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報道ステーション

2025年9月5日 19:01

サッカー・鈴木彩艶 ゴールキーパーの極意 相手が触ろうとした瞬間にあえて「止まる」 内田篤人が徹底検証

サッカー・鈴木彩艶 ゴールキーパーの極意 相手が触ろうとした瞬間にあえて「止まる」 内田篤人が徹底検証
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 サッカー日本代表は9月、10月と強豪国との戦いが続きます。ここまでアジアを相手に攻めのサッカーを続けてきましたが、相手が強くなれば守りの時間も増えてきます。そこで鍵になるのが守護神の鈴木彩艶選手(23)。内田篤人さんも知らなかったゴールキーパーの極意を教えてもらいました。

■守護神の極意

内田さん
「(肩)パンパンじゃないですか」
彩艶選手
「まだまだデカくなりますよ」
内田さん
「今、どのぐらい?」
彩艶選手
「190センチ、100キロ」
内田さん
「キーパーの良さを僕がお伝えできればいいんですが、キーパーとフィールドって別職業」
「何をやっているか知りません。僕はいつも」
元日本代表右サイドバックと日本代表ゴールキーパー
元日本代表右サイドバックと日本代表ゴールキーパー
彩艶選手
「知ってほしいです」

 日本代表ゴールキーパー・鈴木彩艶選手。初めて臨んだワールドカップ・アジア最終予選では、8試合にフル出場し、許した失点はわずか「2」。  

 現在、イタリアの名門・パルマのレギュラーとして2シーズン目を迎え、世界的ゴールキーパーを数多く輩出してきたリーグで存在感を放っています。

 そんな若き日本の守護神に12台のカメラを用意し、実際に起きたプレーを再現。その技術に迫りました。

内田篤人が徹底検証

ゴールキーパーの極意を検証
ゴールキーパーの極意を検証

 今回検証するのは、アウェイのインドネシア戦、序盤に起きた大ピンチのシーン。相手が抜け出してきて、1対1となった場面を再現しました。彩艶選手の極意をこのセーブから紐解いていきます。

 まず、内田さんが気になったのは攻守が切り替わった瞬間。

ポジションを横にずらす 協力:浦和レッズ
ポジションを横にずらす 協力:浦和レッズ
内田さん
「攻守が切り替わった瞬間、考えることは?」
彩艶選手
「ゴールキーパーは真ん中にいるイメージだと思うんですけど」
内田さん
「いつもそう思っていました」
彩艶選手
「まず、相手が背後を狙おうとしているので、この選手が抜けてきた時のことを考えて、ポジションをちょっと横にずらす」

 相手フォワードの位置を見て、横に移動していた彩艶選手、ある理由がありました。

「真ん中にいると相手が背後に向けた時、距離が長くなる」
「真ん中にいると相手が背後に向けた時、距離が長くなる」
彩艶選手
「真ん中にいると相手がディフェンスの背後に抜けた時、相手までの距離が長くなる。なので相手選手側に寄って」

 相手が背後に抜けてきた時、相手との距離が遠いと、出る出ないの判断が難しくなります。

 一方、距離が近いと、より的確な判断ができるといいます。

距離が近いと、より的確な判断ができる
距離が近いと、より的確な判断ができる
内田さん
「ゴールキーパーは1試合でどのぐらい動く?」
彩艶選手
「僕は6キロ後半。意外と動いているんですよ」
内田さん
「じゃあ、メッシより動いているよね」
彩艶選手
「かな?分からないけど」

 実際の試合を見てみると、彩艶選手は相手選手の位置やボールの位置など、状況に応じて動き続けています。

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彩艶選手ならではの極意「止まる」

 そして、検証はピンチとなった1対1の場面へ。「動く」とは正反対の彩艶選手ならではの極意がありました。  

「相手がボールに触ろうとした瞬間に止まること」
「相手がボールに触ろうとした瞬間に止まること」
彩艶選手
「相手がボールに触ろうとした瞬間に止まること」

 相手がボールに触ろうとした時に「止まる」。その狙いとは?

「“止まる”じゃないと思っていた。“寄せる”と思ってた」
「“止まる”じゃないと思っていた。“寄せる”と思ってた」
彩艶選手
「相手のボールが、どこに来ても対応できるように“止まる”」
内田さん
「“止まる”じゃないと思っていた。“寄せる”と思ってた」
彩艶選手
「止まりますね」

 相手の次の動きに対応するために、あえてピタッと止まる。実際、止まった彩艶選手は相手の動きに、すぐ反応できています。

止まることですべてのプレーに対応することができる
止まることですべてのプレーに対応することができる
彩艶選手
「ちょっとでも本当に先に動いて、こっちに流れたら(彩艶選手の左)に流れたら、こっちのボール(右)って行けなくなっちゃうんですよ。ここで(相手に対して)横に行っていたら、こっちにも空くし、こっちも空いちゃう。なので、止まることが大事だなって」

 止まることで、相手が左右、どちらのコースにシュートを打ってきたとしても、ドリブルを仕掛けてきたとしても、すべてのプレーに対応することができるのです。

 あえてピタッと止まる。これぞ鈴木彩艶選手、ゴールキーパーの極意。

「自分がしっかりとイメージを持って」
「自分がしっかりとイメージを持って」
彩艶選手
「自分がしっかりとイメージを持って、どういう対応をして、どこで次待つのかを考えながら」
内田さん
「相手のボールタッチのなかで判断して行動していく?」
彩艶選手
「そうです」
内田さん
「すげーな。深っ!!ゴールキーパー」
「深っ!!ゴールキーパー」
「深っ!!ゴールキーパー」
彩艶選手
「深いんですよね」

ディフェンダーとは違ったゴールキーパーの感覚

「テレビで映らない部分にゴールキーパーの大事な動きが隠されている」
「テレビで映らない部分にゴールキーパーの大事な動きが隠されている」
内田さん
「サッカーの試合をテレビで見ていると見えない部分、映らない部分でゴールキーパーの大事な動き、準備が映っているんですね。そういうところに隠されているので、今回特集させていただいたんです」
大越健介キャスター
「面白かったですね。相手が触る時には『止まる』っていうのが極意なのは内田さんも結構、驚かれていましたね」
内田さん
「それはまたディフェンダーとは違った感覚で、ゴールキーパーはシュートがあるので浮かされたら下がらないといけない。ああいうところの判断っていうのを日ごろから準備していて、ゲーム中にも準備している。彼の性格というのが、今の日本代表を支えているんだなと思いました」

(「報道ステーション」2025年9月4日放送分より)

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