侍JAPAN“走塁キーマン”周東佑京の駆け引き…松坂大輔「そんな考え方したことない」[2023/02/22 16:59]

松坂大輔さんが注目する、侍ジャパン・メンバーの連続企画です。2回目は、WBCで日本の大きな武器となる走塁のキーマンです。

■代表で求められる役割は“盗塁”

宮崎県宮崎市。足を運んだのは、ソフトバンクのキャンプ地です。

松坂さん:「国際大会は足で大きく流れが変わる。周東選手の武器は重要なパーツになる」

松坂さんが推す侍のキーマン、ソフトバンク・周東佑京選手(27)。日本トップクラスの俊足で、2020年に50盗塁を記録し盗塁王を獲得。13試合連続盗塁という世界記録も樹立しました。

そんな周東選手に、あえてこんな質問をしてみました。

松坂さん:「代表の中で求められる役割って、何だと思っていますか?」

周東選手:「僕の場合は、やっぱり明確だと思っているので。盗塁がなくなったら、僕はこの世界で生きていけないと思ってるので。生きる道と言いますか」

■“独特の駆け引き”で優位に

「盗塁が生きる道」。では、その盗塁時、周東選手はピッチャーとどのような駆け引きを行っているのでしょうか?

松坂さん:「国際試合だと、あまりデータがないなかで初見のピッチャーを相手にすることが多くなる。何が一番大事になってきますか?盗塁しようと思った時」

周東選手:「一歩目が出せるか出せないか」

松坂さん:「フリップがあるんですけど、(周東選手が)こういうふうに見てますっていうのが書けるのであれば…」

周東選手:「(投手全体と客席を丸で囲み)本当にこんな感じです。全体的に見ています」

松坂さん:「“肩がちょっと動いた”とか見てると思ったら、そうじゃないんですね」

周東選手:「観客席まで見えるぐらい、俯瞰(ふかん)的に見るようにはしています。人じゃなくて風景を見ているイメージ。(投手が)動くのは、すごく分かる」

周東選手はピッチャーの一部分を集中して見るのではなく、観客席も含んだ全体を見ることで、投球動作に入るわずかな動きを察知していたのです。

松坂さん:「そうして見たほうが、動きを察知しやすい?」

周東選手:「しやすいですね。どこが動くとか」

松坂さん:「そんな考え方したことないです」

顔を見合わせる左ピッチャーの場合では…。

周東選手:「左投手も一緒です。左投手も見方は一緒ですけど、こっちを向いている分、あまり顔は見ないようにしています。表情は作れるじゃないですか」

松坂さん:「左は特にね。顔でごまかせる」

全体を見るという独特の目で、ピッチャーとの駆け引きを優位に。それにより、データがない初めて対戦するピッチャーに対しても、高確率で盗塁を決めることができるのです。

■国際試合での盗塁成功率“100%”

2019年の国際大会「世界野球プレミア12」。日本は1点を追う7回、代走は周東選手。いきなり盗塁に成功すると、三盗も成功。

さらに、セーフティバントの間にホームに生還。周東選手の足で1点をもぎ取りました。

事実、国際試合での盗塁成功率は驚異の100%。

間もなく開幕するWBC。世界一奪還の切り札として…周東選手はその時を待ちます。

周東選手:「大事な場面でいくこと多いと思うんですけど、“1点取って帰って来る”ということを仕事に頑張りたいです」

(「報道ステーション」2023年2月21日放送分より)

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