中日・ビシエド「息子の前でホームランを!」[2021/07/11 17:00]

【担当記者が選ぶオールスターイチオシ選手〜中日編〜】
2年ぶりに開催される「マイナビオールスターゲーム2021」(7月16日(金)第1戦・17日(土)第2戦)。2016年以来となる2度目のオールスター出場を決めた中日不動の4番、ダヤン・ビシエド選手。彼には今回出場するにあたり、ある思いがありました。

メジャー通算66発。鳴り物入りで2016年に来日して以来、日本で過ごすのも6シーズン目を迎えたビシエド選手。彼の印象を一言で表すならば「真面目」。バッティングの技術はもちろんですが、この6年の月日で筆者が最も上達したと感じるのはファーストの守備です。試合前の練習では来る日も来る日も毎日ノックを受け、ハンドリングやセカンドへ反転して送球する動きは来日当初に比べ、相当レベルの高いものになっていると感じます。事実、昨シーズンの失策はわずか1つで初のゴールデングラブ賞に輝き、中日歴代の外国人選手としては史上初めて一塁手で受賞をしました。

「常に100%の準備をする」これが彼の口癖であり、外国人選手の中で、真面目に取り組んでいる姿は中日担当15年目の筆者から見てもこれまでで一番だと思っています。

去年12月、ゴールデングラブ賞の授賞式で父親を誇らしそうに見ていたのは、息子のビシエドジュニア君。通常、外国人選手はシーズン終了とともに母国へ帰国する事が当たり前となっていますが、ビシエド選手は息子を含め家族全員で名古屋に居続けました。年が明けた1月、ナゴヤ球場の自主トレでビシエド選手はその理由を説明してくれました。
「日本の生活が中心なんだ。家族や子供の事を考えて、どこで生活することが一番大事なのかを考えた結果、日本に長くいようと思ったんだよ」

ビシエドジュニア君は現在、小学6年生。名古屋市内の小学校に通い、学童軟式野球チームにも所属、さらにドラゴンズが運営するベースボールアカデミーにも入校しています。
年末年始こそアメリカに帰国をしていましたが、一年のほとんどを日本、そして名古屋で過ごすビシエド一家にあって、やはり息子との会話は野球の事が中心。

「息子に伝えている事はガッツ、野球への愛情、ポジティブでいること。そうすれば素晴らしい未来が開けると言っているんだ」ビシエド選手はこんな事も話してくれました。

そんな頑張っている息子にビシエド選手はオールスターで「自分が野球をしている姿をしっかり見てほしい!」と今回の球宴に招待をする予定だそう。前回選ばれた2016年の時にも球場にジュニア君を招待しましたが、この時はアーチを描くことは残念ながらできませんでした。「(選手間投票で)選ばれてとってもとってもとっても嬉しいし、光栄な気持ち。自分としてはホームランを打ちたい気持ちはある。その気持ちを持ってオールスターでプレーします」と力強く語ってくれたビシエド選手。

日本での生活を大切にする真面目な男が、息子の目の前でホームランを打つ…親子の絆を感じさせてくれた今回の球宴出場。これはもう、期待するしかありません。

【マイナビオールスターゲーム2021】
7月16日(金)よる6時〜 第1戦@メットライフドーム
7月17日(土)よる6時〜 第2戦@楽天生命パーク宮城
テレビ朝日系列地上波にて生中継(※一部地域を除く)
両日ごご4時55分〜よる6時 BS朝日にてホームランダービー生中継

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