メッツ・千賀滉大投手(30)の特集第2弾です。
先週は、1年目に飛躍の理由、さらにメジャーリーグのデータ野球を教えてくれた千賀投手。今週は、メジャーリーガー・大谷翔平選手(29)と、“お化けフォーク”の秘密について語ってくれました。
■サイ・ヤング賞投手から学び…ボールずっと触る
まずは、この話題からです。
古田敦也さん:「よく言われますけど、MLBのボールは滑る。自分が操れるという意味でいうと、不安はなかったですか?」
千賀投手:「最初は本当に操れなくて。不安がすごい大きくて、マウンド上でボールと戦っている自分がいた。完全に滑らなくなったのは、2カ月ぐらい経ってから」
古田さん:「ボールに慣れてくるものですか?」
千賀投手:「ずっと、本当にずっとボールを握って。それはシャーザーもバーランダーもそうですけど」
現・レンジャーズのシャーザー投手(39)と現・アストロズのバーランダー投手(40)。共にサイ・ヤング賞3回、年俸はメジャートップの63億円。そんなピッチャーですら、手になじませるため、ボールにずっと触れてきました。
千賀投手:「ベンチにいたり、ロッカーにいる時も2人ともずっとボールを触っていた。僕もそれを見習いながら、ずっと触っていたら慣れてきた。メッツに入って、シャーザーとバーランダーの2人のレジェンドに出会えたことによって、サイ・ヤング賞に関してはすごく思った1年だった。初めて数字というか、自分の目標となるものが、優勝以外のものができたことがうれしかった。賞に名前が挙がるような選手になりたいと思いました」
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■“お化けフォーク”の秘密公開 投げるポイントは…■“お化けフォーク”の秘密公開 投げるポイントは…
ピッチャーにとって最高峰のサイ・ヤング賞を取るために、なくてはならない武器は…“お化けフォーク”。一体、どうやって投げているのでしょうか?千賀投手が大公開してくれました。
古田さん:「フォークの握り方を教えてもらってもいい?投げ方というか、何であんなに落ちるんですか?これ聞いてもいいの?企業秘密?」
千賀投手:「大丈夫です。参考にしてほしいです。ピッチャーのレベルをどんどん上げてほしい」
古田さん:「人差し指を掛ける?」
千賀投手:「人差し指、掛けてますね」
古田さん:「親指はどうやって使う?」
千賀投手:「親指はシンプルにここです。投げ方について聞かれたら、一番最初に答えるのは、バックスピンをさせない。フォーシームってこうさせるじゃないですか。フォークもこうやって投げない。バックスピンって浮いちゃうので。バックスピンさせないように、こう飛び出すか。トップスピンをかける感じ」
古田さん:「簡単じゃないけどね」
千賀投手:「体でこういう感じですね。ストレートと同じようなリリースをしながら、バックスピンじゃなくて、そのまま飛び出させてストンと落とす」
古田さん:「切るという言い方をする人もいるけど、もうこうなっちゃダメだってことだね」
千賀投手:「手首は寝ないように。手首が寝たら、どうしてもバックスピンになる。それで落とそうと思ったら、挟まないといけないから、握力が必要になる。僕は握力が全然ない」
古田さん:「昔から、ボールは長く持ちなさいと子どものころに教えられた」
千賀投手:「それは非常によくないと思います。滑るボールを扱えば分かると思います。滑るボールをこうやってやったら、ピューンって抜けちゃうんで。日本のボールはいいから、これでこう投げれると思うんですけど。ちゃんと体の上に肩甲骨にのって、こうやって投げないと」
ポイントとなるのは、「バックスピンをさせない」「ボールを長く持たない」。これで、“お化けフォーク”を投げられるかも…しれません!
古田さん:「僕らの世代でいうと、フォークの使い手は大魔神・佐々木主浩だと思う。千賀くんが出てきてから、さすがに千賀くんの方が上だなと思った。スピード感が違う」
千賀投手:「フォークの数値を見ると、希少価値の高い球になっているので、いい球種に出会えた」
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■「フィジカルモンスター」大谷選手の打球速度■「フィジカルモンスター」大谷選手の打球速度
そんな千賀投手が驚かされた選手、それが…大谷翔平選手です!
古田さん:「大谷とは対戦した?」
千賀投手:「しました」
古田さん:「1回だけ?」
千賀投手:「1回しました」
古田さん:「どうでした?」
千賀投手:「向こう(MLB)の選手って、好きなところを振るんですけど。大谷ってバットを振り切らずにミートする様な打撃をやってくる、日本人ぽいっていうか、その打球が速いんで」
打球速度の速さ。それを目の当たりにしたのが、日本時間8月26日に行われた試合です。
大谷選手のタイミングを外された様なスイングで、打球は外野を越えます。そして、なんと打球速度はおよそ186キロ!6年ぶりの対決は全打席出塁を許し、悔しい結果となりました。
千賀投手:「すごい選手なのは戦う前、データを見た時に思ってました。どんなミスショットのパターンがあるのかなと思ったんですけど、ミスの打球が速い」
古田さん:「小手先というか、技術は日本もうまいし、それなりにコンタクトはできるけど。遠くに飛ばすとか、とんでもない速さの打球速度とかははちょっとね」
千賀投手:「日本で技術を作って、あんなに背が高くて、筋力つけたら、大谷みたいな化け物ができるんだなと思いますよね。フィジカルモンスターでした」
古田さん:「すごいよな、大谷」
千賀投手:「すごいですね」
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■今年投げて唯一マイナス「スライダーを磨けば」■今年投げて唯一マイナス「スライダーを磨けば」
すべてを捨てる覚悟で挑んだメジャー1年目。先発ローテーションを守り、最後まで戦い抜きました。それでも、千賀投手自身はまだ満足していません。
古田さん:「もうちょっと、こういうのがあればいいなと思うことは?」
千賀投手:「今年投げた球種で唯一マイナスだったのが、スライダーなので。(変化の小さい)カット系とタイミングを変える大きい変化の間。スラーブやスイーパーと違って、スライダー。こういう球を磨けば、実感でいい時はバッターも嫌そうでしたし、自分の成績も良かったので。フォークとカットボールに頼らずに、どれだけスライダーでいけるのか。おもしろいポイントだと思ってます」
古田さん:「来年、楽しみにしています。頑張ってください」
千賀投手:「ありがとうございます」
(12月3日放送「サンデーLIVE!!」より)