【報ステ】「真正面から伝える」世界に響く“上司像”栗山監督の『マネジメント力』[2023/03/27 23:30]

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、14年ぶりの世界一に導いた侍ジャパン・栗山英樹監督(61)が27日、東京都内の日本記者クラブで行われた記者会見に臨みました。

勝利のために、どうしても必要だと思っていたものがありました。

栗山監督:「もし勝ち切るならば“物語”が必要というか。こういう形のものが出てこないと、優勝しきらない。僕はムネ(村上宗隆選手)と心中と思った」

不振が続いた後に飛び出した、メキシコ戦での劇的サヨナラタイムリー。村上選手は、監督のイメージを、現実のものにしました。その村上選手に送った言葉。

栗山監督:「練習試合からも考えていたし、最終的には日本に帰ってきて別れる時に『宿題を持ったまま終われよ』ってことは伝えました。今回出たメジャーリーガー全てを超えていくために、1番になるために、宿題があった方が、人間は前に進めるからねって。そういう思いで、ムネと別れた」

話は、キャッチャーの起用にも及びました。

栗山監督:「絶対的な守りから入れる甲斐(拓也)選手の経験を含めた安心感。攻撃も守りもすべてバランスがいい中村悠平。僕は大城(卓三)に交流戦とか日本シリーズでやられていることを含めて、攻撃的なキャッチャー。その3パターンを入れたかった。結果的には、大城選手の出場が少なくはなったが、3人がいてくれることによって、思い切って代打も出せるし、動くことができるというなかで、ピッチャーが投げやすい、これは感覚的なものなんですけど、そういうものも色々話しながら、バランスよく、2人のキャッチャーを使っていった」

台湾の記者からは、こんな質問も出ました。

栗山監督:「(Q.将来、台湾で野球の伝道師になっていただけないでしょうか)僕がですか?このアジアの持っている文化、国民の皆さんの持っている文化の良さが、すごくあるなかで、僕は野球というスポーツが合っていると思うので『台湾が』『韓国が』っていう時代ではないので、みんなが手を取り合って、アジアの野球が発展していくように、僕も頑張っていきます」

今回の侍ジャパンは、平均年齢が26.5歳と、これまでで一番若いチームでした。

栗山監督:「(Q.世の中の管理職が、この春、新入社員など若者と向き合わなければいけない。早くがっつりハートをつかむコツなどがあれば)僕もその答えが分かったら、すごく幸せだなと思います。もちろん環境も違うし、考え方も、SNSの時代で違うとは思うが、誠心誠意、自分が思っていることを相手に正面からぶつかれば、時間がかかっても伝わるものは伝わると僕は思っていて、今の若者だからというやり方は、あまりしていない。話す時に、真正面に近付いて、真正面から話す。選手からすると『うわっ』と面倒くさいとは思うんですけど、自分の思いは、自分でしっかり正面から伝えなければ」

WBCは幕を下ろしましたが、その余波は、スポーツという枠を超えて、広がっています。

井澤健太朗アナウンサー:「紀伊国屋書店の新宿本店です。こちら1階の入口入ってすぐの所に、WBCの特設コーナーがあります。今、女性の方が雑誌を手にとって眺めています」

別のコーナーには、2019年に出版された、栗山監督の哲学が記された著書もありました。

会社役員(60代):「今、テレビ出て話題の方なので、どんな本書かれているのかと思ってめくっていた。(Q.かつてのリーダー像と今、変わってきている実感があるか)多分、昔の方と相当違うと思う。名前出すとあれだけど、星野監督とか。時代時代で、それにあった監督像は変わってはきていると思う。あれだけ任せて、しかもそのことで力を引き出していくので。しっかりと管理はされているんだなと思う。実際にやろうと思うとできないが、学ぶところは、ずいぶんあった」

今、注目される侍ジャパン優勝の礎となった栗山監督のチームマネジメント。

来月から新社会人:「“柔らかさ”と厳しい側面を両方持ち合わせて、良くない時は怒ってくれながらも、最後はしっかり優しさでフォローしてくれるような、両面を持ってる人は、自分は頼っていきたいと思う」

就活生(21):「食い気味に、自分が話したことを『いや、それ違う』とか言われて、適当に扱われるよりは、ちゃんと真正面から話し合える方が私はうれしい」

会社員(60代):「あのようにリーダーシップをとり、やっていくのは難しい。私も上から与えられた仕事は、部下にこうやってほしいと。逐一、指導・アドバイスになるので、部下に一切任せてとはできづらい」

こちらも読まれています