【W杯】森保監督「選手たちの努力は色あせることはない」クロアチア戦後会見[2022/12/06 15:50]

FIFAワールドカップ2022、決勝トーナメント。日本はPK戦の末、クロアチアに敗れ、ベスト8進出とはなりませんでした。

試合終了後、日本代表の森保一監督が会見を行いました。

Q:PKで精神とプレッシャーに負けてしまったのか
森保:最後PK合戦になって、我々はこの試合をものにできなかったということはもちろん、この結果を受け止めならなければいけないかなというふうに思いますが、プレッシャーに負けてではなく、相手のゴールキーパーが素晴らしいセービングを見せてくれたというふうに思っています。
むしろ、日本の選手たちは勇気を持って、勇敢に120分戦ってくれたと思いますし、PKを蹴ってくれた選手たちは勇気を持ってPKに臨んでくれたというふうに思います。
PKまでいく流れの中で、できれば我々は勝ちたかったですけど、ペナルティーキックは、結果は残念ですけど、仕方ないということで受け止めていきたいと思います。選手たちの頑張りがこれで何か変わるものではないと思いますし、胸を張って選手たちには世界と戦えるということを示したことを、世界を超えていけるということ示してくれたことを誇りに思って次に向かっていってほしいと思います。まだまだ日本の選手たちは成長できるというふうに思います。

Q:試合後の円陣で選手たちに何を伝えたか、またPKの人選は
森保:試合が終わってからの円陣は正直自分でも何を言ったかすべて覚えていないということはありますが、まずは選手たちはそしてチームスタッフはこれまで努力を重ねてきてくれたことに対して、私の感謝と結果にはつながらなかったですけど、選手たちの努力は色あせることはない、無駄なことはなかったと伝えました。
そしてベスト16の壁は破れなく新しい景色ということは見ることはできなかったと言われるかもしれませんが、ドイツやスペインに勝つというワールドカップチャンピオンの経験があるチームに勝てるという新しい景色は選手たちが見せてくれたと思いますし、何よりも日本が世界で戦い世界に勝っていけるという新時代を選手たちは見せてくれたことを選手たちには伝え、そしてこの悔しさを次の成長につなげてほしいということを言いました。
サッカーを続けている限り、選手も我々スタッフも一緒ですけど常に成長をしながらレベルアップしながら戦っていかなければいけないことを選手たちには伝えました。冒頭に言ったのは先ほど私からも選手とスタッフへの感謝とともに、我々がこの素晴らしいワールドカップという舞台に立って戦えたこと、それはこれまで多くの選手たちが道をつないでくれ、そしてサッカーファミリーそして関係者の皆さん、また今回も国民の皆さんが応援・共闘してくれたということに感謝をしようということを伝えましたし、感謝をもって顔を上げてまた次に向かおうということを伝えました。
PKの順番は選手たちに決めてもらいました。みな勇気を持って自分が蹴るということをやってくれたことは、PKの成功失敗はあるかもしれないですけど、勇気を持ってプレッシャーのかかる中チャレンジするということを、選手たちは見せてくれたと思いますし、そのチャレンジをたたえたいというふうに思いますし、我々のことを見てくださっていた方々が、そのチャレンジであったり勇気であるということを日常生活に生かしてもらえるように、選手たちの気持ちを感じてもらえたらうれしいなというふうに思います。

Q:前半のゲームプランと、先制したことによる後半への影響について
森保:みなさんのサッカーを見る見方は自由で、すべて受け入れたいというふうに思いますが、前半たしかに無失点に抑えながら試合を進めていこうと選手たちには伝えましたけど、守備から攻撃にというところカウンターであったりボールを保持するというところはトライしていこうということを伝えていました。
ボールがつながらなかったという部分では相手の強度もありますし、相手のうまい守備ということもありますので、ロストした部分もあるかと思いますけど、カウンターであったりボールを保持するという部分ではむしろ選手たちは良くトライしてくれたと思いますし、それがあったから90分、120分体力的にはもったというふうに思います。
ボールを捨てることが絶対ないようにということは、ゲームの前、そしてハーフタイムにも選手たちには伝えましたし、ハーフタイムでは1−0でリードしている中、しっかり守ってそこから攻撃に転じるという部分はやっていくという部分、相手の攻撃を受けて素早い攻撃につなげるという部分をやっていこうというのは、試合の流れの中で伝えましたが、ボールを捨ててボールをつなぐことを放棄して、相手に試合の流れを完全に持っていかれることはないようにと選手たちにはハーフタイムで伝えました。
いい形で守備から攻撃のところ昨日のイングランド対セネガルのように、リードしたあとの状況であれば、いい守備からまたカウンターで試合を決めていく仕留めていくという部分、今日のミーティングであったり、試合前の準備のところでは選手に話していました。
本当に素晴らしいトライをしてくれたなと、ロシアのワールドカップでの反省でリードしている中、ポゼッション率が下がることで押し込まれてしまい、最後試合をもっていかれる、決められてしまう部分、体力的にも疲弊して最後まで戦えないというようなところも反省点で、常にポイントとして持ってきた中で今日の前半も後半もそうですけど、保持率は分かりませんけど守備から攻撃になるときに繋ぐ意識があるかどうかということは非常に大切なことで、そこは選手たちはよくトライしてくれたと思います。あとは今のベストをぶつけてくれた中、そのつなぐということがより効果的な攻撃につながっていく、試合のコントロールにつながっていくということは、これから先のレベルアップをさらに考えていかなければいけないところかなというふうに思っています。

Q:ベスト8に対して何が足りなかったか
森保:逆に何が足りなかったと思われてますか?(記者:体力が削られたことが原因ではないか)おっしゃる通りのところも多々あります。逆に質問に答えてくださってありがとうございます。
試合全般で見ると十分チャンスも作れたと思いますし、我々が勝っていてもおかしくないような試合内容だったと思いますけど、試合の終盤は少しボールをつなぐということができない状態になったかなと、延長に入ってからはそういうケースが増えていったかなというふうに思いますが、我々がカウンターはもちろんですけど、ボールの保持率というかボールを握りながらゲームをコントロールして試合を進めるという部分、選手はトライしてくれましたけど、まだまだインテンシティが高い中、ハイスピードの中、常に我々がコントロールしてより優位に試合を進めるという部分では課題として考えなければいけないなというふうに思います。
しかしながら取り組んでいること、選手たちがトライしてくれたことについては、今のベストを今日もぶつけてくれたと思いますし、これは結果が出てしまった中で、一つの、またあげていかなければいけないポイントとして、また選手たちにも今後上げてもらえるように日本のサッカーのレベルアップするポイントだということで捉えていってほしいなと思います。すべてが一気には変われないと思いますし、いきなりスーパーマンにはみんななれないと思いますので、そこは地道に積み上げていくことが大切だと思います。これまでの積み上げの中では間違いなく、日本のサッカーの歴史の中、世界と戦える積み上げができてきていると思いますし、今大会の中でも4試合目ということで選手たちが成長しながら今日の戦いに全てをぶつけてくれたかなと思います。

Q:ドイツ戦、スペイン戦で見られた攻撃のスピードを今日は上げきることができなかった原因は
森保:相手が我々のことをとてもよく分析していて、我々の良さを消した部分があったかなというふうに思っています。

Q:失点の場面について
森保:失点の場面についてはクロアチアがシンプルにターゲットを使ってきて、ダイレクトプレーからゴールに向かう、セカンドボールを拾う、オープンプレー、そしてそれを含めたセットプレーも中央に高さをもって攻めてくるということは、今日の試合でも注意しなければいけないポイントとして注意していました。
質問の答えで言うと、クロアチアの素晴らしいクロスとヘディングシュートがあったことが素晴らしいプレーだったというふうに思います。過去の日本のサッカーの歴史の中でもクロスから失点していることはあると思いますので、今後またそういうところはこの経験を踏まえて改善していってもらえればなというふうに思いますし、ただしこれまでであれば、ロングボールで押し込まれてなかなかそこから自分たちのボールにできなかったり、押し込まれて押し切られてという日本のサッカーの歴史がありますけど、そこは選手たちがまた新しい時代を見せてくれて、相手が日本に対して高さでいけるパワーでいけるというところは、世界の戦いの中でも十分はねかえしていけるということが選手たちは見せてくれたのかなというふうに思います。

Q:PKは運か訓練か
森保:運だと思います。というのと訓練だと思いますというのと、両方あると思います。これまでも育成年代も含めていろいろな経験をさせていただきましたけどもボールを強く狙ったところに決めていくという部分においては、日本とヨーロッパであったり世界のトップを走るチームとの差はあるなというふうに感じてきていました。
今日の試合に関しては相手のキーパーが素晴らしかったですし、我々のペナルティーキックを止められたところはあると思いますが、もっと強く狙ったところに蹴れるから駆け引きができるようにということは、今後日本のサッカーのレベルアップにおいては一つポイントとして改善していかなければいけないところかなというふうに思っています。

(終わりに)
これまで我々を支えてくださったすべての皆様に感謝を申し上げたいと思います。また、日本のサッカーが世界で勝っていくためには、ここにおられるメディアの皆様を通して、よりサッカーが日本の中で社会貢献の一つのツールとして認めていってもらえることが非常に大切だと思いますし、必ず最高の景色を見られる日が日本のサッカーに来ると思いますので、今回のワールドカップで国民の皆さんが応援共闘してくださったことに感謝を申し上げるとともに、これから我々が世界で勝っていくためには国民の皆さんの応援と共闘が本当に必要ですので、是非これからも応援よろしくお願いしたいと思います。素晴らしい選手たちを後押ししてほしいなと思います。本当にこれまで皆さんありがとうございました。

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