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報道ステーション

2025年7月25日 17:05

池江璃花子 ロス五輪に向け50mバタフライ強化 “逃げない”自分と向き合う競泳人生

2025年7月25日 17:05

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24日、世界水泳の競泳陣が現地で練習を行いました。試合は3日後から始まりますが、今回、日本代表のキャプテンを務めるのが池江璃花子選手(25)です。そんな池江選手の今に松岡修造さんが迫りました。

拠点を移し2年目「泳ぎたい気持ちが強かった」

3月の日本選手権で、本命種目の50メートルバタフライで4連覇を達成。100メートルバタフライと合わせ、世界水泳代表を勝ち取った池江璃花子選手。長く患ってきた白血病は、去年完全寛解を迎えました。

松岡さん
「今は病気と切り離せるようになってこられたんですか?」
池江選手
「免疫力の話で言うと、どうしても今でも風邪をしょっちゅう引きます。ちょっとしたことですぐ体調を崩す。いろいろもう終わったと思っているけど、何かしら病気の影響はずっと抱えているなっていうのはすごく思います」

その体にはまだ影響が残るなか、去年のパリオリンピックでは準決勝敗退。満足いく結果ではありませんでした。それでも水泳と向き合い続ける池江選手には、ある思いがあります。

松岡さん
「パリ五輪後で1回休むかなと思ったんですよ。その考えはなかったですか?」
パリ五輪後に休む考えはなかった?
パリ五輪後に休む考えはなかった?
池江選手
「泳ぎたい気持ちが一番強かった」
松岡さん
「いいですね」
池江選手
「この間の日本選手権の時は、一緒の期間に入院していた年齢の近い子が応援に来てくれていたんですね。レース終わった後に会えたけど、見た瞬間に泣いちゃって。何の泣きか分からないが、安心感というか、ほっとしたというか、今こうやっていられることがすごく幸せだなって。水泳全力で続けたい、ロス五輪まではって思って」
拠点をオーストラリアに移し2年目
拠点をオーストラリアに移し2年目

去年から拠点をオーストラリアに移し、今年2年目を迎えた池江選手。移動や宿泊の手配などは自分で行い、現地での運転も手慣れたものです。

試合に出る際は、1人でケアをして臨むことも少なくありません。

池江選手
「すごく寂しい気持ちにもなるし、孤独感もよくあることだけど。自分が選んだ道だからコミュニケーションが取れなかろうが、友達できなかろうが、自分は水泳をやりに行っている」
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ロス五輪で50mバタフライ初採用 試金石となる大会に出場

そんな池江選手に今年4月、うれしいニュースが舞い込みます。

ロス五輪で50mバタフライ初採用
ロス五輪で50mバタフライ初採用

2028年のロサンゼルスオリンピックで池江選手が得意とするバタフライの50メートルが初めて正式種目に採用されることが決まったのです。

その50メートルを強化するため、5月にヨーロッパで試金石となる大会に出ていました。

それが「スピードトーナメント」。勝ち上がり形式で行い、50メートル種目を一日に何本も泳ぐ過酷なレース。池江選手が7年前に優勝した大会でもあります。

「いろんな国の人たちと試合ができる環境」
「いろんな国の人たちと試合ができる環境」
池江選手
「大きい試合前や世界水泳前に、いろんな国の人たちと試合ができる環境。若いころの自分はスピードトーナメントに出ることによって成長できた」

決勝までは5レース。1回戦から泳ぐごとにタイムを上げ、3本連続でトップ通過を決めると、ついに2018年以来7年ぶりとなる決勝へ進出しました。

食らいつく池江選手、ラスト5メートル!惜しくもタッチの差で敗れるも準優勝。国際大会の舞台で、確かな手応えをつかみました。

池江選手
「今年は50メートルにフォーカスするという話もずっとしているので、そこに関してはしっかり集中してハイレベルな泳ぎもできたと思います。自分にプレッシャーをかけながらレースをやっていけたらなと思います」

ヨーロッパでの遠征を終えた池江選手がマイクを手にし、胸の内をこっそり明かしました。

胸の内をこっそり明かした
胸の内をこっそり明かした
池江選手
「疲れました。これは自分が決めた道なので、ここで逃げたらダメなんです。だから、もうちょっと頑張っていこうと思います」
池江璃花子 世界水泳出場予定種目
池江璃花子 世界水泳出場予定種目

池江選手の50メートルバタフライの今年のベストタイムは世界ランキング4位です。2位から5位は本当に僅差となっていますが、本番でベストを出せば表彰台も見えてくるということです。

8月1日から始まる50メートルバタフライに大注目です。

(「報道ステーション」2025年7月24日放送分より)

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