スポーツ

報道ステーション

2025年9月13日 14:01

大坂なおみ、出産後初の全米OPベスト4 新たなテニス観と人生観 松岡修造「向き合い方に感極まった」

大坂なおみ、出産後初の全米OPベスト4 新たなテニス観と人生観 松岡修造「向き合い方に感極まった」
広告
3

 日本を沸かせて間もない、大坂なおみ選手(27)へのインタビューが実現しました。松岡修造さんが取材しました。

「妊娠してからはとても大変だった」

 先週の全米オープン、出産後初のベスト4となった大坂選手に12日、話を聞きました。

松岡さん
「全米OPベスト4はおめでとうと言いたい」
大坂選手
「正直、本当に楽しかった。結果を心からうれしく思う」
「プレーしていてとても楽しかった」
「プレーしていてとても楽しかった」
松岡さん
「テニスの奥深さ、本当のテニスを知った、好きになったんじゃないか」
大坂選手
「全米OPで自分のテニス愛を改めて感じた。プレーしていてとても楽しかった」
松岡さん
「テニスや人生に対しての向き合い方、すごく楽しそう。本当の意味で“戦う”というのも楽しいんだろうし」
大坂選手
「私のいろんな瞬間をずっと見てきた修造さんにとっては面白いでしょう。今の私はとても肩の力が抜けている。ここまでの道のりに感謝している」
グランドスラムを制覇した2021年に…
グランドスラムを制覇した2021年に…

 最後にグランドスラムを制覇したのは2021年。その年、自ら“うつ”を告白し、世界中に衝撃を与えました。2023年には出産。わずか半年後に実戦復帰を果たしたものの、四大大会はベスト16止まり。

大坂選手
「妊娠してからはとても大変だった。自分の体ではない感じ。体が戻ったと実感するまですごく時間がかかった。去年から今年の頭まで、それが一番つらい部分」

 出産から2年。そのテニスは…。

松岡さん
「テニスのスタイルをここまで変えた人を初めて見た」
大坂選手
「本当に?」
松岡さん
「びっくりした!」
広告

新たなテニス観と人生観

松岡さん
「何が変わったのかということを説明していきたいと思います。なおみさんというと、一発で決めていくイメージがありました。ただ一発でいくということは、それだけリスクがある。今の感じは違います。じわじわ攻めていく、正確なんです。その中で相手は追い込まれてくるからこそ、イライラしてミスが出てくる。こういうテニスを手に入れた。それだけじゃない。なおみさんは走るんです。どんなボールにも追い付いていく。ただ追い付いていくだけじゃない、相手も、両方見極めている。相手の一番嫌な所に打っていく、じわじわ攻めていく、そういう力も手に入れたんです。彼女の新しいテニス。なおみさん一体何があったんですか?」
「身体、考え方が変わった」
「身体、考え方が変わった」
大坂選手
「テニスがそこまで変わったのではなく、身体、そして“考え方”が変わった。力強く決めることばかり考えているとストレスになる。相手を観察し自分に何ができるか考えるのが好きになった」
松岡さん
「どうしてテニスの視野が広く捉えられるようになった?」
大坂選手
「私は人生の中で新たな立ち位置にいる。あなたは私が若いころから見てきたから成長を感じるのかもしれない。様々な人との出会いから学び、異なる視点を得ることができた」
出産・母親としての経験が人生観に変化をもたらした
出産・母親としての経験が人生観に変化をもたらした

 出産、そして母親としての経験がテニスのスタイルだけでなく、人生観にも変化をもたらしていました。

大坂選手
「私にとって人生の“新章”なんです。今、私には娘がいて、娘以上に優先されるものはありません。娘と一緒に学び、この新たな旅に踏み出しています」
松岡さん
「“親は子どもと共に育つ”という。何が一番自分の中で育った?」
大坂選手
「自分のこと、娘のこと、自分がこれからの人生で何を達成したいのか。でもそれだけでなく、自分の考え方が全般的に変わりました」
松岡さん
「どんなふうに?」
大坂選手
「よりポジティブに」
松岡さん
「どうしてできた?」
大坂選手
「娘にどんなふうに私のことを記憶してほしいか考えています。もしくは自分が娘に何を残したいか。それでポジティブに、毎日を自分のできる限り満喫しようとしている。自分に厳しすぎずに」
松岡さん
「出産前のインタビューを覚えている?」
大坂選手
「はい」
大坂選手 2023年3月(出産前)
大坂選手 2023年3月(出産前)
大坂選手 2023年3月(出産前)
「(Q.あなたはテニス人生の第1セットで四大大会を4回勝ちました。第2セットでは何を目指す?)8回です」
「出産後に自分が四大大会をいくつとりたいと言ったか覚えている?」
「出産後に自分が四大大会をいくつとりたいと言ったか覚えている?」
松岡さん
「出産後に自分が四大大会をいくつとりたいと言ったか覚えている?」
大坂選手
「8回と言ったと思います」
松岡さん
「覚えてる!それ、どうする?」
大坂選手
「それは今も変わらず自分の目標です。私はとにかくトライしたい。高い目標を掲げて、その半分でも達成できるといい」
広告

松岡さん「テニスの向き合い方に感極まった」

松岡さん「テニスの向き合い方に感極まった」
松岡さん「テニスの向き合い方に感極まった」
徳永有美キャスター
「素晴らしい言葉ですね。『生まれ変わった』となおみさんはおっしゃってますけど、あれだけ苦しんだ時間があったからこそ今のなおみさんがある。そして、出産という自分以上に大切なわが子の人生を抱えることによって自分の人生の尊さを、道を知っているという時間なのかもしれないですね」
松岡さん
「なおみさんとずっとこれまで話をさせてもらって、やっぱり感極まったのがテニスの向き合い方ですよね。テニスをアイラブって言ったんです。愛してるって言った。それはただ単に今まで自分自身のテニスだけでなくて、相手を見極めていったりテニスの奥深さを知ったんです。これを知ったらやめられないですよ。それを知ったから彼女はグランドスラム勝てる。エイトって言いました。この力は本当に大きいなと思いました」
大越健介キャスター
「出産によって新しいステージに入って活躍されるアスリートが増えてきたのは喜ばしいと思います。なおみさんの場合はさらに伸びしろがもっとできた印象を持ちますね」
松岡さん
「動きもそうなんですけど、自分の意識の向け方、自分だけじゃなくて子どもとか相手とか、そういうことによって思考がすごく豊かになっていく。考える力っていうんですかね。すごく海外の解説の方が『ナオミイズクレバー』だと。頭のいいテニスするなっていうのが一番多かったですね」

(「報道ステーション」2025年9月12日放送分より)

広告