大谷翔平 ホームラン王への“ターニングポイント” WS王者が徹底分析![2023/10/15 10:00]

今シーズン、日本人初のMLBホームラン王という大偉業達成した大谷翔平。その功績を記念し、切手とポストカードまで登場するなど日本中がその活躍に熱中した。

この歴史的な偉業はなぜ成し遂げられたのか。2人の有識者に話を聞くと、今シーズン44本の本塁打の中に“ターニングポイント”となる1本があったと口をそろえた。
(10月14日放送 「サタデーステーション」より)

■井口氏&猪瀬氏が語る大谷の偉業

日本人として初めてワールドチャンピオンを経験した元メジャーリーガーの井口資仁氏は、大谷がホームラン王を獲得したことの凄さについて問われると、「我々がいた頃には全く考えられないことでMLBと日本人選手のパワーの違いを感じながらやってきた何十年でしたから、そこを覆してくれたことは本当に素晴らしい」とメジャーでの自身の経験を踏まえ、規格外の大谷のパワーを手放しに称賛した。

メジャーに精通するジャーナリスト、AKI猪瀬氏は「『日本人が』っていう感覚ではない。もう取るべき人が取ったという扱い」と現地での反応について紹介した。
そして全世界で愛されるアメコミの主人公を例えにあげ、「スーパーマンってヒーローいますよね。スーパーマンにアメリカ人ですか?イギリス人ですかって質問します?」と、大谷翔平はもはや国籍や人種を超えた存在として現地ファンに認識されていると伝えた。

■本塁打王への“ターニングポイント”

2人は、大谷がホームラン王を獲得するうえで“ターニングポイント”となった1本があったという。
それが5月のホワイトソックス戦で放った第13号ホームランだ。
相手投手のジオリトが投げた高めのストレートを捉えた5試合ぶりの特大の一発が大谷の“転換点”と両氏は語った。

猪瀬氏は「去年から今年の4月くらいまでは高めの強いボールに関してはなかなかホームランを打つことができなかった、ただこの時にジオリトから高めの強いボールをはじき返すことができた」と話した。

また、井口氏は「あのあたりから高めをしっかりとコンパクトに叩けるようになってホームランが急に入るようになった」と分析した。

実際にこの試合を境に大谷のホームラン数は急ピッチに上昇、翌日には2打席連続となるアーチを披露した。また6月には球団新記録となる月間15本塁打を記録、松井秀喜氏の持つ日本人月間本塁打記録も塗り替えるほどの好調ぶりを見せた。

■大谷翔平 苦手克服のキッカケとは

一体なぜ、苦手としていた高めの速球を大谷は打てるようになったのだろうか。井口氏はそのキッカケとなった試合があるという。

それは13号ホームランからさかのぼること2週間前。首を痛めながらも出場し4安打を放ったオリオールズ戦。
この時の大谷のバッティングフォームを見て井口氏は「首が痛いと動けないので、(体の)軸がしっかりと真っ直ぐになる」と解説した。この試合では首の痛みの影響で「当てるだけのスイング」だったが、制限された動きのなかで4安打という結果を残せたことで、バットを上から出すイメージができ、13号ホームランにつながったという。

「高め(の球)は下からすくい上げるとなかなかいい角度で上がっていかない。150キロを超える真っ直ぐなので(バットの)ヘッドを立てるイメージでいくと、ボールの上から力が伝わるのでスイングの力感がなくてもバットを落とすだけで飛んでいく。そういったスイングができるようになってきた」と井口氏は、負傷をも糧に進化した大谷のバッティングを分析した。

こうしてたどり着いた日本人初の偉業。そして右ひじを手術した影響でバッター専念となる来シーズンはさらなる活躍に期待がかかる。
井口氏は「(本塁打)50本はクリアしてくれると思うし、もちろん出場し続ければ100打点というのも見えてくるし、最終的には三冠王」とさらなる金字塔を打ち立てるのではないかと期待を示した。

■来季はどの球団へ?

そして注目されるのはその動向である。今年FA権を取得した大谷。MLB30球団すべてが獲得を熱望しているとも言われている中、来シーズンはどの球団でプレーするのか。

猪瀬氏は「赤いユニフォーム、エンゼルスのユニフォームを着て残留すると思う」とエンゼルス残留が有力だと見通した。
その根拠として大谷の代名詞である“二刀流”完全復活までのプロセスにあるという。

2018年にトミージョン手術を受けた大谷はその後、投打二刀流として復活を果たした。
この経験を踏まえ「他球団には(二刀流復活の)知見等は一切ない。その知見がしっかりあるエンゼルスで、気心が知れた仲間たちと故障をしっかり治しながら試合に出て行った方が得策だと考えるのが、普通のことだと思う」と来季はエンゼルスで打者に専念するのが最適だと語った。

■メジャー最高の驚愕契約なるか!?

さらに気になるのはその契約内容だ。猪瀬氏は驚くべきものになると予想する。
「おそらく3年契約。来年の年俸はジャッジ(ヤンキース)と同額の野手史上最高額4000万ドル」と打者のみでも日本円にして約60億円の大型契約になるという。

そして2年目に関しては「2025年は二刀流復活の年になるので、年俸としてはおそらく野手の4000万ドルをベースにして、5先発消化で250万ドル。20先発できれば投手として満額回答の1000万ドル」になり、メジャー史上初の5000万ドル、日本円にして約75億円という驚異的な契約になる予想をした。

さらに3年目以降はさらにこれを上回る契約が待っている可能性を猪瀬氏は示唆した。その根拠が「オプトアウト」である。
「オプトアウト」とは選手自らが来年の契約を破棄し、再度FAになる契約条項である。猪瀬氏はこのオプトアウト条項を「必ず入れる」と断言した。

2025年に二刀流が完全復活の暁には、再び“大谷争奪戦”が繰り広げられるかもしれない。

果たして来シーズン大谷は何色のユニフォームでプレーするのか、目が離せない。

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