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2025年10月17日 07:00

オリオールズ・菅野智之が番組生出演 ポストシーズンを解説 自身のシーズン振り返りも

オリオールズ・菅野智之が番組生出演 ポストシーズンを解説 自身のシーズン振り返りも
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 15日はオリオールズの菅野智之投手(36)が番組に生出演です。まずはメジャーリーグ15日の試合から見ていきます。

先頭打者HR許すも…衝撃のピッチング

 ナ・リーグ優勝決定シリーズで初戦を勝利したドジャース。第2戦は山本由伸投手(27)が先発しました。松坂大輔さんが、現地ミルウォーキーで取材をしています。

 14日に引き続き、ブルワーズの本拠地ミルウォーキーにやってきた松坂さん。15日に先発する山本投手の注目ポイントについて話します。

松坂さん
「今シーズンはレギュラーシーズンでの(ブルワーズとの)対戦があって、その時は初回に大量失点するという登板がありましたけど。ピッチャーの立場から言わせてもらうと、ビッタビタに抑えて、『抑えるのは当たり前だよね』と思われるよりは、投げやすいっていうんですかね。レギュラーシーズンの時の良い形、良い力の入れ具合というか、気持ちの入れ方も含め、そういう状態でまず1回に入っていけるか、そこを見ていきたい」

 第2戦も勝って、乗っていきたいドジャース。

 先発・山本由伸投手の立ち上がり。対するのはブルワーズの1番、若き切り込み隊長・チョウリオ選手(21)です。

 初球のストレートをはじき返されると、そのままスタンドイン。先頭打者ホームランで先制を許します。

 山本投手、ここからが前回の登板と違いました。後続をきっちりと打ち取り、最小失点にとどめます。

 直後の2回表、テオスカー・ヘルナンデス選手(33)のホームランで同点に追い付くと、さらにランナー1塁でパヘス選手(24)のヒットで、ランナーが一気にホームへ。逆転に成功します。

 リードをもらった山本投手。3回裏には、ホームランを打たれたチョウリオ選手と再び対決。1球目、カットボール。2球目、カーブで追い込むと、ストレートで3球三振を奪います。

 山本投手はホームランを打たれたストレートで3球三振を奪いました。

オリオールズ 菅野智之投手
オリオールズ 菅野智之投手
菅野さん
「第1打席では初球をホームランにされたので、(第2打席も)初球の入り方は難しいと思ったのですが、初球でストライクを取れたのがかなり大きかったと思います」

 山本投手は、2回以降2塁を踏ませないピッチング。さらに追い打ちをかけたのが7回表です。ランナー3塁で、大谷翔平選手(31)。20打席ぶりのヒットがタイムリー。小さくガッツポーズ。ドジャースがリードを広げます。

 そして山本投手は9回裏もマウンドへ。2アウトとし、最後はスプリットで三振。山本投手は、9回111球を投げ切り、自身メジャーで初の完投勝利です。

 ロバーツ監督も「今夜は完全にゲームを支配していた」と山本投手を大絶賛。ドジャースは5対1で勝利し、敵地で2連勝です。

完璧な投球の裏に“ある変化”

 完投勝利の山本投手について松坂さんは、次のように話します。

山本投手について
山本投手について
松坂さん
「先頭打者ホームランは嫌な試合の入り方だったんですけど、ランナーをためてヒットを打たれて点を取られるよりも、投手としては切り替えやすかったのかなと」

 1回に、いきなりホームランを許した山本。しかし、その後は無失点。5回以降はノーヒット。完璧な投球の裏には“ある変化”があったといいます。

松坂さん
「序盤は、ストレート、カットボール。中盤以降、ちょっとスプリットを増やすような感じでしたね。合間にカーブを挟んだりして、非常にメリハリの効いたピッチングだったと思います。どの球種もカウント球、決め球にもできるピッチャーなので。このメジャーレベルでも、なかなかいないですね」
山本投手
「(Q.先頭打者ホームランについて)まだ1人目だったので、ソロホームランでしたしメンタルにくることなく切り替えて投げることができた。こういった大切な試合を勝っていくことで、自分の成長につながればいい」
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菅野投手から見た山本投手の投球

 松坂さんから菅野投手へ質問が…。

「山本投手の投球どう思いましたか?」
「山本投手の投球どう思いましたか?」
松坂さん
「きょうの山本投手の投球どう思いましたか?9月に対戦した時と今の大谷選手、菅野投手から見て違いは?」
ヒロド歩美キャスター
「現地アメリカの松坂さんから2つ質問が届きましたが、松坂さんとの交流はどうですか?」
菅野投手
「2018年のオールスターの時に少し話したことがあるくらいです」
ヒロドキャスター
「先輩から質問を預かりましたが、まず1つ目ですが、山本投手のきょうのピッチングどうご覧になりましたか?」
「同じ日本人ピッチャーとしてすごい」
「同じ日本人ピッチャーとしてすごい」
菅野投手
「このポストシーズンという大きな舞台で、しかも完投という形で。ちょっとドジャースもブルペンが不安だったりとか、チームを助けたピッチングだと思いますし。自分が投げてみて3巡目、4巡目を抑える難しさというのは本当に実感しているので。同じ日本人ピッチャーとしてすごいなと思いましたね」
大越健介キャスター
「確かに先発ピッチャーは3巡目、4巡目に入る6回とかそのくらいで一つの山が来て、覚えられて継投に入るというパターンはメジャーリーグでも多いと思うんですが、4巡までいってるわけでしょ。これはやはりすごいことですか?」
菅野投手
「僕はあまりイメージがつかないというか、さっき松坂さんも言ってましたけど、序盤はまっすぐとカットが多めで中盤以降はスプリット、カーブでいっていたので、そういうゲームプランもしっかりできていたんじゃないかなと思っています」
大越キャスター
「後半、特にスプリットが切れていたし効果的だったと思うんですが、どういったところが効果的なんですかね」
菅野投手
「やっぱり大前提にストレートを使わないといけないところだと思うので、ストレートを両サイド、高低にしっかり投げ分けられたというのが好投につながったんじゃないかと思います」
大越キャスター
「時々アウトコース低めにパンといくボールがありますよね。そして、同じ球道といいますか、そこから落とすスプリットとかそこら辺の絶妙なコントロールだったなと思うんですが」
菅野投手
「おっしゃるとおりで、それが1回から9回までできていたんじゃないかなと思います」
小木逸平アナウンサー
「メジャーにおいてスプリット、落ちる球というのは結構重要なんですか?」
菅野投手
「今は必ず先発ピッチャーはないと抑えられないといっていいぐらい必要なボールだと思うんですけど。でも、最近は低めの見極めがすごく良くなってきているので、低めのストレートの重要性が重くなっています」
小木アナ
「そこも織り交ぜながらというところで生かしてと」
大越キャスター
「バッターもピッチャーも年々進化してるんですね」

菅野投手から見たバッター大谷選手

「菅野投手から見てバッター大谷選手は?」
「菅野投手から見てバッター大谷選手は?」
小木アナ
「松坂さんからの2つ目の質問ですが、菅野投手も大谷選手と今シーズン対戦していますけれど、菅野投手から見てバッター大谷選手はどうですか?」
菅野投手
「やっぱり甘い球を逃さない力というか、長打にする力というのが本当にずば抜けていると思いますし、実際に対戦してみてここまですごいんだなと思いました」
小木アナ
「甘い球というのは、投手からすると失投というんですか」
「失投を逃さない力は群を抜いている」
「失投を逃さない力は群を抜いている」
菅野投手
「失投を逃さない力は群を抜いていると思います」
大越キャスター
「ポストシーズンに入って、前のフィリーズ、ブルワーズ、なかなか調子が上がってこないようにも思うんですけどそこら辺はどうしていますか?」
菅野投手
「チームのピッチャーのレベルも上がってきていると思いますし、ポストシーズンということで集中力やアドレナリンなど、そういうものを含めてなかなか甘い球がきていないのかなと思います」
大越キャスター
「失投があれば捉えるけど、失投がなければ、狙いどおり投げられれば、大谷選手もなかなか打てないと」
菅野投手
「メジャーリーグのトップレベルのピッチャーはそう簡単には打てないと思います」
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“ターニングポイント”のレンジャーズ戦

日本の野球との違いは…
日本の野球との違いは…
安藤萌々アナウンサー
「ここで菅野投手の1年目を振り返っていただきたいんですが、1年目10勝を挙げられて、日本の野球との違いというのはどう感じられましたか?」
菅野投手
「1つはパワーですね。バッターのパワーがやっぱり違いますね。もう1つは、配球面になるんですが、日本では結構インコースにボール球を見せたりとか、見せ球とか捨て球というんですが、それをあまりよく思わないというか」
小木アナ
「誰がですか?」
菅野投手
「多分ピッチングコーチだったりとか、メジャーリーグ自体にそういうのがないのかなと思うので」
大越キャスター
「どんどんストライクを投げろってことですか?」
菅野投手
「どんどんストライクゾーンに投げろという感覚がやっぱり強いので、そこは苦労しましたね」
大越キャスター
「そのほうがデータ的に有利なんだぞってことですか?」
菅野投手
「それもあると思いますし、そもそもそんなにコントロールがいいピッチャーが少ないというか。そのボールがもったいない。それがフォアボールに結びついてしまったりとか、そういうのはちょっともったいないと感じているのかなと思うんですけど」
大越キャスター
「菅野さんのようにコントロールが良くてコンビネーションで勝負するタイプのピッチャーからすると、ちょっとそこが物足りないんじゃないかなと思ったりするんですけど」
菅野投手
「でも、シーズンの序盤、中盤くらいは結構、それに基づいてやっていたんですけど。最後のほうはやっぱり後悔しないように自分の意見も貫き通してやるようにはしていました」
ターニングポイントは?
ターニングポイントは?
ヒロドキャスター
「このシーズンを振り返った時にターニングポイントはありますか?」
菅野投手
「7月の初めにレンジャーズ戦で投げたんですけど、その直近の3試合くらいもあまり良くなくて。日本の知っているファンの方が見ていると、菅野イコール“スライダー”というイメージが強いと思うんですけど。あまり左バッターに対してスライダーを投げさせてくれなかったというか。この試合結果的に打たれてしまうんですけど、次の試合からはしっかり自分の意見を貫き通そうと。この試合も自分でこうしたいと決めてたんですけど、意見を貫き通せなかったというか気持ちが負けてしまったので」
ヒロドキャスター
「このレンジャーズ戦をきっかけに自分の考えを貫こうと思って、でも、その次の登板がメッツ戦でしたよね」
菅野投手
「その試合は自分でこうするんだと決めて、ピッチングコーチやキャッチャーにも自分の意志を強く伝えていいピッチングができたんですけど」
小木アナ
「具体的にはどの辺りを変えたんですか?」
菅野投手
「左バッターにとにかくスライダーを投げさせてくれと。入ってくる軌道を使いたいということを言って。そのボールを使わないと、どんどん左バッターは踏み込んでくるので。それは伝えました」
小木アナ
「それでチームとしても理解を得られたというか?」
菅野投手
「得られたと信じています」
ヒロドキャスター
「試合前のミーティングでは、自分はこうしますという宣言よりは、最初のほうは話し合いというか、お伺いを立てたりという形だったんですか?」
菅野投手
「こうしたいんだけどどう思う?と聞いて、向こうの意見を最終的に受け入れるという形だったんですけど。最後のほうは、結構自分の意見も強く言えたりできたと思います」
大越キャスター
「それって自分で責任を負うことにもなりますよね」
菅野投手
「そうですね」
大越キャスター
「その辺というのは相当な決意で臨んだと」
ヒロドキャスター
「自分を貫いての今シーズン10勝ということだったんですね」
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「当たり前のことを当たり前にプレー」

 15日からクライマックスシリーズのファイナルステージがスタートしました。

ヒロドキャスター
「菅野投手も何度も投げてきた舞台ですが、ファイナルで大事なことって何でしょう?」
菅野投手
「当たり前のことを当たり前にプレーするということは大事です」

 リーグ優勝の阪神とソフトバンクには1勝のアドバンテージがあり、先に4勝したほうが日本シリーズに進出できます。

 セ・リーグ王者、阪神は4回ランナー1塁でホームラン、打点リーグトップの佐藤輝明選手(26)。見逃し三振。続く5番、大山悠輔選手(30)も倒れ最多勝を獲得したDeNA先発、東克樹投手(29)を打ち崩せません。

 0対0の6回ランナー2塁とした阪神。ここで盗塁王・近本光司選手(30)が3塁への盗塁でチャンスを広げると、打席には打点リーグ2位の3番、森下翔太選手(25)。タイムリーヒットで先制点を奪います。

 2対0の7回、50試合連続無失点記録を樹立した3番手、石井大智投手(28)が一発出れば逆転のピンチを背負い、対するは代打、フォード選手(33)。逃げ切った王者・阪神大事な初戦を2対0で制しました。

ヒロドキャスター
「リーグ優勝した阪神が初戦を制しました。菅野さん、きょうの試合の鍵、キーマンを教えてください」
菅野投手
「やっぱり阪神の森下選手だと思います」
ヒロドキャスター
「東海大相模の後輩ですもんね。高校の後輩でもある森下選手がきょう先制点を放ちましたが、去年までも日本で対戦があったと思いますが改めてどんなバッターでしょうか?」
菅野投手
「ここぞという時の集中力、得点圏であったりとか勝負どころでの集中力は本当にすごいバッターなので。そういうところに回さないように気を付けていました」
ヒロドキャスター
「ランナー背負った時が怖いぞということですね。この試合、森下選手にとっては初めての得点圏での打席でしたがどうご覧になりますか?」
菅野投手
「阪神は1、2番の出塁が鍵になってくると思うので。きょうは投手戦で、チャンスが少ない中でワンチャンスをものにした形でした」
ヒロドキャスター
「まさに1番近本選手が出塁して、2番中野選手が送って、チャンスで森下選手に回ってくるということですね」

 セ・リーグのファイナルステージは阪神が2勝目となりました。

菅野投手の来季は?

 リーグ優勝をかけ死闘を繰り広げたソフトバンクと日本ハム。

 0対0で迎えた7回。ソフトバンクは先頭の野村勇選手(28)。左中間へ均衡を破る先制ソロ。1点をリードします。

 一方、日本ハムは直後の8回3番、レイエス選手(30)がホームラン。パ・リーグホームラン、打点の2冠の男がこのひと振り!すぐさま同点に追いつき延長戦に突入します。

 10回、ソフトバンクの4番手、藤井皓哉投手(29)が一打勝ち越しのピンチを招き対するは水谷瞬選手(24)。ここを踏ん張り日本ハムに得点を与えません。するとその裏、満塁のチャンスで打席には7番、山川穂高選手(33)。その初球、サヨナラタイムリー。ソフトバンク、2対1で初戦をものにしました。

ヒロド歩美キャスター・菅野智之投手・大越健介キャスター
ヒロド歩美キャスター・菅野智之投手・大越健介キャスター
ヒロドキャスター
「きょうは菅野投手にお越しいただいてたっぷりお話を聞いてきましたけど、スタジオ出演のイメージがあまりなくて、きょう改めていかがでしたか?」
菅野投手
「本当に来ようか迷ったんですけど(笑)」
ヒロドキャスター
「危ないところでした!」
菅野投手
「でも、本当に貴重な経験をさせてもらって勉強になりました」
ヒロドキャスター
「貴重なお話ありがとうございました」
大越キャスター
「解説をするというのは自分の野球のスキルを高めることにもなるんですか?」
菅野投手
「そうだと思います」
大越キャスター
「菅野さんは1年契約でオリオールズに行きました。気になるのは来季、どういう形でプレーをされるのかというところなんですが」
来季は…
来季は…
菅野投手
「まずはアメリカでプレーするというのを考えていて。今年10勝はできましたけど、自分の中で納得できる形ではなかったので。来年は本当に自分が納得できる形で胸を張って日本に帰ってこられるように。また『報道ステーション』に呼んでもらえるように」
小木アナ
「ぜひ来てください!」
ヒロドキャスター
「今夜はたっぷりとお話をありがとうございました」

(「報道ステーション」2025年10月15日放送分より)

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