バスケ馬場雄大 日本代表HCの「厳しい指摘」で成長…友人・内田篤人“進化”を体験[2023/08/23 19:54]
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いよいよ25日に、「FIBAバスケットボール ワールドカップ2023」が沖縄で開幕します。
NBAを目指して海外での挑戦を続ける、日本代表・馬場雄大選手(27)はホーバス・ジャパンのポイントゲッターです。
トム・ホーバスヘッドコーチの教えのもと、新たな武器を手にしたという馬場選手。そんな彼と数年来の友人関係にある内田篤人さんが、進化に迫りました。
■馬場選手の「ドライブ」…内田さんが“体験取材”
馬場選手:「お久しぶりです」
内田さん:「お久しぶりです。いつぶりですか?」
馬場選手:「数週間ぶりくらいです(笑)」
内田さん:「そうです(笑)。ご飯にちょいちょい行ってます、実は」
まずは、馬場選手が最も得意とするプレーを内田さんが“体験取材”。その秘訣をひも解いていきます。
内田さん:「馬場選手といえば『ドライブ』。ドリブルで、相手を抜いていくっていうことですね」
ドリブルでディフェンスを抜き、ゴールへアタックする「ドライブ」。さまざまな駆け引きで、相手と対峙します。
内田さん:「どんな駆け引きがありますか?ディフェンダーと。フェイントなのか、タイミングをずらすのか」
馬場選手:「タイミングをずらす時もありますね」
内田さん:「どうやってタイミングずらすの?」
そこで馬場選手の“駆け引き”を、内田さんが実際に体験します。
馬場選手:「1回行くと思わせて…」
内田さん:「すげえ!すげえ!膝が危なかった」
いとも簡単に内田さんを抜き去った馬場選手。その“駆け引き”を次のように解説してくれました。
馬場選手:「一度タメを作ることで、一瞬後ろに重心を戻して、また行くことで、重心のブレが作れるので」
内田さん:「すげえ。サッカーで使えないかな」
馬場選手は、右足を踏み出した後、一瞬左足に重心を戻してタメを作り、すばやくまた右足を踏み出すことで、内田さんのタイミングをずらしていたのです。
馬場選手は実際の試合でも、一瞬のタメを利用して相手を抜いています。
■ホーバスHCの助言で成長…“守りにくい選手”に
様々な駆け引きを交えたドライブで、得点を量産してきた馬場選手。しかし、NBAへの挑戦を続けるなかで、トム・ホーバスヘッドコーチから厳しい指摘を受けたといいます。
内田さん:「なんて言われたんですか?」
馬場選手:「3ポイントシュートは確率良く決めないと、アメリカでは通用しないと言われて」
内田さん:「3ポイントシュートを決めるのと、ドライブをいかすのが関係してくるってことですか?」
馬場選手:「3ポイントシュートが入らない選手だと、篤人さんはそこにいていいんです」
内田さん:「距離感の問題?」
馬場選手:「3ポイントシュートが入らないから、打たせていいんですよ。そうなると、ドライブのスペースがなくなるんですよ」
内田さん:「ドライブは(ディフェンスが)近ければ近いほど抜きやすい?」
馬場選手:「そうですね」
東京オリンピックの試合で馬場選手はディフェンスに距離を取られていました。これではドライブを仕掛けても抜ききれず、ブロックされています。
自身の成長のため、ホーバスヘッドコーチの助言も受けながら、3ポイントシュートの向上に取り組んだ馬場選手。積み重ねてきたプレースタイルを大きく変える選択でしたが、手応えもつかんでいたといいます。
馬場選手:「ホーバスヘッドコーチは、シュートの外し方を見るだけで『どの指にかかった(から外れた)』と言ってくる。すごく意識しやすい、彼と練習していると」
成果は着実に表れ、海外挑戦前のシーズンは3ポイントシュートの成功率が23.5%だったのに対し、今シーズンは40.3%と大きく向上しています。
では、3ポイントシュートが打てると、守る側はどういう意識になるのでしょうか?内田さんが、実際に体験してみました。
しかし内田さんは、馬場選手に見事にタイミングをずらされ、3ポイントシュートを許してしまいました。
内田さん:「やるじゃん(笑)。もう1回やろう、もう1回やろう」
3ポイントシュートを意識したせいか、今度はドリブルで抜き去られてしまいます。
内田さん:「ディフェンスが来て、最初に意識することは?」
馬場選手:「位置ですね。ディフェンスの位置。(ボールを)もらった時に、ディフェンスがどこにいるか見ます」
内田さん:「1回目は、俺は遠かった?」
馬場選手:「そうですね。篤人さんがちょっと遠かったので、打ちました」
内田さん:「ディフェンスが詰めてきたら?」
馬場選手:「ドライブにいきます」
3ポイントシュートを警戒して、前に出ればドライブ。ドライブを警戒して距離を取れば、3ポイントシュート。馬場選手は、非常に守りにくい選手なのです。
内田さん:「分かるけどさ。すごいね。3ポイントシュートもできて、ドライブもできたら完璧じゃない」
馬場選手:「(3ポイントシュートが)入る選手に対しては、ディフェンスもマークせざるを得ない。そうしたら、こっちのものです」
いよいよ25日に、「FIBAバスケットボール ワールドカップ2023」が沖縄で開幕。馬場選手は進化した姿で自身2度目のワールドカップに臨みます。
馬場選手:「2019年(前回大会)5試合やって、一度も勝つことができなかったので。パリ五輪の切符もかかっているので、やっていきたいなと思います」
内田さん:「3ポイントシュートと?」
馬場選手:「ドライブ!」
内田さん:「3ポイントシュートと?」
馬場選手:「ドライブ!」
内田さん:「ワールドカップ、応援していますので、頑張ってください」
馬場選手:「ありがとうございます」
(「報道ステーション」2023年8月22日放送分より)