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2025年6月18日 17:09

大谷翔平が663日ぶりに二刀流復活 投打で魅了 松坂大輔に聞く“収穫と課題”

2025年6月18日 17:09

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ドジャースの大谷翔平選手(30)が663日ぶりにピッチャーとして復帰しました。本拠地・ドジャースタジアムは投打二刀流の復活に試合前から大興奮です。松坂大輔さんの解説と共に振り返ります。

■二刀流復帰戦を投打で魅了

プレーボールまであと1時間、普段であれば試合開始した後に来る人もいますが、日本時間17日は早めに球場到着しています。

ドジャースファン
「ワクワクしてるよ!ノーヒットに抑えたらすごいよね」
「(Q.ドジャースで初のマウンドとなるが?)知ってるよ!だから来たのさ。興奮してるよ!」

ドジャースファンの待ちに待った瞬間がついに訪れます。

ドジャース初登板
ドジャース初登板

ドジャーブルーのユニフォームで、初めて上がるマウンド。1番、ピッチャー、大谷翔平選手。

実況
「誰もがこの歴史的瞬間に心を躍らせています」

17日の登板は1イニングの予定。パドレスの上位打線はメジャー屈指の強打者がそろいます。

注目の初球は157キロのシンカーから入ります。2球目もシンカー。3球目はスイーパー。4球目も外れ、3ボール1ストライク。5球目は初めて投げるストレートで158キロ。6球目はストレートで詰まらせましたが、ヒットを許すと、2番・アラエス選手(28)にもヒットを打たれ、ノーアウト1塁3塁。

迎えるは3番・マチャド選手(32)。スイーパーで1ストライク。2球目は外れ、3球目もスイーパー。2ストライクと追い込みます。振ったか!?

解説
「ほとんどフルスイングですよ。なぜこれが見逃されるのか」

フルカウントからの6球目。センターへの犠牲フライ、1点を失います。

それでも、仲間の守備に助けられながら、後続を抑えた大谷選手。1回を投げ終えると、久々にあの光景が見られました。

実況
「大谷はベンチに戻らず用意されていた道具を身に着け始めました。投手から1番打者に変身です」
投手から1番打者に変身
投手から1番打者に変身

第1打席。空振り三振に倒れます。

3回、第2打席はチャンスの場面。左中間を破る同点タイムリー。さらに4回にもタイムリーを放った大谷選手。二刀流復帰戦を投打で魅了しました。

大谷翔平
大谷翔平
大谷選手
「きょう投げ終えて、次も投げられそうな雰囲気なのが一歩前進かなと思います。100マイル(約160km/h)近く手術後に投げたのは初めてなので、あす以降の反応を見たい。1週間に1回投げつつイニングも少しずつ伸ばしていけたら、ブルペン(救援陣)にとって少しでも負担は減ると思います。ずっとサポートしてもらってここまで来られたので、きょうは結果に関係なく感謝の気持ちをマウンドで出せたのが良かったと思います」
ロバーツ監督
ロバーツ監督
ロバーツ監督
「不思議な光景だった。ショウヘイはマウンドから降りてそのまま支度を整え、打席に向かった。ブルペンから戻ってくる姿も含めて野球ファンとしてたまらなかったね。次の登板まで何日空けるか、次も1イニングか2イニングかは分からない。あした以降の状態を見て判断したい」
ダルビッシュ有
ダルビッシュ有

大谷選手のピッチングをパドレスベンチから見ていたダルビッシュ有選手(38)は、「まだ調整段階だと思いますし、納得いっていない部分もあると思うけど、あれだけ球速も出ていたのでひじの状態はいいのかなと見てました。大谷が安心してそうなのでうれしかったです」と話しました。

■松坂解説 異例の登板で見えた収穫と課題

17日の大谷選手の登板について松坂さんは、こう分析しました。

「ボールの勢いとしては申し分なかった。1番・タティス選手から空振りをとったフォーシーム(ストレート)の軌道は本来の大谷選手の軌道だと思いますし、スイーパーも狙ったところに投げられていたのかもしれないですね。3番・マチャド選手はスイングを取られなかったが、あの一球はメジャーでもトップレベルのスイーパーだと思います」

良かった点がある一方で、ブランクを感じたシーンもあると松坂さんは言います。

ファーストの脇を抜けてのセカンドゴロ。大谷選手はベースカバーに入ることができませんでした。

ブランクを感じた
ブランクを感じた
「一二塁間を抜けるような当たりを大谷選手は抜けたと判断して、ファーストベースに行けてなかった。(投手が)ベースカバーに入ることが通常なので、そういうところにブランク感じましたし、そこは何試合か経験していくと(感覚が)もとに戻っていくのかなと思います」

マイナーでの登板を一切せず、メジャー復帰を果たした投手・大谷選手。前例のない調整に、松坂さんは一抹の不安を感じています。

「通常の“リハビリ登板”とは違う」
「通常の“リハビリ登板”とは違う」
「単純にマイナーの選手を相手に投げる“リハビリ登板”であれば、カウントやバッター関係なくまんべんなく球種を使ったと思うが、大谷選手はレギュラーシーズンの試合で投げるので、通常の“リハビリ登板”とは違う意識で投げている。ロバーツ監督も『大谷選手なら』と、この難しいプランを選択したのかなと思いました」

■試合後は大盛り上がり「歴史的な1日だった」

ロサンゼルスにいる力石大輔記者に聞きました。

本拠地での二刀流復活で、球場は異様なくらいに盛り上がっていました。これは大谷選手の壁画があるホテルの所ですか?

大谷の壁画
大谷の壁画
力石記者
「そうですね。今、壁画の前に来てます。皆さん『歴史的な1日だったよ』と試合後、大盛り上がりでした。スタジアムは試合が始まる前から異様な雰囲気でした。まずは投球練習のためにマウンドに上がりますが、1球目から『オー!』という異様な声が上がっていました」
「試合が始まってからはもちろんストライクコールに大歓声で後押し。判定が微妙なボールにされてしまった時には大ブーイングで、ひりひりするドジャースタジアム満員のファンの前で二刀流が再スタートしました」

(「報道ステーション」2025年6月17日放送分より)

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  • ブランクを感じた
  • 「通常の“リハビリ登板”とは違う」
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