前人未到3連覇に挑む…バドミントン・山口茜 覇権争い繰り広げるライバルの“強み”[2023/08/21 15:17]

今、女子シングルスの勢力争いが熾烈(しれつ)を極めています。日本の山口茜選手(26)をはじめ、「BIG4」と呼ばれる4人がしのぎを削っています。

デンマーク・コペンハーゲンで、21日に開幕する「世界バドミントン」。山口選手は、前人未到の3連覇に挑みます。

■周りの期待どう感じる?山口選手「前向きに」

去年、日本で開催された世界バドミントン。山口選手は地元のファンの前で、日本女子シングルス初となる連覇の偉業を成し遂げました。

今回の世界バドミントンでは、女子史上初の3連覇へ期待が高まっています。

ヒロド歩美キャスター:「周りの期待って、どう感じられます?」

山口選手:「そもそも、あんまり目立ちたくない。あんまり注目ってされると、ちょっと得意じゃないところはありますけど、前向きにとらえるようにはしています」

目立ちたくないと語る山口選手ですが、そのプレーはとにかくド派手です。

山口選手の代名詞は、相手の決定打に飛びついて拾う“ダイビングレシーブ”。

さらに山口選手は、テクニックや攻撃力もあります。身長156センチと小柄ながら、すべてを兼ね備えたオールラウンダーなのです。

国際大会通算25度の優勝を誇り、去年は年間最優秀選手に輝きました。

■「BIG4」各選手のプレースタイルは…?

ただ、山口選手のいる女子シングルスは今、熾烈な覇権争いが繰り広げられています。

世界ランキング1位、韓国のアン・セヨン選手(21)。世界ランキング3位、中国の陳 雨菲(チン・ウヒ)選手(25)。世界ランキング4位、台湾の戴 資穎(タイ・シエイ)選手(29)。山口選手と彼女たち3人は、「BIG4」と呼ばれています。

およそ1年8カ月にわたり、世界ランキングのトップ4を独占。BIG4が、ほとんどの大会で優勝を飾っているのです。

そんなBIG4について、中国・陳選手は「いいライバル関係を保っていると思います」、山口選手は「基本的には、基礎能力が高くて。みんな安定して強い」といいます。

国境を越えて切磋琢磨(せっさたくま)し合うライバルたちですが、そのプレースタイルは千差万別。山口選手にBIG4、それぞれの強みを聞いてみました。

ヒロドキャスター:「ビッグ4の中での(中国の)陳 雨菲選手はどうですか?」

山口選手:「チャンス所で、いいコースにショットを決めてくる。いい体勢で打たれると、角度やキレもあるので、なかなか取りづらい」

中国の陳 雨菲選手は身長171センチから繰り出す鋭いショットを武器に、東京オリンピックでは金メダルに輝きました。

そして、東京オリンピックで銀メダルを獲得した台湾の戴 資穎選手。そのテクニックは世界随一と山口選手は絶賛しています。

山口選手:「スキルがやっぱり一番高い選手。(相手の)足を止めるショットが特にうまい」

最後は韓国のアン・セヨン選手。今年11の国際大会に出場し、7度のタイトルを獲得。今、最も勢いにのる21歳です。

山口選手:「ディフェンスタイプの選手なので、何を打っても返ってくるって思わせられるところ。それを貫き通すメンタル面がすごい」

攻撃の陳 雨菲選手、テクニックの戴 資穎選手。守備のアン・セヨン選手。そして、オールラウンダーの山口選手。

■互いに認め合い、高め合う「BIG4」

そんなBIG4が覇権を争う女子シングルス。実は、4人は大の仲良しだといいます。

アン選手:「お土産をお互いあげたり、もらったりもする」

チン選手:「日本にくると、山口は現地のものをくれます」

顔を合わせれば交流を深め、プレゼントを交換し合っているそうです。

互いに認め合い、高め合う存在のBIG4。そんななかで山口選手は、世界バドミントン3連覇を目指します。

山口選手:「特に今年、ベスト4に皆が安定して残るようになってきたときに、勝っている姿を見るだけでも刺激をもらえる。助けられながら、上まで目指していければいいなと思います」

(「報道ステーション」2023年8月18日放送分より)

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