スポーツ

報道ステーション

2025年6月29日 13:33

ウルフ アロン、なぜプロレス転向? 初挑戦のロープワーク…現役ベテラン・永田裕志が指導

2025年6月29日 13:33

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 柔道からプロレスに転向したウルフ アロン選手(29)。世界選手権・金メダル、東京オリンピック・金メダル、そして無差別の全日本選手権も優勝という3冠です。なぜプロレスへ転向したのか、松岡修造さんが話を聞きました。

なぜプロレス?「大学生の時から…」

ウルフ選手
「すごいですね。観ている感じとやっぱり違いますね。ロープは思った以上に硬いです。ロープワークができるのかどうか…。しっかりと練習積んでいかないと」

 ウルフ選手が入団するのは、アントニオ猪木さんが創立した新日本プロレス。53年の歴史を誇る国内最大の団体です。新たな挑戦に迫ります。

ウルフ選手
「お久しぶりです」
松岡さん
「ご卒業おめでとうございます」
ウルフ選手
「卒業…引退。卒業です」
松岡さん
「全く雰囲気違いますね」
ウルフ選手
「ちょっと柔道家の頃とは少し」
松岡さん
「プロレスという道に行く感覚はいつぐらいからあった?」
いつからプロレスを意識?
いつからプロレスを意識?
ウルフ選手
「大学生の時にプロレスをずっとテレビで観てまして、『柔道で五輪までしっかりやりきったらプロレスに行きたいな』という気持ちはあった」
松岡さん
「どうしてですか?」
ウルフ選手
「大勢の観客の前で自分の生き方を魅せるのが、かっこいいなと思いました」

 ウルフ選手と言えば、YouTubeチャンネルを立ち上げ、積極的に自分の考えを発信してきた選手です。多くの自己表現があるなか、なぜウルフ選手はプロレスを選択したのでしょうか?

なぜプロレスを選択?
なぜプロレスを選択?
「柔道は相手としか闘ってない。それもそれですごいと思うんですけど、プロレスって相手・観客・自分とも闘っている。魅せるという一点に関しては、プロレスってトップだと感じたんです。僕の強い部分、弱い部分とか、すべてを出していきたい」
「ただマットの上でやるだけがプロレスじゃなくて、マットに下りてもやるのがプロレス。生き方としてのプロレスをやりたい」

 プロレスの魅力は、相手の技を受けきって、自分もやり返す。相手の力を最大限に引き出したうえで、それを上回る。ファンはそれに魅了されます。

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転向後、休みなく練習「生きていくうえでの喜び」

練習生としてスタート
練習生としてスタート

 オリンピック金メダリストのプロレス転向。通常であれば華々しいものになるなか、ウルフ選手は一から練習生として始めるといいます。掃除、ちゃんこ番、リング設営まで様々な雑務を行う予定です。

ウルフ選手
「本当に競技が違いますから。それこそ修造さんもバトミントンの世界王者…」
松岡さん
「バドミントンはだいぶ違いますよ」
ウルフ選手
「そのぐらい違うんですよ、本当に。バドミントンの五輪王者がテニス始めたら急に日本代表として試合しますかと言われたら、それは違うでしょって」
松岡さん
「僕だったら絶対狙いません。違う競技ですよ」
ロープワークに初挑戦
ロープワークに初挑戦

 同じ格闘技ですが、柔道とプロレスでは全く異なります。例えば、ロープワーク。実はこの日、ウルフ選手は人生で初挑戦!

ウルフ選手
「これはたぶん遅いです。スピードが」
永田裕志選手
永田裕志選手

 新日本プロレス・永田裕志選手。57歳にして今なお現役のベテランがお手本を見せてくれました。

現役のベテランがお手本 松岡修造も驚き
現役のベテランがお手本 松岡修造も驚き
永田選手
「ロープの手前から全体重を乗っけて。跳び上がって乗せないとスピードが出ない。反動を使って」
ウルフ選手
「3歩ぐらい進んでいる時には、3歩目でジャンプしながら回る感じですか?」
永田選手
「その方が体重が乗るんですよ」
重点的に練習
重点的に練習

 さらに、今重点的に練習しているのが受け身。

ウルフ選手
「できる人たちは立った状態から、歩かずに受け身ができるんですよ。僕は今、歩かないとプロレスの受け身ができない」
松岡さん
「これ、柔道と(受け身のやり方が)だいぶ違いますね」
ウルフ選手
「本当、違うんですよ、全然」
柔道とプロレス 受け身の違い
柔道とプロレス 受け身の違い

 柔道でも受け身は必須のスキルですが、柔道とプロレスでは明らかに違う感覚があるといいます。

松岡さん
「柔道で絶対ないのは、これじゃないですか(背中をつく)。背中つく。これアウトですよ」
ウルフ選手
「そうですね、柔道は」
松岡さん
「プロレスはよくありますね。どんな感覚ですか?」
ウルフ選手
「柔道で言うと、受け身をとるイコール負けを意味する。柔道たってたから受け身をしたくないという感覚は邪魔にしかない。捨てなきゃいけないと思います」
松岡さん
「普通は柔道頑張ったわけですから、体も心もちょっと休みが欲しいわけですよ」
ウルフ選手
「やっぱり自分の中で『今、プロレスやりたい』が、一番前面に出てるので」
松岡さん
「そんなにあるんですか?」
「楽しみしかない」
「楽しみしかない」
ウルフ選手
「ありますよ。僕は楽しみしかないですから。今やらずして、いつやるのっていう感じがしますし。知らないことが分かったりとか、できなかったものができるようになるのは、生きていくうえでの喜び。今、それがずっと毎日ある段階なので、もう無我夢中でやれている感じです」

異例の挑戦でも「自分を表現したい」

徳永有美キャスター
「本当に楽しみしかない!」
松岡さん
「伝わってくるでしょ?好きという気持ちがどれだけ人を前向きにさせるか、僕は感じたわけですよ。プロレス愛ですよね。そして、自分を表現したいという熱が伝わってくるんです。どれだけプロレスと柔道って違っていても、異例の挑戦だとしても好きという気持ちがあるからこそ、前向きに生き生きと取り組めるんだなと思いますね」
徳永キャスター
「ウルフさんの魅力がまたさらに開花しそうですね!」

(「報道ステーション」2025年6月27日放送分より)

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