栗山監督、WBC優勝後の会見! 侍ジャパンを14年ぶり世界一に導く![2023/03/22 14:34]

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表「侍ジャパン」は21日、決勝でアメリカを相手に3-2で勝利し、見事優勝を果たしました。
栗山英樹監督が試合後の会見に臨み、報道陣の質問に答えました。

Q:今の心境は?
栗山監督:選手たちが本当にうれしそうな顔をしていたので、すごくそれがうれしかったです。

Q:最後に大谷翔平選手とトラウト選手が対戦する場面を見て何を感じたか?
栗山監督:たぶんアメリカの皆さんも、最後の瞬間に(大谷)翔平とトラウト選手が(対戦する)形になるとは誰も(想像していなかった)。理想ですけど、それを見ながら野球ってやっぱりすごいなっていう。人生を表現しているというか。翔平に限らず日本の選手もそうですし、翔平が頑張ってきた形がそういう場面を作ったのかなというふうに見ていました。

Q:いつ大谷選手が投げられることが分かったか?また今日の登板を決断するうえでどのような会話をしたか?
栗山監督:こっち(アメリカ)に17日に着いて、18日の練習日に大学(の練習場)で本人といろいろ細かい話はしました。

Q:中継ぎとしてダルビッシュ有投手の後に投げることについて、大谷選手に何を話したか?
栗山監督:僕は一言も「翔平もダルビッシュも投げない」っていうことは言ってないし、いろんな報道で、いろんなところから投げないんじゃないかとかいろんなことが言われていましたけど。
実はこのスケジュール(準々決勝から中4日で準決勝、決勝の日程)を最初に見たときに、時差がある中での4日で彼らがいけるのかっていうのは最初からすごい考えていて、あえて僕の方からはそのことを一切アプローチしない。彼らが逆に「勝ちたい」と思ったときに、何かアプローチしてくれると思っていた。2人とも、あるタイミングで「行きます」っていうことは言ってくれたんで、そこで僕は考えた。きょうも翔平がブルペンに行くタイミングが難しかったんで、練習中に裏の動線みたいなところも色々やったんですけど、翔平が「大丈夫です。自分でやりますから」っていうふうに終わっちゃったんで、彼らしいなと思った。うまく調整してくれました。

Q:今回のWBCの優勝と、それに向かう選手たちの姿は野球界の未来にどんな影響を与えたと思うか?
栗山監督:きょう、選手たちの喜ぶ顔がうれしいと言いましたけど、内容的に一番良かったのは、若いピッチャーたちがこれだけのすごいメンバーのアメリカ打線に対して、臆することなく一生懸命投げた。もちろんアメリカの調整を見ていると、開幕に全て合わせる日本とはちょっと違って、ここからあれだけのすごいバッターが上がってくる。調整が完全に整ってないにしても、そういうバッターにしっかり投げ切れたのは日本の野球界にとっては素晴らしい財産だし、彼らにとっても素晴らしい経験だし。そういうことと、それを見ていた日本中の子どもたちや、たぶん「かっこいいな」と思って野球をやろうと思ってくれた子どもたちが必ずいて、そのことが僕はすごくうれしいし、そういう効果が今回はあったと思います。

Q:優勝できた最大の要因は何だと思うか?
栗山監督:全ての選手が一生懸命やってくれたっていうのは一番だと思いますし、ダル(ダルビッシュ)もそうだし、翔平もそうだし、吉田正尚もそうだし、ヌートバー選手もそうだし。いろんなところでやっている人たちが集まって、心を通わせてチームをつくってくれた。これがすごく大きかったと思いますし、戦術的にはきょうが証明されるように、日本の特徴って何かと言いたらピッチャーだと僕は思っている。もし勝てるならピッチャーだと思ってやってきたんですけど、まさにダルや翔平以外のピッチャーも素晴らしいピッチングしてくれて、本当にうれしかったです。

Q:胴上げ投手のイメージが1月の時点で既にあると言っていたが、それは大谷選手のことを指していたのか?
栗山監督:それは想像にお任せします。

Q:八回終了時点で最後の対戦打者がトラウト選手になると分かったと思うが、そのときの心境は?
栗山監督:何をっていうか、本当に今日の試合はあのまま終わらない。アメリカのバッターを考えたら、このまま終わらないんだろうなってずっと思っていた。
(大谷)翔平が行く、八回の裏の攻撃しているときも、3人目はそうですけど、本当にそこに意識ができたのは(九回)2アウト、ダブルプレーとってからなんで。何を思うかっていうか、「とにかくこのまま勝ち切らせてあげたい」っていう、ただそれだけだったですね。

Q:WBCの舞台で大谷選手と過ごした約3週間はどのような時間だったか?
栗山監督:もしあしたそれを聞かれたら、きょうで監督終わるので、あしたからは本当に全く何にもない、肩書のない人になっちゃうので、個人的な話もしていいのかなと思いますけど。今は監督なので僕の思いよりも、ダルや翔平が若い選手と一緒にやってくれることが、選手たちにすごくプラスになるだろうな、よかったなって、ただひたすら3週間の間は思っていました。

Q:いつ大谷選手とトラウト選手が対戦することが分かったか?
栗山監督:ランナー1人出ていたので、ダブルプレーとらないと最後にならないので。ダブルプレーとったときに、「これで(大谷)翔平、終わってくれ」って願っているところはもちろんトラウトだってわかっていたんで、そのぎりぎりのところですね。皆さんが思っているより、計算して次トラウト(に打席が)回るとかって、そんな余裕はなかった。

Q:就任以来「やるべきことをやる」と繰り返していたが、やるべきことをやってWBC開幕を迎えられたか?やり残したことはあったか?
栗山監督:野球においてはとにかくすべての準備をしますけれども、全ての準備をしてもその何倍もやれることはあるの。監督になって12年ですけど、ファイターズ時代からすべてやり切ったって思えたことは一度もない。今回も、ただただ自分が準備してないと選手に迷惑かけちゃう。「できる限りやらなきゃ」ってずっと思ってやっていただけで、それを聞かれれば、まだまだやることいっぱいあるんだろうなっていうふうには思います。

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