7日、優勝候補筆頭の横浜高校が練習試合を行いました。相手は東京大学でした。異例のカードを横浜高校出身の松坂大輔さんとヒロド歩美キャスターが取材しました。
■注目の対決 東京大学vs横浜高校
野球ファンでビッシリ埋まった東京大学野球場のスタンド。立ち見が出るほどの注目カードです。
「高校と大学の練習試合、松坂さんの時はどうでした?」
「全く聞いたことがないです。イメージしたことがないですし、僕らの時も大学生と試合がしたかった。(この試合が)めちゃくちゃ楽しみにしています」
なぜこのカードが実現したのか、東京大学のキャプテンに聞きました。
杉浦海大選手(3年)
「横浜高校に織田投手と奥村投手という2人のすごい良い投手がいて、六大学のレベルだと思って練習試合でぜひ打ちたいと思った。横浜高校の村田監督にオファーをした」
横浜高校は、エース左腕の奥村頼人投手(2年)と最速150キロを誇るスーパー1年生・織田翔希投手の2枚看板です。
横浜高校にとっても日本一の頭脳を持つ大学生との試合は良い経験になるということで、試合が実現しました。
松坂さんが客席に向かうと、東京大学野球部OB・大越健介キャスターも駆け付けていました。
この試合、横浜高校は金属バット。東京大学は木製バットを使用します。
東京大学の先発は松本慎之介投手(1年)で、国学院久我山高校でセンバツ・ベスト4の経験を持ちます。対する横浜高校の1番はキャプテン・阿部葉太選手(2年)。いきなりセンターオーバーのスリーベースでチャンスメイク。続く2番・為永皓選手(2年)。悪送球の間に横浜高校が先制します。
2回、ランナー2塁・3塁の場面で再び阿部選手。カメラも打球を見失うほどの特大スリーランを放ちます。
「阿部は去年の夏と比べて体が大きくなった」
横浜高校の先発は、150キロ右腕、1年生の織田投手。
2回、2アウトで迎えるはキャプテン・杉浦選手。ストレートをとらえられ、センターオーバーの2ベースヒットを許すと、その後1塁・2塁とピンチは広がり、8番・井之口晃治選手(3年)。レフト前へ運ばれ、これで満塁に…。続くバッターは9番・秋元諒選手(1年)は空振り三振。織田投手がピンチを切り抜けます。
3回も無失点に抑えると、4回にはストレートで三振。さらにカーブで三振。
「緩くて曲がりの大きいボールはコントロールが難しい。織田君のレベルの高さを感じる」
この回3つのアウトをすべて三振で奪った織田投手。東大打線に立ちはだかります。
それでも東京大学は5回、9番・秋本選手が速球をとらえてチャンスを広げると、ここまで2打席凡退の2番・堀部康平選手(2年)が左中間を破る2ベースで、待望の得点を上げます。
「(どの選手の)対応の仕方を見ても、さすが大学生。追い込まれるとコンパクトなバッティングに変える」
異例の試合は日没コールドで終了。両チームに惜しみない拍手が送られました。
「“高校生”対“大学生”いかがでしたか?」
「東大の打線からすると、織田君のボールが見られたこと。速球タイプに対しての対応の仕方を改めて見えたんじゃないかと思うし。高校生と大学生の交流、こういう試合が増えてきても面白いんじゃないかと思いました」
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■試合を見た大越キャスター「良い練習試合だった」■試合を見た大越キャスター「良い練習試合だった」
「大越さん、現地でご覧になってましたがいかがでしたか?」
「結果は別として、練習試合なのでお互い学び合うものがあればいいと思っている。東大野球部のOBからすると、横浜高校の選手たちが持っている走攻守だけではないプラスアルファの部分、緻密さであるとか、守る時にしっかりミスをしないとか、そういうところが得点差になって出ていると思う。ただ、全般的には双方をリスペクトする気持ちが表れていた試合だと思うので、本当に良い練習試合だったなと思います」
「松坂さんがおっしゃっていましたが、こういった交流がさらに増えて、アマチュア野球全体がより一層盛り上がっていってほしいなと思います」
(「報道ステーション」2025年3月7日放送分より)