侍ジャパン・栗山監督、試合後の会見で準々決勝イタリア戦を振り返る[2023/03/16 23:59]

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表「侍ジャパン」は16日、準々決勝でイタリアを相手に9−3で勝利し、準決勝進出を決めました。
栗山英樹監督が試合後、会見に臨み記者の質問に答えました。

Q:今の気持ちは
栗山監督:まずは、きょうの試合前もお話しましたけれども、選手たちがなんとかしようとする空気感というのはね、そこまで感じることはなかなか経験できないものではあったので、個人的にも勝ちきるという目標というものはあったんですけど、若い選手たちが多いので、やっぱり野球の生まれたアメリカに行って、アメリカで活躍している選手たちと何が何でも試合をやって、そういう経験だけは少なくとも若い選手たちにさせてあげたいという(気持ち)がすごくあったので、そういう意味では、いよいよ本当の勝負はここから始まる、そんな感じです。

Q:投打においての大谷選手のプレーはどうか
栗山監督:ずっと彼を見てきて、(大谷)翔平らしさが出る時というのは、実はあういう時で、投げるとか打つとかそういうのは別として、この試合を絶対に勝ちに行くんだという野球小僧になりきった時に彼の素晴らしさが出てくるわけです。ダル(ダルビッシュ)もそうですけれども、アメリカから来た選手はなかなか登板の状態もまだまだ普通であればでき上がらない状態でいかなければいけないという中で、そういうものを超えて何とかしようという想いというのは、皆さんにも感じてもらえたと思います。翔平の話ばかりですけど、こういう想いというのは選手たちも観ているファン皆さんもすごく感じてくれたと思うので、まずは魂を持ってやるんだと思ってやってますけど、そのことだけは本当に良かったなと思います。

Q:試合後半でダルビッシュを登板させた意図は
栗山監督:結果的に、最終的に点数が入ったように見えているかもしれないですけど、誰が投げても空振りしないし、どんなに強い球を投げてもイタリアの打者はしっかりとバットを振れるし、ボールを捉えられるという感じになっていたので、やっている方は一つ流れが変われば、という怖さを持ちながら前に進んでいる。そういう意味では、最初から言いましたけれども、全員で行きますと、想定通りにピッチャーにはいってもらっているので、最初からああいう形は考えていた。
本当にあそこの難しいところで今永昇太も素晴らしいボールを投げてくれたし、最後、大勢もすごくボールいいですけど簡単には終われないというのは、きょうの試合の象徴的なシーンではあったので、誰がどういうことではなく、良いピッチャー全員行きますよと言って進んでいる。

Q:打線の手応えについてはどう感じているか
栗山監督:短期なんだけど、超短期ではなくて、合宿から1カ月ちょっとの戦いの中で、打線の波というのはあるだろうと見ていて、きょうのように前半のバッターが引っ張ってきたものが、中盤から他のバッターが引っ張れるというのは、やっぱり流れができるなと思っていたので、きょうの宗(村上宗隆)だったり(岡本)和真、(吉田)正尚の場合はね、本当に技術があるんですけど、2人があのような形で点を取ってくれたのはすごく嬉しかった。彼らもモヤモヤしているものがあったと思うので、素晴らしかったと思うし、さあこれでメジャーでやっている選手たちに向かっていきますよという形になったと思うので良かったと思います。

Q:打順の組み方については
栗山監督:意図など本当にいろいろ考えましたけれども、それはさて置いておいていいのかな、皆さんに見ていただいてとにかく勝つことが大事と思ってやっているつもりなので、とにかくどうやったら準決勝勝てるのか、それだけを考えてやっていきたいと思います。

Q:日本での試合を振り返ってみて
栗山監督:ジャパンであるというのがあるのかもしれないですけど、僕は最後2年間くらい監督をやっている中で、なかなかファンの皆さんが声を出して楽しむことができない野球場と皆さんが魂を持って応援してくれるものでは、全く野球が変わってしまう、いかに皆さんの声援や思いが大きなものかというのは、最後ファイターズ時代も感じていましたけど、改めてこういう形でアメリカに行けるのは、皆さんのテレビや球場に来られなくても、皆さんの応援がひしひしと感じていたので、本当に感謝したいですし、ありがとうございます。ただ、それを恩返しするためには、勝ちきらないと皆さんにはお届けできないので、ここまで来たからには何が何でも勝ちきらないといけないため、精いっぱいやっていきます。選手を代表して、本当にありがとうございますと伝えたいと思います。

Q:この先の戦いに向けての決意
栗山監督:今までと全く変わらず、とにかく全てを出し切って、どんな試合でも勝ちきる。まずは準決勝臨んでいきたいと思うので、少し遠く離れますけど、放送含めて皆さんで応援してもらいたいと思いますし、あのレベルの選手たちがあんなに全力を尽くすとこんなものが見られるんだ、という試合に必ずしますので、ぜひ楽しんでもらいたいと思います。

Q:源田選手の姿は監督にどのように映ったか
栗山監督:源ちゃん(源田壮亮)のことに関しては、多くを語らないできましたけど、全て終わったらいろんな思いを話しますけれども、彼の本当に命を懸けていくあのプレーをぜひ皆さんに見てもらいたいです。ただそれだけです。本当にいろんなことがあると思いますけど、良くやってくれたと思います。

Q:子どもたちに夢を与える試合ができたか
栗山監督:大丈夫ですか、そういう感じだったですか?人が感動したり心を動かしたりするのは、もちろん人並み外れたプロの技やすごさというのもあると思うんですけど、やっていて本当に全てを出し切って、全力を尽くす人の姿というのは僕は感動するので、そういうものをしっかり選手たちが示してくれた、そのことには、選手たちに感謝しています。

Q:大谷選手のセーフティバントについて
栗山監督:本当に大谷翔平だなあという感じです。

Q:ダルビッシュ投手が投手のリーダー格として示してくれたのものは
栗山監督:今回、ダルビッシュジャパンと言ってもいいくらい彼がやってくれたことというのは、ずっと、ダルとは合宿から話をしながらやってきましたけど、自分のことはさておいて、チームのためだったり、野球のためだったり、将来のためだったり、今僕が多くを語るところではないですけど、いつかきちんと皆さんにお伝えしようと思うくらい本当に感謝しています。もちろん、勝つためにやってくれているんですけど、これが5年10年経った時に日本の野球界にとって本当に大きなものになるのは間違いないので、ただ今はひたすら感謝しています。

Q:大谷選手の交代の意図は
栗山監督:ピッチャー交代のことというのは、いろんな意図があるので、戦略上の問題もあるので、そこは勘弁してもらってもいいですか。皆さんが思った通り、あれはダメだ、と思った通りに書いてもらって全然かまわないので。

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