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報道ステーション

2025年4月25日 18:34

スタンフォード大・佐々木麟太郎×栗山英樹 「充実してます」アメリカで磨く文武両道

2025年4月25日 18:34

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 アメリカ大学野球リーグで、今週、佐々木麟太郎選手(20)がリーグ戦5号となるホームランを放ちました。佐々木選手といえば、名門スタンフォード大学に入学したことで話題になりましたが、そこには驚くべき環境、そして、まさに文武両道の日々が待っていました。侍ジャパン前監督の栗山英樹さん(63)が現地で取材しました。

■アメリカの大学に進学 決断の理由

 20歳の佐々木選手は、大谷翔平選手(30)と同じ花巻東高校出身。高校通算140本塁打。ドラフト指名確実といわれたなか、決断したのは、アメリカの大学進学でした。

 進学したスタンフォード大学とは、一体どんな大学なのか。今回、取材した栗山さんはまず、佐々木選手の元を訪ねました。

栗山さん
「アメリカでやろうと思った理由を教えてください」
佐々木選手
「高校野球が終わってすごく悩んで、野球としてもレベルの高いところに身を置きたかったというのもありますし、ただ野球って、いつ終わるか分からない競技なので、野球が終わった後のことと、野球の部分も構築できるので、ここに来る決断をしました」

■充実した施設…驚きの支援方法とは

スタンフォード大学
スタンフォード大学

 アメリカ・カリフォルニア州にあるスタンフォード大学。敷地面積はおよそ33平方キロメートル。東京都・千代田区のおよそ3倍です。

 学業、スポーツ共に世界トップクラスの超名門。80人以上のノーベル賞受賞者を輩出し、さらにスポーツでは、去年パリオリンピックで39個のメダルをスタンフォード大出身者が獲得しました。

 もちろん、野球部も強豪校です。メジャーリーガーを100人以上送り出し、ドジャースで活躍するトミー・エドマン選手(29)もOBの一人です。

トレーニングルーム
トレーニングルーム
アスリート専用の食堂
アスリート専用の食堂

 その施設は圧倒的。充実したトレーニングルームに、アスリート専用の食堂までが完備されています。

「トレーニングとかより食事が一番大事」
「トレーニングとかより食事が一番大事」
栗山さん
「すんごいね。(栄養が)大学生くらいまでが一番大事な時期。実はトレーニングとかより食事が一番大事。(日本は)あまりにもおろそかにというか、お金がかけられないから」

 なぜ、大学スポーツにこれだけの施設を構えられるのか。スポーツ部門の担当者に話を聞くと、驚きの支援方法がありました。

スタンフォード大 アスレチック部門 カーター・ヘンダーソンさん
スタンフォード大 アスレチック部門 カーター・ヘンダーソンさん
スタンフォード大 アスレチック部門
カーター・ヘンダーソンさん

「私たちは収益の大半をアメリカンフットボールのプログラムから得ています。その多くはテレビなどの放映権と、チケット販売や観客動員です。そして、その収益は各大学のスポーツ団体に分配されています。何十年にもわたって発展させたことで、このような施設を持てるまでになりました。野球や水泳の施設なども、その一部です」
年間収益は1000億円超
年間収益は1000億円超

 アメリカでは、アメリカンフットボールやバスケットボールなど、大学スポーツが大人気。テレビ放映権やチケット販売などを、NCAA(全米大学体育協会)が管理。年間収益はなんと1000億円を上回ります。その収益を、それぞれの大学スポーツに再分配することで、これだけの充実した環境を整えることができているのです。

 さらにもう一つ、栗山さんを驚かせたことがあります。

ヘンダーソンさん
「学問とスポーツを両立させているアメリカの大学スポーツの仕組みは、世界でも類を見ないものです。厳しい学業に取り組みつつ、スポーツでも最高の選手になれるように成長を目指しています」

■アメリカで磨く“文武両道”

 徹底した文武両道。それは、佐々木選手の日々の生活にも垣間見ることができました。

栗山さん
「学校がある日のタイムスケジュールを教えてください」
1日のタイムスケジュール
1日のタイムスケジュール
佐々木選手
「朝9時からウエイトトレーニングをして、お昼から午後にかけて授業が入っているので1日に2個3個やって。そこからすぐグラウンドに来て、チーム練習を15時から17時、18時ぐらいまで毎日。その後は、日によっては残って練習をしたり。それから課題とかをやったりします。ほとんど野球と勉強の1日ですね。ほぼ毎日」
栗山さん
「勉強とか結構大変ですか?」
佐々木選手
「大変です。野球をプレーできるできない(学業成績の)基準があるので」
栗山さん
「これだけ学問も厳しいなかで、自分との戦いをみんながしているんですね」
「自分自身のパフォーマンスとか評価が…」
「自分自身のパフォーマンスとか評価が…」
佐々木選手
「そうですね、アメリカの大学野球は、クビ制度(退部)みたいなのもなくはないので。結果を出せなかったら、もうここではプレーはできないと告げられたりする厳しい世界。自分自身のパフォーマンスとか評価が、アメリカ大学野球の中での日本人の評価にもつながってくる」
「充実してます」
「充実してます」
栗山さん
「それはどんな感じですか?充実してるのか、追われている感じなのか」
佐々木選手
「充実してます」

■栗山氏「プレッシャーを感じた」

佐々木麟太郎と栗山英樹
佐々木麟太郎と栗山英樹
ヒロド歩美キャスター
「取材された栗山さんも、『間違いなくここは人が育つ環境。だからこそ日本も、プロチームや大学、企業も巻き込んで何ができるか考えていかなきゃいけないとプレッシャーを感じた』と話していました」
大越健介キャスター
「1月にアメリカ出張に行った時に、インタビューのためにスタンフォード大学に私も行ったのですが、大学のキャンパスそのものが一つの街のようになっていて、学問の施設を中心にして、そこに充実したスポーツ施設が無理なく一緒に調和をしている。佐々木選手が学んでいるのはこういう所なんだなと、非常に納得した記憶があります。収益構造とか、色々な違いや問題はあるとしても、日本にもスタンフォードに続くような大学が現れてほしいですよね」
ヒロドキャスター
「リーグ戦は来月まで続くので、佐々木選手の活躍にも期待したいと思います」

(「報道ステーション」2025年4月24日放送分より)

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  • 佐々木麟太郎と栗山英樹