【報ステ】「夢にも思ってなかった」漫画が現実に…キャプテン翼の作者が見たドイツ戦[2022/11/24 23:30]

サッカーFIFAワールドカップ2022。日本代表が強豪ドイツを相手に歴史的な逆転勝利を挙げました。

ワールドカップでの劇的勝利を、漫画『キャプテン翼』の作者・高橋陽一さん(62)はどう感じたのでしょうか。

高橋陽一さん:「漫画のなかでも、ドイツ戦って結構多く描いてきたので、すごい思い入れがありますし、目標にしてきた国であるし、サッカーだと思うので、そのチームとワールドカップの初戦で当たれるというので、すごく楽しみにしてて。選手全員フルパワーを発揮してくれて、勝利につながったんだなと。現実の世界でも日本がドイツに勝ったので、すごくうれしいです」

1981年に発表した『キャプテン翼』は、世界中のサッカー少年を魅了してきました。

メッシ、ネイマール、エムバペ。スーパースターたちも、キャプテン翼のファンです。

高橋さんは作品のなかで、ドイツを特別なチームとして描いています。

主人公・大空翼の最強のライバルとして登場する、カール・ハインツ・シュナイダー。必殺技はファイヤーショットです。

高橋陽一さん:「(Q.シュナイダーには、どんな思いが込められていますか)カールハインツ・ルンメニゲという選手がいて、その選手がモデルなんですけど、やっぱりドイツは伝統的にストライカーがいるので、本当に強いストライカーというイメージで作り出したキャラクター。最初にヨーロッパ取材に行ったのもドイツだったので、ドイツはヨーロッパのなかでも思い入れが強いチームでした」

高橋さんだけではありません。日本サッカーにとって、ドイツは憧れの国でした。

1960年、ドイツからコーチとして招へいされたデットマール・クラマーさんは“日本サッカーの父”と呼ばれています。

クラマーさんが日本に根付かせたドイツ流のサッカーとは…。ドイツのプロリーグ、ブンデスリーガで日本人として初めてプレーした奥寺康彦さん(70)に聞きました。

奥寺康彦さん:「自分たちが気付いてない、サッカーの大事なところ、技術面のところもありますが、ずっとドイツから学んだ印象がある。『しっかりボールをつないでいく』『シンプルにゲームを組み立てていく』というのは、日本の選手にとっては学びやすかった」

インサイドキックさえ満足にできなかった日本代表に、サッカーの基礎を教え、東京オリンピックではベスト8、メキシコオリンピックでは銅メダルに導きました。

奥寺さんもドイツサッカーに魅せられた選手の1人です。

当時のブンデスリーガは、スーパースターたちが集まる世界最高峰のリーグでした。

奥寺康彦さん:「やっぱり最初に行った時は、速さだったり、強さだったり、激しさだったりが非常に戸惑った。日本でやっていた時より全然違ってきた」

奥寺さんのプレーを、高橋さんはスタジアムで観ていたといいます。

高橋陽一さん:「実際、ドイツ行った時は、街を案内してもらったりした。本当にリスペクトする偉大な選手だった」

その時の体験をもとに描いたドイツとの試合は、現実と同じ精神力の戦いになりました。

高橋陽一さん:「ドイツにもゲルマン魂、日本にも大和魂というのがあって、なめてかかってくることはないだろうなと。日本も気持ちでは負けてなくて、最後まで粘り強く守って、本当に魂と魂のぶつかり合いの試合だった」

そして、結果も現実と同じ、日本の勝利でした。

高橋陽一さん:「(Q.取材当時(80年代)の状況と今回の違いは)当時は日本にプロリーグがまだなくて、実際にドイツのクラブチームを取材させてもらうと、これはダメだな日本は、ワールドカップに出るのは無理だと、実際にはその時思った。短期間と言っていい時間のなかで、ここまで来て、ドイツに勝つ日がくるとは、その時は夢にも思っていなかった。(Q.思い描いたことが実現した)そうなればいいなと思って描いたことが、現実の世界でもかなった。サッカー自体が今、日本でもこれだけ盛り上がって、すごいパワーを持ったスポーツだなと改めて思ったし、そういうスポーツを描けて幸せだと思う」

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