シンガポールで行われている世界水泳。日本はメダルラッシュが続いていますが、高飛込の玉井陸斗選手(18)にも大きな期待がかかっています。去年のパリオリンピックでは銀メダル。今回、その上を目指すには何が必要か?松岡修造さんが取材しました。
85点あれば“一番ザコな時でも最強”目標
「ベストを更新しながら、金メダルという目標を掲げていきたい」
玉井選手は、決戦の地・シンガポールへ飛び立ちました。
「金メダルを取るためには、何が必要だと思いますか?」
「一番弱い時でも調子が悪い時でも戦えるのが、一番強い人だと思うので。寝起きでも同じ演技ができるような、安定性をずっと課題にしてきた」
「安定しているポイントは?」
「85点よりも高いと安心する」
「85点!?」
85点とは、玉井選手にとってどういう得点なのでしょうか?
去年のパリオリンピック。6回の演技で合計点を競う飛込競技で、玉井選手は全選手の中で最高の99点を出すなど高得点を連発しました。
玉井選手にとって、85点は低いように思えますが、飛込はわずかな乱れが得点に響く競技。パリオリンピックでは入水に失敗。39点を出してしまいました。85点を出していれば、金メダルを取れていたんです。
「(最低)85点あれば、メダル争いは絶対できる。“一番ザコな時でも最強”が目標」
「何をやってきたのか、具体的にありますか?」
「207Bっていう2回目の演技。中学校1年生の時からずっと苦手」
「207B、嫌いですか?」
「嫌いです」
後ろ向きに飛んで、1、2、3回と半分を回る207B(後宙返り3回半えび型)。試合では2回目の演技。序盤に流れをつかむための重要な技です。
しかし、パリオリンピック後の大会では、72点を出したり104点を出したり大きな波があるんです。
「試合では安定していなくて。失敗する時も成功する時もある。自分の中で大きな壁」
「こうやれば、207Bは克服できるみたいなヒントを得たりしました?」
「どれだけ踏切を統一できるか。踏切は最初の動作なので、踏切が変わってしまうと、空中の姿勢も全部崩れてしまう」
「(普段)踏切は見ていないんですよ。『ノースプラッシュかな?』しか見ていない。どのようにすると安定する?」
「しゃがむ角度を毎回一緒にする」
どんな時も207Bと同じひざの角度を意識
「ポイントは?このトレーニングを多くしたとか」
「階段を上る時に同じ角度にしようと思って。一段飛ばしで角度を意識している」
「新幹線の駅とかでも一段飛ばしですか?」
「そうですね。プールではいい演技ができるんじゃないかと思いながら、階段を上っています」
どんな時も207Bと同じひざの角度を意識している玉井選手。練習で10メートルの飛込台に登る時も、試合の時も、ひざの角度をしっかり意識しています。さらに、この角度は207B以外の演技でも使えるんです。
6回のうち3回が同じひざの角度。玉井選手にとって重要なポイントになります。
3月、世界水泳の代表選考会に出場した玉井選手。2回目は、中学生のころから苦手としている207B。得点は79.20。目標の85点には届きませんでしたが、合計点は516.65。銀メダルを取ったパリオリンピックの507.65を上回りました。
あれから4カ月、玉井選手は課題と向き合い続けてきました。
「普段の生活が試合になっている。試合が普通のことに捉えられるように変わってきている」
「小さいころは、試合になると緊張するし、嫌だなっていう気持ちはあった。今は楽しみやワクワクも感じられるようになってきたので、すごく成長できた」
玉井選手は29日にシンクロ高飛込、8月3日に高飛込でメダルを狙います。
(「報道ステーション」2025年7月22日放送分より)








