【熱盛グランプリ】名誉挽回!天王山での涙…記録員も“興奮”完全試合 パ・リーグ編[2022/11/04 15:40]

今シーズン、プロ野球で“一番熱く盛り上がったシーン”を、ファンの皆さん各球団100人、合わせて1200人に伺いました。

それぞれに、それぞれの“熱盛”がありました。「熱盛グランプリ2022 パ・リーグ編」、どのシーンが1位になったのでしょうか。

■オリックス 名誉挽回!天王山での涙

まずは、日本一のオリックス・バファローズ。3日には、優勝パレードが行われました。

26年ぶりの日本一に沸くファンを熱くしたのは、大一番での“あるシーン”でした。

ファン:「泣きました」「ムネアツです」「宗選手のためにあるような試合」

宗佑磨選手(26):「僕が、泣いちゃいましたから」

リーグ優勝を争う大一番。しかし、この試合の宗選手は、守備で失点につながる送球ミス。1点を追う9回の打席では、送りバントを失敗。負けられない試合で、精彩を欠きます。

それでも、宗選手のミスをチームでカバーし、延長戦に持ち込んだオリックスは10回ウラ、満塁と、一打サヨナラの場面を作り、打席には宗選手。

宗選手:「良くも悪くも、きょうは僕の日だなと」

見事、サヨナラタイムリーを放ちました。

宗選手:「ミスをしたので…絶対に負けられない戦いで。もう、何とか取り返したい」「安堵(あんど)感で、涙が出てしまった。(来年も)感情の乗った、熱いプレーを見せたい」

■西武・山川選手の“胴上げ阻止”の一発

埼玉西武ライオンズは、やっぱり頼りになります!山川穂高選手(30)の悪夢を振り払う一発です。

ファン:「ヒーロー」「ザ・4番」「山川さんの胴上げ阻止したサヨナラホームラン」

シーズン終盤の10月1日、相手は、マジック1のソフトバンク。優勝を止めるには、勝つしかありません。実は、西武には、こんなトラウマがありました。

ここ15年で、他球団の優勝、目の前で胴上げを見届けた回数が12球団で1番多いのです。

この日も、嫌な空気が漂うなか、延長11回ウラ。2アウトランナー1塁で、4番・山川穂高選手(30)の打席です。胴上げを阻止する主砲の一振り。サヨナラ2ランを放ちます。

ファン:「『今年も優勝を見届けるのかな』。ここぞという時に打ってくれて、ほんとに最高の4番」

さらに、この試合は3対1での勝利でした。この「3点」には“ある裏話”がありました。

それは、試合前の円陣でのことです。

山川選手:「3点取りましょう、3点、3点」

なんと、3点取ると口にしたことを実現させたのです。まさに言霊!言葉の力でも、ファンを熱く盛り上げました。

■日本ハム・清宮選手が覚醒!プロ初満塁弾

北海道日本ハムファイターズは、皆が待っていました。ついに覚醒!清宮幸太郎選手(23)の一振りが選ばれました。

清宮選手:「色々言われているのは分かっているが、このままじゃ終わらせない。色々言っている人を黙らせる」

その言葉通り、今年の清宮選手は違いました。去年から約10キロの減量。自ら積極的に教えを乞い、シーズン中もバットを振り込むなど、とにかくやれることをやり尽くします。

そんな清宮選手が、今年最もファンを熱くしたのが、シーズン終盤の9月27日でした。プロ初の満塁ホームランです。

ファン:「初の満塁ホームラン。かっこよかったです」「スカッとしますよね」「厳しいことを言われていた、見返してやったぞ!やったぜ!」

今年は自己最多18ホーマー。来年、さらなる飛躍に期待です。

■3年ぶり“満員”の仙台で…チームを救う“一振り”

東北楽天ゴールデンイーグルスも熱い!今年チームに加わった西川遥輝選手(30)の一打に、杜の都が熱く盛り上がりました。

ファン:「球場全体がうぉーっ!」「何も覚えてないくらい興奮しました」「西川選手が打った同点ホームランです」

4月30日のソフトバンク戦、9回、3点を追う場面。2アウト1塁2塁のチャンスで打席には西川選手。起死回生のスリーランホームランで同点に追い付くと、チームはその後、サヨナラ勝ちを収めました。

実はこの試合、楽天にとって負けられない理由がありました。

ファン:「お客さんも、すごくいたし、どうにか同点にしてほしい」

この日は3年ぶりの満員御礼。特別な試合で、チームを救ったこの一振り。ありがとう、西川遥輝選手。

■ホークス一筋19年…明石選手の“最後の勇姿”

福岡ソフトバンクホークスは、愛され男!ホークス一筋19年、明石健志選手(36)の引退試合が第1位です。

ファン:「仕事中なのに泣きました」「いざという時に、やってくれた」「どこでも守れる、走れる、打てる」

ピッチャーとキャッチャー以外すべてのポジションをこなしてきたユーティリティープレーヤー。いつも懸命にプレーする姿や、時には、ホームインでバク宙を披露し盛り上げるなど、ファンの心をガッチリつかんできました。

そして迎えた、現役最後の打席。明石選手らしい懸命なプレーに、皆が熱くなりました。

明石選手:「たいした成績ではありません。僕が誇れるのは19年間、ホークスで野球をして、ホークスで引退できた」

■ロッテ・佐々木投手の“完全試合”に記録員も興奮

千葉ロッテマリーンズのファンが選んだのは、佐々木朗希投手(21)の完全試合でした。

ファン:「伝説の試合」「令和の怪物は、ただものじゃない」「完全試合!」

史上16人目の完全試合を達成。この28年ぶりの歴史的瞬間に、誰よりも近いところで立ち会った方がいるのです。

それがこの方、橘高淳さん。佐々木投手“伝説の105球”を裁いた、この日の球審です。

橘高さん:「無事終わったというのが1番。ロッカーに帰ってから、盛り上がった」

グラウンド上ではもちろん平常心。ただ、3000試合以上を担当した大ベテランでも、こんな本音が…。

橘高さん:「7回先頭の後藤選手に3ボール。あの時だけは、ストライク投げてくれと思いましたね。ボールも、もちろん速いが、コントロールが良い。すごいですね」

そして今回、特別にこの試合の公式スコアを見せて頂きました。

記録ずくめのピッチングが、この1枚に詰まっていて、野球殿堂博物館にも展示されました。

そんな歴史の1ページを記したのが、記録員の山川誠二さんと足立大輔さん。2人が熱くなったのは「SO」、つまり三振です。

山川さん:「13者連続奪三振は、抜かれないと思う。プロ野球の試合を後世に残すことが一番の仕事。普段は冷静に見ているが、すごく興奮した」

足立さん:「最後の“SO”を記した瞬間は、手が震えた。(佐々木投手は)これからも、たくさんの記録を残していく。楽しみに見ていきたい」

(「報道ステーション」2022年11月3日放送分より)

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