ヤクルト村上宗隆選手・父が語るホームランの“原点”…庭で物干しざお「大きく振れ」[2022/10/21 17:00]

22日開幕の「SMBC日本シリーズ2022」に出場する、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手(22)。王貞治さんを超えた村上選手の“原点”が、熊本県の実家にありました。

■庭で物干しざお「大きく振れ」 村上選手の父

父・村上公弥さん(49):「小さいころは、すぐに泣いていました。甘えん坊で、やっぱり次男だったので。よく泣きながら、よく遊びながら。そんな子でした」

泣き虫だったという村上少年が、野球を始めたきっかけがあります。

公弥さん:「幼稚園の年中の時に、長男と一緒に地域のスポーツクラブが週1回始まったので、そこに行ったのがきっかけですね。日曜日だけ親子で野球をできるので、一緒に連れて行って、始めたという感じです。

その後、小学生から本格的に野球に取り組んだ村上選手。実家の庭で父・公弥さんと、ある特殊な練習を行っていました。

公弥さん:「この物干しざお、あるじゃないですか。『これを振れ』って。どうしても小学生って、スイングが小さくなるじゃないですか。『大きく振れ』」

「大きく振れ」。豪快なスイングは物干しざおを使った、このトレーニングから生まれたのかもしれません。

■プロ4年目の昨季 ホームラン王を初獲得

幼いころから練習を重ねた実家の庭。何度もスイングをした場所は、今でも草も生えないほどまでに踏み潰されています。

村上選手:「小学校の時は負ける度に悔しくて、素振りしていましたし。中学校も高校もそこは変わらなかったので、打てなくなったら、あそこで素振りする。前に窓ガラスもあるので、ちょうどバッティングのフォームも見られるので。打てなかった時こそ、集中して振っていました。原点です」

こうして、プロの世界に足を踏み入れた村上選手。初出場は、1年目の9月。初打席でホームラン。鮮烈なデビューを飾ります。

翌年からスタメンに定着。36本のホームランを放ち、新人王に選ばれました。

4年目の昨シーズンには、ホームラン王のタイトルを初めて獲得。球界屈指のスラッガーに成長し、チームを20年ぶりの日本一に導きました。

■「打球が飛びすぎるのでレフト方向へ打て」中学時代の恩師

そんな村上選手のホームランにはある特徴があります。

それは、レフト方向への強い打球。シーズン55号を放った打球も、左中間へのホームランでした。

レフトへの強い打球。そのルーツは、中学時代にあります。

当時、村上選手を指導していた吉本幸夫さん(66)が、その理由を話してくれました。

吉本さん:「グラウンドのライト側が85メートルほどしかなかったので、それを越えていく。越えていくと、家や小屋があったりして、屋根を割ったりしていたので。逆方向(レフト)を狙って打ちなさい。逆方向へ逆方向へという形では打たせていました」

「打球が飛びすぎるのでレフト方向へ打て」。中学時代の練習について、村上選手は、こう話していました。

村上選手:「僕は引っ張りたかったです。ホームランばんばん打ちたかったので。ちょっと物足りなさはあったんですけど、それが今に生きている可能性はあります」

これが、ホームラン量産へとつながっていたのです。

(「報道ステーション」2022年10月3日放送分より)

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