広島・床田寛樹 「魔球」を操るサウスポーが恐れられるようになった理由[2022/07/18 17:00]

【担当記者が選ぶオールスターイチオシ選手〜広島編〜】

広島、先発投手陣で唯一のサウスポー・床田寛樹。
7月17日現在、8勝、防御率2.65は大瀬良、九里、森下らを抑え、チームトップの成績を残しています。

昨季は開幕ローテーション入りを果たすも結果を残せず6月に登録抹消。およそ2か月、2軍での調整を余儀なくされました。しかし、この時間の中で床田が見出した2つの光明が現在の活躍へとつながっています。

その光明の1つが「ストレートの出力」。
「1軍に再び上がって初めての登板で、3イニングでバテてもいいという気持ちで投げた。200%の力で投げて、責任イニングを投げられた。」と振り返る床田。
苦しみの中で見出したストレートの出力アップという光明は、自身初となる昨季9月の月間MVPをもたらしました。

そして、もう一つの光明、「魔球パーム」の覚醒です。
昨季経験した約2か月の2軍生活。床田は、試合中にボコボコに打たれ、「投げる球がない」と、感じる時がありました。
そんな時に試してみたのは、学生時代、遊び程度で投げていた「パーム」。
結果を残せず苦しむ中、見出したこの一球が、「思いのほか感触が良かった」と振り返ります。

床田の場合、ストレートとパームの球速差はおよそ30キロ。
この大きな球速差を存分に生かすことができている理由は一つ。彼のピッチングフォームが、ストレートを投じる時と、パームを投じる時でほとんど同じだからです。
床田が理想とする「パーム」は、打者が「まっすぐに見えて、球が来ない」というもの。
広島が今年導入した映像分析システム「ホークアイ」の結果においても、床田が投げるパームの軌道はストレートに近いというデータが出ています。

今季、投球の幅が広がり、安定感を増した床田が監督推薦で3年ぶり2度目のオールスター出場を決めました。
「ストレートとパームが、どれくらい通用するか投げてみたい。そして山川穂高さん(西武)と対戦したい。ホームランか三振のつもりで楽しんで投げられたら。」と意気込んでいます。

床田がパ・リーグの猛者たちを「魔球パーム」で封じ込めるか、注目です。


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