大谷も通う虎の穴“ドライブライン” MLB&プロ野球選手も続々…古田敦也が潜入!
[2023/11/26 18:00]
■日米選手が続々…「ドライブライン」
大谷翔平選手(29)が海を渡り6年。誰も成しえなかった2度目の満票でのMVP。2023年も輝きを放ち続けました。そんなスーパースターの活躍を支えているとある施設について、今年、大谷選手自身の口から語られた貴重な証言があります。
大谷選手:「(Q.ドライブラインのスタッフが投手コーチ補佐になったが?)僕は2年ぐらいずっとやってもらっているので、その2年間は成績的にも良かったですし、いろいろと助けてもらって、いいシーズンを送れたので」
野球の最先端施設「ドライブライン・ベースボール」。試合前、黒や緑などのボールを壁に向かって投げるルーティンもドライブラインで学んだものなんです。
さらに、大谷だけではありません。
メジャーで3度のホームラン王、カージナルスのアレナド(32)。
去年のリーグMVP、カージナルスのゴールドシュミット(36)。
3年前、サイ・ヤング賞に輝き、今シーズンは日本でプレーしたバウアー(32)もドライブライン信奉者。
その波は日本にも。今シーズン、ホームラン数を倍増させたソフトバンク・近藤健介選手(30)。
近藤選手:「大谷が(ドライブラインに)行っていると聞きましたし、色々と指導していただいて、それが一番大きかったかなと思います」
今シーズン25本のアーチを放ち、大躍進を遂げた日本ハム・万波中正選手(23)。
万波選手:「勉強になったっていうのが一番かなと思いますね」
日本の、そしてアメリカの野球界を席巻する虎の穴に古田敦也さんが潜入取材!
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■実は“シンプル”「徹底的な分析」選手に提案■実は“シンプル”「徹底的な分析」選手に提案
アメリカ・シアトル郊外にあるドライブライン・ベースボール。古田さんはオールスター取材があった7月に訪れていました。
古田さん:「さあ、きょうはですね、ちょっと気になる場所があったんで、こちらにお邪魔しようと思いますけども、ちょっと行ってみましょう!」「こんにちは、よろしくお願いします」
ドライブラインスタッフ フランク南野さん:「よろしくお願いします」
古田さん:「おお、すごい。広いねぇ」
南野さん:「こちらがウエートトレーニング」
古田さん:「ウエートトレーニング場だけで体育館ぐらいあるね(笑)すごいねえ」「大谷のユニホームもあるね」
南野さん:「はい、MLBからもNPBからも色んな選手が来ています」
数多くのメジャーリーガーやプロ野球選手がやってくるドライブラインとは一体、どんな施設なのでしょうか?CEOにお話を伺いました。
古田さん:「この施設で、野球選手たちはどんなことをやっているんですか?」
ドライブライン・ベースボールCEO マイク・ラスウェルさん:「シンプルな作業です。選手を連れてきてテストをします。野球選手としての能力について徹底的に分析して、得意、不得意の部分を洗い出したうえで、選手に合わせたトレーニングを提案します」
この施設にやって来た選手たちが、まず最初に向かうのが…。
古田さん:「カメラがね、これはたくさんあるな。思ったより…」
南野さん:「両方、ピッチングもバッティングも」
ネットで囲われた場所に設置されているカメラは全部で13台。選手は全身に48個のマーカーを付け、様々な角度から身体の細かい動きを計測していきます。
その後、専門家による緻密(ちみつ)な分析を経て、選手それぞれに合わせた動作の修正、練習方法を提示してくれるのです。
古田さん:「数値化することがすごく大きいと思うんですけども、そこに特化しているというのは、成長につながると思いますか?」
ラスウェルさん:「そうですね、とても重要です。2つ理由があって、まず選手のデータを集めることで、同世代の選手と比べて今どの程度の実力なのか、どの程度になりたいのかが明確になります。私たちにはサイ・ヤング賞から、MVP受賞者にいたるまで、ミリ単位で、選手たちがどのように動いているのか、どのような力を出しているのかが分かるデータがあります。また、選手の現時点でのレベルが分かるので、上のレベルを目指すのであれば、そこに到達するための計画を立てていきます」
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■プロ野球選手も 万波「今までにない感じ」■プロ野球選手も 万波「今までにない感じ」
もちろん、ここにはリーグMVPを獲得した大谷選手のピッチングやバッティングに関する詳細なデータもあります。日本人初のホームラン王に上り詰めた、あの豪快なスイングや、メジャーの強打者たちが手を焼いた変化球・スイーパーの投げ方だって学ぶことができるのです。
そして、ドライブラインに蓄積されているデータを生かして、目覚ましい活躍を見せた日本のプロ野球選手たちもいます。
まずは、ホームラン25本と大躍進を遂げた日本ハムの万波選手。去年のオフに訪れていました。
古田さん:「どんな感じですか?数値も含めてああいう所の施設、ドライブラインで練習して」
万波選手:「自分のスイングって、結局分析してもらわなければ感覚じゃないですか。それが本当に全部クリアになって数値で出してもらって、スイングの数値とかにしても、事実と向き合ってできたっていうのは今までにない感じ」
そして、もう一人は、ソフトバンクの近藤選手。三冠王も目前に迫る成績を残し、ホームランと打点の2冠を獲得。特にホームランはこれまでの1シーズン自己最多11本から26本と大きく上回りました。
近藤選手:「(Q.要因はどんなこと考えられます?)アメリカの方のドライブラインの施設に行って、長打率を上げるために努めた1年。始めたのは大谷が行ってるっていうのを聞きましたし、僕も興味を持ってやりたいなと思ったので」
■近藤「課題が明確に」 長打力を獲得
日本ハム、そしてWBCとチームメイトだった大谷の活躍に刺激を受けていた近藤選手もドライブラインの門をたたきました。
近藤選手:「(Q.ドライブラインではどういった修正点が挙げられたんですか?)いろいろ測定して、僕自身は僕が持ってる筋力の中で、施設の中で集計した平均値みたいなのがあるんですけど、この筋肉だったらこれくらいのスイングスピードで振れるっていうのがまずあって。実際打ってみると、僕は自分の筋量で大体持ってる力は出せていたので、基本的に自分の体を扱えていてバットも振れている。そうなると、根本的に体の筋力のトレーニング、スイングスピードをまず上げるっていうところに着目できたというか、そういう課題がはっきりしたので」
体はしっかりと使えていて、足りないのは筋力とスイングスピード。シーズンを通して課題と向き合い、長打力を手にしました。
近藤選手:「課題が明確になって、よりシンプルに課題と向き合える。自分の欠点に対してやっぱり一番自分が理解できるので、そこに対してのアプローチは、色々、アドバイスだったりはありますけど、目指すところが一つになるっていうところは大きいのかなと思いますね」
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■大谷データ「フィジカル異常」「ダントツ」■大谷データ「フィジカル異常」「ダントツ」
ちなみに、現地で大谷選手に関するデータを見ることができた近藤選手、万波選手。
近藤選手:「(Q.(大谷選手の)データから感じ取ることっていうのは?)いや、もうね、日本人ですけど、施設に来ている選手のなかでもフィジカルはトップクラスって言っていたので。そのスイングの欠点も聞きましたし、それが直ってホームランが増えたって聞いているので。でも、根本はその身体の強さ、フィジカルの強さというのは異常だっていうのは言ってましたけど」
古田さん:「誰が打球速度一番速いとか?」
万波選手:「大谷さんが一番速かったんですけど、階級別みたいな体重別で全部含めて大谷さんがダントツでしたね」
リーグMVP大谷選手のデータ、とっても気になります!
ラスウェルさん:「(Q.大谷選手のデータを取っていると思いますが、投打でハイレベルどう思う?)個々の選手のデータはコメントできません」「(Q.ありがとうございます)構いません(笑)」
古田さん:「こういう施設を作ろうと思われたきっかけってありますか?」
ラスウェルさん:「『アスリートに嘘をつきたくない』という思いから生まれたんです。常に選手に対して、今どのような状態なのか、またどう改善できるかについて、真実を提供することを心がけています」
古田さんが実際にドライブラインで体験したトレーニングの様子などは、次週放送します。
(11月26日放送「サンデーLIVE!!」より)