15日のメジャーリーグとプロ野球、注目の試合と選手を松坂大輔さんが解説します。
マルチヒットの吉田正尚 状態は?
まずはMLBのア・リーグからです。
ワイルドカード争い真っただ中のレッドソックスはヤンキースと対戦。吉田正尚選手(32)は、試合前まで10打席ヒットがありませんでした。
6番DHで出場した試合の3回第2打席、痛烈な当たりでセンター前ヒット。そして5回には、ライト前ヒットを放ち、5試合ぶりのマルチヒットとなりました。
「ヒットが出ているということは、状態が上がっているということだと思います。このマルチヒットをきっかけに、量産態勢に入ってほしいです」
吉田選手の活躍もあり、レッドソックスは連敗を3で止め、2位ヤンキースとのゲーム差を1.5に縮めました。ワイルドカード争いではヤンキースに次ぐ2位です。
「本当にポストシーズン進出も楽しみですし、そのためには吉田選手の勝負強さも必要になってくると思います」
巨人・田中将大 200勝に王手も…
続いてはプロ野球のセ・リーグからです。
一流の証しである名球会入りの条件をまもなく満たす、巨人の田中将大投手(36)。200勝まで残り1勝で、王手をかけています。15日のピッチング見ていきます。
15日こそ偉業達成へ。巨人先発・田中投手。変化球を低めに集め、DeNA打線を4回まで無失点に抑えます。
「丁寧に低めにボールを集めていました」
しかし、5回。ヒットとフォアボールで満塁のピンチを招きます。
対するは2番・度会隆輝選手(22)。レフトの丸佳浩選手(36)がダイビングキャッチ!熱盛プレーで田中投手をバックが後押しします。
「この場面も見ていましたけど、声が出るくらい興奮しました」
0対0のまま迎えた6回。巨人2アウトながらランナー2塁・3塁のチャンスをつくり6番・中山礼都選手(23)。セカンドゴロで先制点とはならず、DeNA先発・ケイ投手(30)を打ち崩せません。
そのウラ、打球はセンターへ…今度はセンター・キャベッジ選手(28)が飛びつきました!
「チームメートも何とか田中投手に勝たせようと、必死のプレーが続きました」
その後、2アウトランナー2塁・1塁となり前の打席ヒットの石上泰輝選手(24)。
「ここは映像で見ていても、緊張が伝わってくる場面でした」
ライトへの当たりが決勝点となる2点タイムリーツーベース。またも日米通算200勝とはならず。田中投手は次は21日に登板予定ということです。
球速は最速148キロ 魂を感じる投球
日米通算200勝がかかった田中投手でしたが、6回2失点のピッチングをどう見ましたか?
「序盤からとにかく低めにという意識が見えるピッチングだったと思います」
5回ではピンチの場面もありました。
「抑えどころが分かっている投手なので、そこでしっかりギアを上げられるというんですかね。序盤の丁寧さに加えて、さらに気持ちを込めて力で抑えていく姿が見られた場面でした」
球速も最速148キロが出て、魂も感じました。
「バックも盛り立ててたし。ただ、もうちょっと得点が…」
ただ、4年前にメジャーから日本球界に復帰し、おととしは手術も経験し、それでも今もなお36歳で投げ続けられるのは?
「まだ自分が試合を作れて勝てる投手だという自信や思いがないと、モチベーションは保てないと思いますし、きょうのピッチングを見ていても、それが可能だということを証明してくれました」
松坂さんは2009年のWBCでもチームメートとして戦っていたと思いますが、人柄だったり、どんな選手でしたか?
「当時の彼はまだ3年目だったので、チームのマスコットのような、いじられキャラでしたね」
次の登板は21日の中日戦の予定です。
「次のピッチングも楽しみです」
日本ハム・柴田獅子 優勝争いの中で先発
最後はプロ野球のパ・リーグからです。
日本ハムの先発はドラフト1位のルーキー・柴田獅子投手(19)。逆転優勝へ負けられない一戦のマウンドでストレートを武器に堂々たるピッチングを披露しました。
西武打線に自己最多の57球を投げ、4回途中2失点でマウンドを降ります。
打線は1点を追う6回、3番のレイエス選手(30)。左中間スタンドに飛び込む31号ソロホームラン!同点に追いつきます。
さらに15日に1軍に昇格した2番の淺間大基選手(29)。レフトスタンドへスリーランホームラン!この回、一挙7点を奪った日本ハムが3連勝です。
ドラフト1位・高卒ルーキーの柴田投手をどう見ましたか?
「初めてちゃんと見たんですけど、こんなにいいフォームだったのかと思いました。フォーム全体がしなっていて、僕はライオンズにいたので西口(文也)さんを思い出しました」
チームが優勝争いを繰り広げているなか、ここでルーキーが抜擢(ばってき)される期待感はどうですか?
「新庄(剛志)監督やチームの期待の表れだと思いますし、この先のポストシーズンでの登板も見据えてのことだったと思います」
松坂さんも高卒ルーキーで優勝争いを経験されました。
「春先の登板と夏場の優勝争いの中で投げる登板っていうのは周りから伝わる緊張感も違いますし、この状況の中で自分がどんなピッチングができるのかというのは、何よりも勉強になると思います」
柴田投手本人もプロ野球1軍の野球を学ぶ登板となったと振り返っていました。
(「報道ステーション」2025年9月15日放送分より)