松坂大輔の“スタメン”に栗山監督「なるほど」 大谷選手“二刀流”起用「これから」[2023/01/27 14:53]

3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向け、栗山英樹監督が“侍ジャパン”30人を発表しました。

投手は、すでに発表されていたパドレスのダルビッシュ有選手や、エンゼルスの大谷翔平選手など15人。野手は、史上最年少三冠王のヤクルトの村上宗隆選手など、15人が選出されました。

■初戦の“先発ピッチャー”は…?栗山監督「1試合1試合、目いっぱい」

ーー世界一へ一直線。侍ジャパンの栗山英樹監督にお越し頂きました。そして、松坂大輔さんにも来て頂いています。2009年のWBCでは、松坂さんは日本のエースでした。その時、栗山監督は『報道ステーション』のスポーツのキャスターとして取材をする側でした。今回は、逆の立場となります。今度は、監督としてWBCに臨まれるわけですが、選手の選考は大変でしたか?

栗山監督:「日本にいっぱい良い選手がいるので、どの組み合わせが良いのかなというのは、最後の最後まで本当に考え抜きました」

ーー丁寧に一人ひとり声を掛けて、電話をして?

栗山監督:「選んだ選手にはやっぱり、『さあ行くぞ!』と思ってほしかったので。僕のほうから、直接電話させて頂きました」

ーー松坂さんは、この30人のメンバーを見て、どういう印象をお持ちですか?

松坂さん:「とにかく、すごいメンバーだなのひと言ですね。頼もしいと同時に、どういう選手を使うのか。そういうことにも栗山監督が頭を悩ますのかなと思ったりもしてます」

ーー30人のうち、半分を占める15人のピッチャーの起用法から聞いていきたいんですが、その前におさらいをしておきます。WBCの日程ですが、3月9日に第1ラウンドが開幕して、初戦が中国、10日が韓国という試合になっています。我々、いつも寒さのニュースを伝えているので、野球のニュースというのはまだ先かと思ったら、1カ月半しかないです。もう間もなくということなんですが、まず投手は15人います。ずばり聞きます。初戦3月9日、中国戦先発ピッチャー誰で行きましょう?

栗山監督:「誰ですか?松坂さん」

ーー松坂さんなら、どうですか?

松坂さん:「僕だったら、山本由伸投手ですかね」

ーーやっぱり、日本のオリンピックのエース。

松坂さん:「大事な初戦ですし、勝ち方が非常に大事になってくるのかなと思ったりもしますね」

ーー生意気ながら、僕の意見を言ってもいいですか?これからの日本を支えるという意味で、佐々木朗希投手。どうですか?

栗山監督:「ありですね。山本由伸投手もありますし、佐々木投手もあります。ただ、その後4連戦あって、次に準々決勝があって。その後、ちょっと空いて、難しいんですよ。ですから、最初のころって中5日、6日空けたいじゃないですか」

松坂さん:「あまり、詰めて投げたくないですね。投げられるでしょうけど。結構、体に対する負担とかも、大きいと思うんですね」

ーーピッチャーとしては、アドレナリンが出て投げたいという気持ちが強いですかね。そこを監督は、ちゃんと見て休養、今後のことも考え。

栗山監督:「普通だったら30球、50球くらいのところから始まって中6日、空けている時期なので。松坂投手がいるなら、無理して行ってもらいますけど(笑)。そこの逆算っていうんですかね。準々決勝を抜けないと、アメリカには行けないので」

ーーピッチャー、継投でいって15人。できるだけ場数を踏むことが、1次ラウンドの意味でもあるのでしょうか。

栗山監督:「そんな余裕は…。僕はもう、どこで何が落とし穴があるか分からないので。1試合1試合、目いっぱいいくつもりですけども」

■大谷選手の“二刀流”は? 栗山監督「使い方も、本当にこれから」

ーーそして投手陣といえば、大谷翔平選手。メジャーリーグからも参加ということになりますが、本人も意欲的です。ピッチャーとして、二刀流で起用するという考えはお持ちですか?

栗山監督:「松坂さん、ボストン・レッドソックスの時にWBC行ったら、ボストンのほうからも色々なルールがあるんですよね」

松坂さん:「すごく制限を掛けられて。2月のキャンプから、球数のチェックとかされましたね」

ーーエンゼルスも、やっぱり球数制限みたいなことは。なかなかおっしゃりにくいでしょうけども。

栗山監督:「正直、まだエンゼルスと話し合いを続けていて。バッターのところとピッチャーのところで、どういうふうに使ったらいいのかというところは、契約はエンゼルスなので。それをまず折り合いをこっちがつけなきゃいけない。日本のピッチャーも、そうなんですね。各チームに、こうやって使わせて下さいと、各監督さんと確認というのはさせてもらいながらするので」

小木逸平アナウンサー:「二刀流OKというところまでは、まだ出てないということですか」

栗山監督:「まだ使い方も、本当にこれからです。ただ、僕の中では、とにかく世界一になるために、できる限り勝ちやすい形に持っていくというのが仕事ではあるので。その努力はしますけど。本当に、これからなので。まだ決まってないですね」

ーー仮に投げれるとなったら、例えば、多い球数でないとしたら抑えでの起用もあり得るんですか?

栗山監督:「……黙っちゃいましたね(笑)。正直言うと、ダルビッシュ投手には、その可能性の話をしました。翔平とメジャーの立場では年齢、やってきたことが違うので。ダルビッシュ投手は、『監督、何でもしますよ』という雰囲気を持ってくれてはいます。ただ、翔平に関しては、バッターとの兼ね合いが色々あるので。こっちが自由にという感じにはなかなか…」

松坂さん:「多分、ダルビッシュ投手のほうが、チームからもある程度任されていると思うので。調整も難しいですけど、チームからの制限もダルビッシュ投手のほうが多少は緩いのかなと」

ーー自分の裁量で、できる範囲が大きいということですか?

松坂さん:「そうですね」

ーーそうすると、先発もあり得る?

栗山監督:「ダルビッシュ投手はそうですね。幅を持たせてというか。誰かが、本当に幅を広げていかないといけない可能性はあるので。ただ、可能性があるってことだけです。それは、これから松坂投手にも色々聞きます。(松坂さんは)2回連続MVPですからね。これから色々な話をしながら。ただ、僕としては、とにかく幅を広げて、選択肢を増やして合宿に入っていきます」

■松坂さんが考える“スタメン”…栗山監督の反応は?

ーーでは、松坂さんが考えるスターティングメンバー。1番にDH大谷翔平選手を持ってきています。ひょっとしたら、ピッチャーかもしれませんが。1番大谷、この狙いは?

松坂さん:「単純に僕は、ヨーイドンで1番バッターが大谷選手だったら嫌だというのと、結構、ヌートバー選手が参加するのが決まってから、ヌートバー選手が1番がいいんじゃないかと言われてはいるのですが、大谷選手も同じように、出塁率も高いですし。僕は、ヌートバー選手よりも、大谷選手が走れる。1番バッターとして考えた時にですね。なので後、単純にピッチャーとして1番大谷が嫌だということです」

ーー栗山さん、耳を傾けて聞いてましたけども。

栗山監督:「なるほどなと…。冗談じゃなくて。松坂さん、特にこの1、2、3の並びとかって、村上選手に行くまでというのは、かなりプレッシャーが最初から、かかりますもんね」

松坂さん:「単純に対戦することを考えたら嫌ですし、比較的、村上選手以外の選手たちは、結構色んな打順を打ってるイメージがあるので。鈴木誠也選手も、日本ではずっと4番打っていましたけど、メジャー行ってからは色々な打順を打っていくので、対応できるのかなと」

ーー今の話を逆でいうと、村上選手の4番はほぼ固定でいいんですか?

栗山監督:「いやいや…。ただ、打順の何番っていうことよりも、流れなんだと思うんですよ。この松坂さんが言った流れが本当に良いんだったら、3番以降に下げるのは、この並びは嫌なんですね。それはすごく重要で、すごく参考として、松坂投手が一流のピッチャーがどういうのが嫌なのかなって今、こういうのが嫌なんだなって、頭にすごい入ったので」

ーー良い流れだなと。打線は流れですからね。

栗山監督:「村上は4番ですか?」

ーー村上、4番でしょうね。

栗山監督:「初戦は誰ですか、先発」

ーー初戦は、佐々木朗希選手じゃないですかね。僕に聞かれても困りますが…(笑)。

小木アナ:「人の話を参考にされますか?」

栗山監督:「僕は正直、ジャパンの試合だけは、ファンの方含めて全員正しいこと言っていると思います。どれを選択しても良いので。要するに、育てるとか関係ないので、とにかく勝てばいい試合なので。すごくちゃんと聞いています。そういう考え方なんだっていう」

ーーこのところ急にというか、もちろん驚きを持って受け止められた、ヌートバー選手ですよね。現役メジャーリーガー、お母さんが日本人ということで、ジャパン入りしました。ヌートバー選手をどう評価されました?

栗山監督:「本当にがむしゃらだし、肩が強いし、バランスが良いんですね。打つ方向も。アメリカで活躍するっていうのは、松坂さん大事ですよね。これから世界一になるには」

松坂さん:「こういう選手が1人でも多いほうが良いと思います」

ーーこれからの日程、色々調整が難しそうですが。

小木アナ:「スタートが2月の合宿からで。その後、色々強化試合が続いていくことになりますが、先ほどまだ決まっていないというお話をすでにされてましたが、メジャー組はどのあたりから参加できるんですか?」

栗山監督:「どの辺からメジャーの選手が試合に出られるのかは、色々交渉してて。最後の大阪の6日、7日までは基本的にはメジャーリーガーは出れないという原則で進んでいるんですよ。その前に、とにかく試合で調整してほしいので、色々交渉しているんですが。それが決まれば、早く来てくれると思いますし。その辺りは、まだ全然分からないんですね」

小木アナ:「契約の関係で、出られないんですか?」

栗山監督:「ある意味、メジャーリーグの規定で。メジャーリーグ以外のオープン戦には、保険の問題を含めて出られないというルールが一応あるんですね」

ーーメジャーの選手はもちろんそうですが、他の選手たちも、各チームのこれからのシーズン入りを前にしてのこの大会ですので。そういった調整の難しさ、独特の難しさがあると思いますが」

栗山監督:「本当に難しいです。ただ、一流のプレーヤーなので。どういう状況でも合わせてくれると、こっちは信じてやるだけなので。どういう状況でもやりますけど、日本のファンの方に、日本のチームをたくさん見てほしいなと思います。練習試合も含めて」

■松坂さん「絶対優勝」 栗山監督「日本野球の魂信じて」

ーー松坂さん、最後に日本への期待をひと言で。

松坂さん:「『絶対優勝』です」

ーー「絶対優勝」という言葉ですが。栗山監督、いかがですか?

栗山監督:「色々教えてねって言ってあるので。裏でこっそりと(笑)」

ーー栗山監督、日本国民全員の意見を聞いて、チーム作りということですね。

栗山監督:「すべて正しいので。しっかり色んな意見を聞いて、日本の野球の魂を信じていきます」

(「報道ステーション」2023年1月26日放送分より)

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