元日本代表・高原直泰 沖縄で描く未来…クラブ経営&コーヒー栽培 “1人3役”大奮闘[2023/01/19 16:13]

元サッカー日本代表の高原直泰さん(43)。沖縄県でサッカークラブを経営しながら、コーヒー栽培をしています。

2年前に特集した時は、まだ苗を植えたばかりでした。

現在は成長して、ついに収穫の時を迎えました。

■選手・監督・最高責任者“1人3役” 創設7年目で…

元サッカー日本代表・高原直泰さん。2015年にサッカークラブ「沖縄SV(エス・ファウ)」を設立し、選手兼監督、さらに最高責任者の1人3役を務めています。

高原さんは内田篤人さんと同じ、清水東高校出身。内田さんが日本代表にデビューした当時は、日本のエースとして君臨していた大先輩です。

内田さん:「よろしくお願いします」
高原さん:「何そんなに恐縮してるの?恐縮すんなよ」
内田さん:「怖いイメージしかないです(笑)」
高原さん:「すごく優しくなったから(笑)」
内田さん:「あんな笑顔、一回も見たことない」

去年11月、全国地域チャンピオンズリーグ。勝てばJ1から数えて4部リーグにあたるJFL昇格が決まる試合。高原さんは前半、監督としてベンチで指揮を執ると、後半は選手で途中出場します。そして、チーム創設7年目にして、悲願のJFL昇格を果たしました。

内田さん:「JFL昇格おめでとうございます」
高原さん:「ありがとうございます」
内田さん:「チームができて7年目で、JFL昇格しました」
高原さん:「自分が想定したよりも遅い。5年ぐらいでJFLに行きたいと最初は思っていた」
内田さん:「選手と監督、どっちが大変ですか?」
高原さん:「監督だな」
内田さん:「監督なんだ!」

高原さん:「監督は大変だよ。全体をしっかりまとめて、それを結果につなげないといけない。今回サッカーで結果を出して、JFLに上がれたのは、農業に対してもプラス。将来、コーヒーっていうのが沖縄の新たな特産物みたいにしたいと思っているから。自分たちの取り組みが、皆が知ってくれて、より良くなっていくんじゃないかな」

■高原さんが見据える 沖縄SVの未来「5年以内に…」

高原さんは2016年、世界的食品メイカーのネスレと、名護市、琉球大学の協力を得て「沖縄コーヒープロジェクト」を発足。耕作放棄地を開墾して、コーヒー栽培を始めました。

沖縄は、“コーヒーベルト”と呼ばれる世界でコーヒー栽培が可能なエリアの最北限。日本では沖縄でしか栽培できないコーヒーを特産物にして、農業で地域を活性化させようと考えたのです。

高原さんは、前回の2020年12月の放送で、次のように話していました。

高原さん(2020年12月放送):「スポーツと何かを掛け合わせて、新しいものを生み出したい。自分たちだけでも、稼いでいけるものが必要じゃないか。会社の事業としてやっていきたい、『やるぞ』と言ったのが農業だった」

4年前、沖縄SVの選手全員で、名護市から提供された土地に、最初の苗木を植樹。コーヒー栽培を軌道に乗せ、スポンサー収入だけに頼らないチーム運営を実現するのが、高原さんのもう一つの夢なのです。

そして、この冬、ついに収穫の時を迎えました。

高原さん:「ああいう感じで、実がなってくる。(実を)とっちゃっていいよ」

内田さん:「いきます!赤いんだ、コーヒーって。これ(一粒)で、1杯いける?」

高原さん:「いけない!1杯飲むのに約10グラム必要。1本の木から400グラムぐらいだから、(1杯)10gで使うと40杯」

内田さん:「コーヒー1杯作るの、めちゃめちゃ大変」

高原さん:「そうでしょう?将来的には、そういう体験もできて」

内田さん:「収穫体験、いいですね」

高原さん:「収穫体験もできて、自分でとったものを飲める。沖縄に来たら、海だけじゃなく、そういう体験もできる」

内田さん:「組み合わさっていったらいいですね」

高原さん:「色んなものが組み合わされば。(沖縄は)元々、観光はすごい。そこにまた違う魅力が加われば、面白い」

高原さんは農業事業を本格化させるため2021年に、農地を所有して農業経営ができる法人を設立。新たにサッカーコート2面半分、5000坪の耕作放棄地を入手。この場所を整備して、農地の拡大を目指しています。

さらに、沖縄コーヒープロジェクトに地元の「北部農林高校」も参入。未来の農業を担う高校生とも連携し、コーヒー栽培の輪を広げています。

そして、高原さんに沖縄SVの未来について聞いてみました。

内田さん:「今後の展開としては、どうなっていったらいいんですか?」

高原さん:「コーヒー栽培をやっているのは、アピールのためじゃない。やっぱり、しっかり収益が出るように、将来的にはそうしないと意味がない。自分たちで育てて加工して、販売する。そこまで自分たちでやれるようにしていきたい。観光農園的を5年以内につくりたい」

■内田さん“苗植え”挑戦…高原さん「初の共同作業」

最後に、高原さんに案内されたのは…。

高原さん:「(内田さんに)苗を植えてもらいたい」

さっそく、苗を植えるために機械を使って穴を掘る内田さん。慣れない作業に思わず、こう漏らしました。

内田さん:「筋トレっす」
高原さん:「大変だよな?」
内田さん:「大変!」

そして、いよいよ苗を土に植える作業です。

内田さん:「(苗を)右手で持って浮かしながら」
高原さん:「周りの土を入れていく」
高原さん:「初めての共同作業、篤人と」
内田さん:「高原さん、昔、こんなの絶対言わなかった」
高原さん:「ははははは(笑)」
内田さん:「昔はほんと怖くて、話しかけられなかった」

そうこうしているうちに、苗を無事に植えることができました。

内田さん:「完成です。どうですかね?」
高原さん:「まずまずだね」
内田さん:「疲れた、マジで。これで、未来への一本が」
高原さん:「じゃあ、また篤人に来てもらって、ちょこちょこ」
内田さん:「ちょこちょこ?」
高原さん・内田さん:「はははは(笑)」

(「報道ステーション」2023年1月18日放送分より)

こちらも読まれています