イチローに松岡修造が質問「WBC、どんな大会になってほしい?」[2023/02/22 17:04]

松岡修造さんのメジャーリーグ・キャンプ取材。

イチローさんが会長付特別補佐兼インストラクターとして参加しているシアトル・マリナーズの練習を見に行った際、WBCについて、貴重な話を伺いました。

■“まな弟子”はドミニカ共和国代表「イチロー、一緒に練習して」

シアトル・マリナーズの練習場を訪れた松岡さん。視線の先に、チームのレジェンド、イチローさん(49)がいました。

イチローさん:「松岡さん!」
松岡さん:「ご無沙汰しております」
イチローさん:「何年ぶりですかね?」
松岡さん:「まだ、現役ですね」
イチローさん:「現役は、全然ずっと前」
松岡さん:「でも、まだ現役です」
イチローさん:「ありがとうございます。さわやか」

思わぬ挨拶もできて、練習を見学。すると、イチローさんに「イチッ!!」と声を掛けたのは、去年のア・リーグ新人王フリオ・ロドリゲス選手(22)。WBCには、ドミニカ共和国の代表として参加します。

実は、ロドリゲス選手はイチローさんの“まな弟子”。練習では、いつもイチローさんが、キャッチボールの相手をしているのです。

松岡さん:「ロドリゲス選手のほうから『イチロー、一緒に練習して』って言ってきましたね。2人の信頼を感じられます」

そして今度は、ノック。通常、トスは自分であげるものなのですが、イチローさんはトスをあげてもらい、レフトやセンターに強い打球を打ち分けていました。

松岡さん:「ロドリゲス選手、しっかり捕りましたね」
ロドリゲス:「(日本語で)ありがとうございます!」
松岡さん:「『ありがとうございます』だって!いや、なんとも言えない(良い)雰囲気だ」

■松岡さん「三浦知良選手とイチローさん似ています」

1時間半ほどの練習を終えると、再び松岡の元に、イチローさんが来てくれました。

イチローさん:「松岡さん、ちょっとお伺いしたいことが」

松岡さん:「はい、どうぞ」

イチローさん:「スポーツの中で、テニスのサーブを受けるっていうのが最も難しい反応だと僕は感じていて。(ボールに)スピードがあるから。テニスのサーブを受けるって、返すこと前提の動き?」

松岡さん:「そうですね」

イチローさん:「(テニスのサーブを)とるだけでいいなら、動かないほうがいいんですか?」

松岡さん:「とるだけ?それは、動かないですね」

イチローさん:「野球のなかで一番難しい動きって、走塁の打球判断なんですよね。走塁の打球判断って、皆シャッフルして動くんですけど。目が動くので、走塁の打球判断って、すごく難しくなる。(テニスも)目が動くと、やっぱり難しくなりますか?」

松岡さん:「難しくなる。その時点で、(ボールを)見失っちゃう」

イチローさん:「野球の打球判断も、そうなんです」

他の競技から、野球に生かせるヒントを掴もうと質問してきたイチローさん。

松岡さん:「この前、三浦知良選手と会ったんです。ちょっとイチローさん、似てます。本当に、野球が好きなんだなと思って」

イチローさん:「野球好きですよ。(そうじゃなければ、選手と)一緒には、やってられないです。野球好きですよ」

■WBCは「優勝=世界一」という大会になれば

今回、アメリカにおけるWBCの熱を取材してきた松岡さん。2度、世界一に輝いたイチローさんにも聞いてみました。

松岡さん:「記者に聞いていくと、WBCへの本気度が大きくなっている。そこらへんは、どう感じますか?」

イチローさん:「第1回大会は2006年でしたけど、スタートだったので、どうなるかもちろん分からなかったですし。当時、日本国内だけでも盛り上がったらうれしいと。そういう思いで、わりと強めのメッセージを出した記憶があるのと。それから17年ですか。僕は最初の2回だけの参加でしたけど、だんだん目標とする大会になりつつあるのがうれしいですね、僕としては」

松岡さん:「イチローさんは、WBCがどんな大会になってほしいですか?」

イチローさん:「この大会で勝てば『世界一』という明確な位置ですね。それがWBCであるべきだと思うので。そうなってくれれば、うまくいったと言える。サッカーのワールドカップとは違うと思うんですね。歴史も違うし。そういう意味も込めて、どう変わっていくのか、いい方向に行くのか。これはMLBが、どう考えるかが大きいと思うのと、シーズンを止めて開催することは難しいと思いますけど。でも、それくらい本気の大会になってほしい。そう願っています」

松岡さん:「うれしかったです。イチローさん、もう子どもみたいに野球が好きで」

イチローさん:「ありがとうございます」

(「報道ステーション」2023年2月21日放送分より)

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