侍J栗山監督 恐怖の国際大会ルール「準備が必要」[2022/07/02 23:30]

侍ジャパントップチームの栗山英樹監督が2日、第30回ハーレムベースボールウィーク2022(今月8日開幕・オランダ)に出場する大学日本代表の練習試合(神奈川県平塚市・バッティングパレス相石スタジアム)の視察に訪れた。

ENEOSとの試合は9回を終え0対2と大学日本代表は無得点に終わったものの、強打の外野手として4番を任された森下翔太(中央大4年)が最終打席に変化球をセンター前へ運び4打数1安打。投げては左腕の矢澤宏太(日本体育大4年)が持ち味のストレートを軸に3イニングで4奪三振の投球を見せるなど、視察に訪れたトップチームの指揮官に順調ぶりを披露した。今年3月に予定されていた侍ジャパンシリーズ(新型コロナの影響で中止)に向けて栗山監督が代表に選んでいた矢澤の投球については、「ボールの指のかかりがすごく良かったし、変化球も思った通りに投げられている」と舌を巻いた。

さらに、今回は練習試合ということもあり、タイブレークという形で10回を実施。
各世代の国際大会を含め、WBCでもこれまで用いられきたが、延長に突入後「ノーアウト・1塁2塁」からイニングを始まる制度だ。1プレーが得点に直結する極地だが、その戦況を見守った栗山監督は改めて“恐怖”を覚えたという。
「結構やっぱり難しいなと、守備位置も含めて。我々プロの場合というのは、僕も含めて意外とほとんど経験がない人たちが多く、これは準備しなきゃいけないなと。」
栗山監督はさらに、点差や先攻後攻にも左右される「守り」に関して以下のように続けた。
「例えば2アウトになってランナーが残っていて、内野は後ろに下がるが、二塁・三塁で2点目を防ぐために外野手を前に出すのか、そうすると普通の外野フライならアウトでチェンジのはずなのに(打球が)抜ける可能性がある。後攻だと点差を見ながらできるけれども、同点でもいいのか、それとも1点リードするのか、勝負にいかないといけない。プロ野球のペナントレースだと(上記の状況では)勝負にいくケースが高いけれども、引き分けでもいいやと思うと逆に引き分けられないというケースもある。そういうことも含めて、もう少し丁寧に考えておかなきゃいけない。二段、三段構えでもちろん考えていくが、もっと先の準備が必要かなと、怖いなって思った」
世界の舞台において経験が少ないシチュエーションこそ、“何が起こるかわからない”で片づけてはいけない。
栗山監督は近く、メンバー選考に向けてプロ野球各球団への訪問・視察も順次再開していく予定だが、WBC世界一奪還へ、指揮官の脳内には今、勝利への方程式がどれほど浮かんでいるのだろうか。その“恐怖”が今後、ありとあらゆるパターンを想定した徹底的な準備に繋がるに違いない。

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