスを…Dリーグ・大学生ダンサー[2021/06/09 23:30]

スポーツに青春をかけた人にスポットをあてた『カケル青春』。世界初のプロダンスリーグ「Dリーグ」で戦う大学生ダンサーに迫ります。

全9チームで12ラウンドを戦う「Dリーグ」。その開幕戦で、脚光を浴びたダンサーがいました。『CyberAgent Legit』のTAKUMIくん(21)。リーグ最年少のチームリーダーです。

普段は、早稲田大学で法律を学んでいます。TAKUMIさんは、ダンサー以外にも様々な役割を担っています。自ら構成や振付を考え、作品に合わせた楽曲を制作。そして、視聴者が見る映像の撮り方まで考えています。それぞれに担当者がいるチームが多いなか、TAKUMIさんは“四刀流”で引っ張る珍しいリーダーです。

チームの先頭に立ち、ここまで9戦を戦ってきました。ところが、待っていたのは結果の出ない日々。日本中からトップダンサーが集うDリーグで、審査員の印象に残る演技が、なかなかできずにいました。審査員さんからは「だんだん鳥肌が立ってくる感じで見せてほしかった」「1つの作品としてのストーリーを感じたかった」などと言われ、ダンスを踊りたくなくなったといいます。

先月、練習をのぞいてみると、これまでの雰囲気とは、まるで異なるダンスに取り組む姿がありました。“結果が出ずに悩み、時には夢の中でも踊っている”。そんなTAKUMIさんの苦悩そのものをストレートに表現することにしました。

その理由は、ある特別な体験にあります。ジャクソン・ファイブやスティーヴィー・ワンダーも輩出したエンターテインメントの殿堂“アポロシアター”。16歳、無我夢中で挑んだ世界最高峰の舞台で優勝し、大喝采を浴びました。
TAKUMIさん:「終わった後、スタンディングオベーションで全員立ってくれた。何が一番の喜びかを考えた時に、お客さんに何か感じ取ってもらうことが、一番の理想だなって」

“見ている人の心に届いたあの日のダンス”。ストレートに自分を表現する、原点に立ち返っての再挑戦です。Dリーグ・ラウンド10。思いを乗せたステージが幕を開けます。ダンスに込めたTAKUMIさんの思い。審査員の評価は、どうだったのでしょうか。
LOCOYOKOさん:「すごく見ごたえがある作品だった。全て物語が伝わってきた作品だったと思う」

TAKUMIさんに、パフォーマンス後、話を聞きました。
寺川綾さん:「もっと見たかった。『もう終わってしまうの』という感じだった」
TAKUMIさん:「作品を作るうえで「もっと見たい」で終わらすのがベスト」

見る人の心動かすステージを見せたTAKUMIさん。結果は3位と、過去最高の成績でした。

その後、話を聞きました。
寺川綾さん:「どんなものをダンスで伝えて届けていきたいのか」
TAKUMIさん:「単純な身体能力の凄さだけではなく、“怖い”“美しい”といった感情を見ている人から引き出したい。ダンスをやったことない人にも響くようなダンスを届けたい」

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