プロ野球ファンが選んだ“熱盛”ランキング セ・リーグ編 阪神の1位は…裏には物語

報道ステーション

[2023/11/08 16:41]

6

 プロ野球ファンに今シーズン一番、熱く盛り上がったシーンを選んでもらいました。各球団100人、総勢1200人です。「熱盛グランプリ2023」セ・リーグ編です。

■中日ドラゴンズ 「天才バッターやと」

 まずは、中日です。

 ファン:「みんな総立ちだった」「天才バッターやと」「大島選手の2000本安打です」

 1位は中日一筋14年、大島洋平選手(37)が打ち立てた金字塔「2000本安打達成」です。

 2000本安打まで残り1本で迎えた8月26日、地元・名古屋で、史上55人目の2000本安打を達成しました。

 大島選手:「僕が打席に立つたびに、拍手や歓声がすごくて。本当にいろんな人のおかげでここまで来れた。名古屋でたくさんのファンの前で決められたのが良かった」「ここで僕の野球が終わるわけではないですし。2500本、3000本というのを目標に。勝ちにつながるような1本を1本でも多く打てるように、これからも打ち続けていきたい」

■広島東洋カープ 「監督が選手と同じように喜んで」

広島東洋カープ

 続いて、広島です。

 ファン:球場全体がすごく盛り上がりました」「新井監督が選手と同じように喜んで」「秋山のサヨナラHR」

 広島ファンが選んだ1位は、秋山翔吾選手(35)。この一打が新井貴浩監督に初めての瞬間をもたらしたんです。

 新井監督は、就任直後から選手たちに熱い思いをぶつけていました。

 新井監督:「カープという大きな家の中に、お前たちがいる。みんなを家族同然だと思っている」

 「チームは家族」。その思いを持つ新井監督ならではのシーンが4月にありました。

 1点を追う広島は9回、2アウトランナー1塁で打席には秋山選手。逆転サヨナラホームランを放ち、これが新井監督にとって初のサヨナラ勝ち。すると、経験豊富な秋山選手も驚く光景がありました。

 なんと新井監督が、選手たちと一緒に手荒い祝福を行ったのです!

 秋山選手:「みんなが待っていてくれる輪に、監督を含め首脳陣が出てくるのは、あまり見たことがなかった」

 ファン:「まさに家族、一体感」

■東京ヤクルトスワローズ 「僕にとってはヒーロー」

東京ヤクルトスワローズ

 続いて、ヤクルトです。

 ファン:「『入る?やった!!』みたいな」「こどもの日だった」「僕にとってはヒーロー」

 そんなヒーローが生まれたこどもの日の神宮球場は、子どもたちもびっくりの展開となりました。

 序盤からDeNAが打てば、ヤクルトも打ち返す。激しい打ち合いとなりました。

 8回を終えて両チーム合計10本のホームランが飛び交うなか、迎えた9回、1点を追うヤクルト。打席には4年目の長岡秀樹選手(22)です。

 逆転サヨナラホームランに子どもたちも大興奮!この長岡選手のホームランを見た、ある少年は…

 ファン:「野球やりたいと思いました」「(Q.長岡選手のホームランがきっかけ?)そうですね。僕も長岡選手みたいにヒーローになりたい」

■読売ジャイアンツ 「手本を見せてやるから見とけ」

読売ジャイアンツ

 続いて、巨人です。

 ファン:「師弟2人で」「『手本を見せてやるから見とけ』と」「秋広と中田がホームランを打った時」

 1位は秋広優人選手(21)・中田翔選手(34)、師弟アベックホームランでのサヨナラ勝ちです!

 この2人は、オフには自主トレをともにする師弟関係。技術面だけでなく、食事での体作りも中田選手が秋広選手にアドバイスを送っていました。

 その師弟コンビがそろって輝きを放ったのが4月の広島戦です。2点を追う7回、秋広選手が待望のプロ初ホームラン!

 ファン:「中田選手に弟子入りしたのは、間違いじゃなかったと確信した」

 1点差の9回、ランナー1人を置いて師匠に打席が回ります。この直前…。

 中田選手:「アキ(秋広)に『手本を見せてやるから見とけ』と」

 有言実行の逆転サヨナラホームランを放ちました。

 ファン:「師匠だな」「すごく胸が熱くなりました」

■横浜DeNAベイスターズ 「本当に来るんだと思った」

横浜DeNAベイスターズ

 続いては、DeNA。1位はサイヤング賞投手のトレバー・バウアー投手(32)です。

 ファン:「本当に来るんだと思った」「ガセネタかと思うくらいに、信じられなかったです」

 超大物の獲得はファンのみならず、選手にも衝撃を与えました。

 そんなバウアー投手は、YouTubeに名所巡りや、お寿司。日本での様子を投稿するなど大の親日家なんです。

 待ちに待った初登板は5月3日。一目見ようと球場には多くのファンが集まりました。

 その実力を存分に発揮したバウアー投手、毎回の奪三振で来日初勝利です。

 さらに、言葉でもファンを魅了しました。

 バウアー投手:「横浜しか勝たん!」

 サイヤング賞投手が横浜を熱く盛り上げました!

■阪神タイガース 「アレしかないです」

阪神タイガース

 最後は、日本一の阪神です。

 ファン:「アレですよ」「アレしかないです」「アレの日ですかね」

 阪神ファンが口をそろえてこう呼ぶ“アレ”とは、もちろんリーグ優勝のことです。あの歓喜の裏には、甲子園を一つにした物語がありました。

 18年ぶりの優勝まで、あと1イニング。岩崎優投手(32)が登板します。その時、球場に流れたのは、ゆずの「栄光の架橋」でした。

 岩崎投手:「横田の分も背負って戦っていくと決めた。そういう思いでマウンドに上がりました」

 守護神・岩崎投手が背負ったのは、共に汗を流した同期の存在。それは今年7月に亡くなった、横田慎太郎さん(享年28)の現役時代の登場曲でした。

 ゆずの「栄光の架橋」は、横田さんにとって闘病中も特別な曲でした。

 横田さん:「自分は闘病中から“栄光の架橋”という歌に、何度も何度も助けられてきました。体がきつくて治療に行けない時も、この歌を聞けば、『よし!体がきついけど頑張ろう!』と、足が前に前に進んでいきました」

 横田さんの思いを背負った岩崎投手はリードを守り抜き、阪神が18年ぶりのリーグ優勝。亡き友と共に勝ち取った、栄光でした。

(「報道ステーション」2023年11月7日放送分より)

  • 中日ドラゴンズ
  • 広島東洋カープ
  • 東京ヤクルトスワローズ
  • 読売ジャイアンツ
  • 横浜DeNAベイスターズ
  • 阪神タイガース

こちらも読まれています