NBAでは「練習中けんか」も…渡邊雄太 日本代表の意識変化に手応え「ガンガン来て」[2023/08/22 19:26]

いよいよ25日に、「FIBAバスケットボール ワールドカップ2023」が沖縄で開幕します。

日本を引っ張るのは、渡邊雄太選手(28)です。しかし、日本は4年前のワールドカップ、2年前の東京オリンピックと全敗しています。

今回勝てなかったら、「自分は日本代表を引退する」とまで口にしていた渡邊選手に、松岡修造さんが話を聞きました。

キーポイントは「常識破りジャパン」です。

■渡邊選手が感じた…“大きな手応え”

チーム唯一のNBAプレーヤーで、日本のエース・渡邊雄太選手。今回のワールドカップは、日本にとって大きな意味を持つといいます。

渡邊選手:「本当にターニングポイントになるというか。日本が大きく変われるんじゃないかなと思っています」

松岡さん:「(ワールドカップで)結果を残せれば、バスケ熱も絶対に日本で上がる。結果を残せないと、チャンスをつかみ損ねる」

今大会、1次ラウンドで日本が対戦するのはドイツ、フィンランド、オーストラリア。いずれも、NBAのスタープレーヤーを擁する格上チームです。

そんななかでも渡邊選手は今、チームに大きな手応えを感じています。

渡邊選手:「12、3年くらい日本代表でやってきて。昔の練習はちょっと緩かったなというか。僕自身も先輩に対して気を使ってしまっていた。練習の時に、先輩に対してガツガツやれなかった。今のチームは、そういうのは関係ない。コートに出てビビっている選手は、今のところ見当たらない。年下の若い選手が、僕に気を使うのがすごく気にくわないので」

松岡さん:「気にくわないですか?でも、『雄太さん、よろしくお願いします』ってくるわけですよ」

渡邊選手:「いや、もうガンガン来てほしいです。コートに入ったら、同じ一選手で。NBA選手でも関係ない」

渡邊選手が手応えを感じたのが、練習中の意識の変化です。

NBAプレーヤーの渡邊選手に、代表に初招集された若手選手がファウルすれすれの激しいディフェンス。遠慮は一切ありません。

渡邊選手:「(NBAでは)練習中にけんかをすることがよくあって。例えば、5対5の練習していると、チームメイトで普段どんだけ仲が良くても、目の前にいると敵になるんですよ、急に。最悪な時は殴り合いに。それぐらい、練習の時から激しくやっている。それぐらいの練習での競争・激しさは、今まで日本代表に絶対足りなかった」

■今大会の“切り札”は「ムービングシュート」

さらに手応えは、もう一つあるといいます。

今年5月、ハワイで自主トレーニングを行っていた渡邊選手。“ある練習”を熱心に取り組んでいました。

ひたすら3ポイントシュート。実は、今までのシュートとは一味違うといいます。

渡邊選手:「ムービングシュートと言うんですけど」

松岡さん:「なんですか?」

渡邊選手:「今回の日本代表では、絶対に必要になってきます」

渡邊選手といえば、3ポイントシュートが最大の武器。今シーズンは一時期、NBAで成功率トップとなりました。

では、今までの3ポイントシュートとムービングシュートは、何が違うのでしょうか?

注目は、パスをもらう時の動きです。これまでの渡邊選手は、止まった状態でパスをもらっています。一方、新たに習得しようとしているムービングシュートは、動きながらパスをもらっています。

どうして、ワールドカップでは、この動きが求められるのでしょうか?

渡邊選手:「相手チームも、得点源は僕と思って止めに来ると思う。そこに対して、自分からシュートを打たなければいけないなかで、ムービングシュートが、カギになってくると思います」

NBAの試合では、渡邊選手がシュートをする際、相手のマークはいません。なぜなら、NBAではチームのエースが敵を引きつけていたからです。それにより、渡邊選手はノーマークになれていました。

しかし、日本代表では渡邊選手がエース。相手から徹底的にマークされ、フリーになることは、まずありません。

だからこそ、動きながらパスをもらう必要があるのです。

松岡さん:「ムービングシュートは難しいですか?」

渡邊選手:「めちゃくちゃ難しい」

松岡さん:「どこら辺が難しいですか?」

渡邊選手:「(体の)バランスももちろん。走ってボールをもらって、シュートするのが難しい。(ムービングシュートが)今後のキャリアを大きく左右すると思います。これができるできないで」

3日後に迫るワールドカップ。渡邊選手のムービングシュートはまさに、「日本の切り札」です。

渡邊選手:「ドイツ、フィンランド、オーストラリアのほうが強いっていうのはあるんですけど。そこは、(試合を)やりだしたら関係ないので。さっきのコートの上下関係の話じゃないですけど、コートに入ったら相手がどれだけNBAで実績を残していようが、どれだけ過去に結果を残してようが、大事なのは今なので」

松岡さん:「ある意味、今までのみんなが思ってる発想・常識破りジャパンみたいな感じですか?」

渡邊選手:「そうですね。常識破りジャパン。良いですね、それ(笑)。常識破りジャパンでいきましょう!」

(「報道ステーション」2023年8月21日放送分より)

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