ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(30)が、指名打者としては史上初のMVPに輝いた。
ナ・リーグで自身初、ア・リーグを含め3度目の受賞。指名打者で活躍し、通算541本のホームランのオルティーズ氏でも獲得できなかった栄誉である。
ア・リーグは、アーロン・ジャッジ選手が2年ぶり2度目のMVPを受賞している。
大谷選手とジャッジ選手はともに満票であった。
今シーズンの大谷選手は、ロサンゼルス・ドジャースに移籍し、ナ・リーグ最多本塁打54、打点130の主要タイトル二冠。
打率3割1分、盗塁59はいずれもリーグ2位。
自身初の打率3割、30ホームラン、30盗塁のトリプルスリーを達成。
そしてMLB史上初のホームラン50本、50盗塁の「50-50」を達成した。
MVP受賞を祝して大谷選手が初めて挑んだポストシーズンを振り返る。
■第1戦でチームを救う同点ホームラン
プレーオフ地区シリーズでは、ドジャースは10月6日(日本時間)にナ・リーグ優勝決定戦進出をかけ、パドレスと対戦した。
大事な第1戦を任せられた山本投手だったが、初回に4番・マチャド選手に2ランホームランを打たれるなど立ち上がりに苦しむ。
3点を追うドジャースは、2回に2アウト1塁・2塁の場面で大谷選手がチームを救う同点の3ランホームランを放つ。
大谷選手の5打数2安打3打点の活躍もあり、ドジャースが第1戦の勝利を手に入れた。
10月12日(日本時間)、2勝2敗で迎えた地区シリーズ第5戦がドジャースの本拠地で行われた。
勝ったチームがリーグ優勝決定シリーズに進出を決めるという大一番に、ドジャースは山本投手、パドレスはダルビッシュ投手がそれぞれ先発。メジャーリーグのプレーオフで初めて日本選手同士の投げ合いが実現した。
山本投手は5回無失点と好投。一方、ダルビッシュ投手はソロホームラン2本を浴びて2失点であった。
リリーフ陣の完封リレーでパドレスに2対0で勝利したドジャースが、3年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。
大谷選手はダルビッシュ投手らに封じ込まれ4打数ノーヒットだった。
■リーグ優勝決定シリーズ「(ワールドシリーズに)ずっと出たい、プレーしたいと思っていた」
地区シリーズでパドレスとのライバル対決を制したドジャースはニューヨーク・メッツと対戦した。
大谷選手は第3戦で、ポストシーズン第2号となる2階席に飛び込む特大ホームランを放つ。
このホームランは最高到達点が41.8メートルで、これは天守閣の高さ日本一の大阪城を越える一打となった。
また、大谷選手は、第4戦でも初回に先頭打者ホームランも放っている。
大谷選手らがバットでけん引し、ワールドシリーズまであと1勝。
ドジャースの3勝2敗で迎えた第6戦がドジャースの本拠地で行われた。
ドジャースが2本の2ランホームランや大谷選手のタイムリーヒットなど得点を重ね、10対5でメッツに勝利し、リーグ優勝を決めた。
ドジャースは2020年以来、大谷選手・山本投手にとっては初のワールドシリーズの舞台へ進出することになった。
「(ワールドシリーズは)僕がずっと出たい、プレーしたいと思っていた場所なので、今この瞬間からそこを目指して勝つだけだと思って切り替えて頑張りたい」
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■「光栄に思う」悲願のワールドシリーズ制覇■「光栄に思う」悲願のワールドシリーズ制覇
ドジャースの本拠地でワールドシリーズ第1戦が10月26日(日本時間)に行われ、ニューヨーク・ヤンキースとの対戦に大谷選手は1番・指名打者でスタメン出場した。
8回、1点を追いかけるドジャースは、大谷選手がワールドシリーズ初ヒットとなるライトフェンス直撃のツーベースからベッツ選手のセンターへの犠牲フライで大谷選手がホームにかえり同点にする。
10回、2対3でリードを奪われたドジャースは、フリーマン選手がワールドシリーズではメジャーリーグ史上初めての逆転サヨナラ満塁ホームラン。ドジャースが6対3で劇的な勝利をおさめ、白星スタートを切った。
この試合、大谷選手は5打数1安打1得点だった。
ドジャースの3勝1敗で王手をかけた第5戦が10月31日(日本時間)におこなわれ、第2戦で左肩を負傷した大谷選手は引き続き1番・指名打者でのスタメン出場となった。
0対5とヤンキースのリードして迎えた5回、ドジャースはフリーマン選手らの連続タイムリーなどでこの回一挙に5点を奪い同点に追いつく。
6回、1点を勝ち越されたドジャースは、ラックス選手の犠牲フライで同点とすると、ベッツ選手の犠牲フライで7対6とリードを奪う。
ドジャーは1点リードで迎えた9回、ラストバッターを空振り三振に抑え、7対6で勝利した。
ドジャースが通算成績を4勝1敗で4年ぶり8回目のワールドチャンピオンに輝いた。
この試合、大谷選手は4打数ノーヒットではあったが、メジャー7年目で初出場を果たしたワールドシリーズで悲願のワールドチャンピオンとなった。
大谷翔平選手
「最後まで一番長いシーズンを戦えたことを光栄に思いますし、このチームに来て1年目でこういう結果に立ち会えてすごく光栄だなと思います」
「もう本当に感謝しかないですね、本当にこれだけ長いシーズンを支えてもらったっていうのは感謝していますし、来年以降も頑張っていきたいなと思っています」
■「ロサンゼルスおめでとう みんなありがとう」36年ぶりのドジャース優勝パレード
11月2日(日本時間)、ドジャースの本拠地・ロサンゼルスでワールドチャンピオンを祝うパレードが行われた。
選手や家族らを乗せた2階建てのバスは、ファンの祝福を受けながらロサンゼルス中心部をパレードした。
大谷選手は妻の真美子さんや愛犬のデコピンとともにパレードに参加し、沿道の声援に笑顔で応えていた。
「僕にとって特別な瞬間です。チームの一員としてこの場にいることができてとても光栄です。ロサンゼルスおめでとう。みんなありがとう」
最後までロサンゼルスを熱狂させたドジャース。
来シーズンの開幕戦は日本でおこなわれ、鈴木誠也、今永昇太が所属するカブスと対決します。