WBC台湾代表チア、日本で育った9年間 日本・台湾“ライオンズ”コラボイベント[2023/08/16 20:10]

15日、台湾のチアリーダーが、埼玉西武ライオンズ対東北楽天イーグルス戦が行われたベルーナドームに登場した。
西武ライオンズと統一ライオンズ(台湾)のコラボ企画として来日し、イベントやパフォーマンスで球場を盛り上げた。
”オリエンタル・エクスプレス”と呼ばれた郭泰源さんを始め、西武には現在まで台湾出身選手が多く在籍。西武のかつてのエース渡辺久信さん(現球団GM)が引退後コーチとして台湾で過ごすなど、ゆかりがある。
チーム名”ライオンズ”繋がりで、2016年から始まった球団同士の交流は、コロナ禍で2020年から中止に。お互いに行き来するイベントは、4年振りに実施された。

来日したチアリーダーUni Girlsの一人、アイルさん。今年3月のWBC1次(台湾)ラウンドでも、台湾代表のチアとして球場で応援し、観客と代表選手らを盛り上げたが、実は15歳から岡山県共生高校へ留学経験がある。元プロ野球選手でもある兄が同校卒業生で、日本好きな父が留学を強く勧めたことがきっかけだったという。
留学から半年ほど経ったある日、高校の授業中に息が出来ない程の痛みを感じて、検査入院。風邪をこじらせた肺炎と診断され、「痛いんですけど、言葉に出来ないんですよ。1週間くらい入院しました。辛かったですね」まだ日本語を十分に話せない状態での入院。「”肺炎”って言われても、そもそも”ハイエン”って何ですか?」慣れない土地で知らない単語。何かしらの重篤な病気と認識してしまい「その時は怖かったです」。中国語は話せない日本人の担任の先生が、インターネットで翻訳しながら助けてくれた。「今でも先生に感謝しています。」
日本語は、大好きな日本の映画で勉強したという。「新垣結衣さんが憧れの存在、『ハナミズキ』(2010年公開)とかロマンチックな映画が好きだった」
高校3年生時には、現西武ライオンズ・呉(ウー)選手が1年生として入学。呉選手は当時の様子を「入学式の時、すごく可愛い先輩がいる」と思い出す。卒業後も連絡を取り合い、現在も悩み相談をする関係だそう。
その後アイルさんは、日本国内の大学へ進学し、24歳まで日本でモデル活動を行った。台湾へ帰国直後は「日本出身です」と冗談交じりに話すほど「日本が好き。自分の国と思っている」と話す。

9年間過ごした日本への愛が溢れる、アイルさん。新型コロナによる行動制限が緩和され、旅行や海外の友人とも直接会えるようになった、今だからこそ、「コロナ前の交流に戻って欲しい。野球だけではなく観光などの交流も(さらに)出来れば」。
また今回の”ライオンズ”コラボ企画を通じて「台湾のチアの魅力を知って欲しい」と話す。台湾野球の応援スタイルは、日本のプロ野球と異なり、自チームの攻撃中はベンチ上で常に踊りながら応援している。「現場で観ないと熱さが分からないと思う。出来れば台湾の現場で熱さを感じて欲しい。ずっと踊ってますので、台湾のチアを観に来て下さい。」

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