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柔道女子52キロ級の阿部詩選手(24)が、世界選手権で5度目の優勝を飾りました。パリオリンピックでは、絶対的な金メダル候補ながら2回戦で敗退。涙のシーンは、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。
再び世界一に輝いた阿部選手が帰国し、今の思いを語りました。
■接近戦での敗戦経て…徹底的に磨いた「防御」
16日午前11時、兄の阿部一二三選手(27)とともにハンガリーから帰国した阿部詩選手。その表情は、晴れやかでした。
阿部詩選手
「負けた悔しさをもう一度味わいたくないという気持ちと、なんで負けたんだろうと考えながら、この1年やってきたので。少しずつではあるんですが、成長したのかなと思います」
「負けた悔しさをもう一度味わいたくないという気持ちと、なんで負けたんだろうと考えながら、この1年やってきたので。少しずつではあるんですが、成長したのかなと思います」
2024年7月のパリオリンピックでは金メダル候補として臨んだものの、まさかの2回戦敗退。オリンピック後は2カ月間柔道から離れ、自らを見つめ直しました。
阿部選手(今年2月)
「基礎的なことをやっている時に、ここが自分の居場所なんだと自分の体で感じた。畳の上が自分の居場所なんだと感じた時に、戦うことが自分なんじゃないかなと思いました」
「基礎的なことをやっている時に、ここが自分の居場所なんだと自分の体で感じた。畳の上が自分の居場所なんだと感じた時に、戦うことが自分なんじゃないかなと思いました」
再び世界の頂点を目指し、取り組み始めたのが「防御」です。パリで味わった接近戦での敗戦を経て、男子選手を相手に防御を徹底的に磨きました。
阿部選手
「日本人選手にはない感覚が、海外選手にはある。技のリズムや自分との距離感が独特なので。しっかりもう一回、イチから作り直そうと」
「日本人選手にはない感覚が、海外選手にはある。技のリズムや自分との距離感が独特なので。しっかりもう一回、イチから作り直そうと」
■練習の成果が存分に出たシーンも
そして、涙のパリからおよそ11カ月、挑戦者として臨んだ世界選手権。3回戦の相手は最大のライバル、フランスのブシャール選手(29)でした。
この試合で、練習の成果が存分に出たシーンがあります。
奥襟を取られた阿部選手は、接近し担いで投げるのが得意なブシャール選手に対し、必死の防御で我慢。延長戦に入ると、相手に3つ目の指導が入り、反則勝ちでライバル対決を制しました。
そして迎えた決勝戦では、オリンピック銀メダリスト、コソボのクラスニチ選手(29)と対します。決勝戦でも相手に背中をつかまれ接近戦に持ち込まれるも、耐え抜きます。そして一瞬のスキを突き、豪快な背負い投げで一本。阿部選手が再び世界一に返り咲きました。
阿部選手
「五輪からこの1年、もう一度世界一になりたいという思いで、この舞台に立っていたので、優勝した瞬間はいつもの優勝よりうれしかったです。私が目指すべきは五輪のチャンピオンなので、この結果に満足せず、突き進んでいきたいと感じた一日でした」
「五輪からこの1年、もう一度世界一になりたいという思いで、この舞台に立っていたので、優勝した瞬間はいつもの優勝よりうれしかったです。私が目指すべきは五輪のチャンピオンなので、この結果に満足せず、突き進んでいきたいと感じた一日でした」
阿部選手
「私がロス五輪に向けて進むために、すごく必要な世界チャンピオンのタイトルだった」
「(Q.リベンジできましたか?)リベンジではないんですけど『復活』。そうですね…『第一歩』でお願いします」
「私がロス五輪に向けて進むために、すごく必要な世界チャンピオンのタイトルだった」
「(Q.リベンジできましたか?)リベンジではないんですけど『復活』。そうですね…『第一歩』でお願いします」
(「報道ステーション」2025年6月16日放送分より)