23日、プロ野球・西武のファン感謝イベントに、メジャーリーグ移籍を目指す今井達也投手(27)が登場しました。
涙…背中を押してくれたファンに別れ
ファンとの別れを惜しみながらおよそ5時間、最後のふれあいを楽しみました。球場を後にする際には涙を見せました。
「ユニホームを着たり、グッズを持って球場に足を運んで下さったファンの方が予想以上に多かったですし。応援して下さる方が日本にもたくさんいることを忘れちゃいけないと思いました」
感謝を胸に大舞台へはばたく今井投手。西武の大先輩・松坂大輔さん(45)が話を聞きました。
「ドジャース倒したい」球団選びのポイントを独占告白
14日、2020年から2年間、西武でチームメートだった今井投手と松坂さん。共に甲子園優勝投手で西武の高卒ドラフト1位。さらに、20代でポスティングでのメジャー挑戦と同じ道を歩んできました。
早速、話を聞いたのは気になる今後の球団選びについてです。
「ドジャースのようなワールドシリーズ優勝を狙えるチームか、ドジャースを倒しにいくのか、何かイメージあります?」
「倒したい、どうせだったら。大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手と一緒にプレーするのも、もちろん楽しそうだなと思うが。ああいうチームに勝ってワールドチャンピオンになることが、自分の人生にとって一番価値がある」
「どのチームのユニホームを着ているのを見たい?」
「レッドソックス」
「僕もどっちかというと(日本人と)『投げ合いたい』。イチローさんがマリナーズにいた。『イチローさんと一緒にやりたいな』という気持ちもあったが、『対戦したい』という気持ちの方が強かった」
「プレーヤーとしては『対戦したい』気持ちの方が強い」
「一緒です」
さらに、日本人のいないチームを望むのにはもう一つ、今井投手らしい理由がありました。
「(日本人がいたら)先にアメリカに行っているので、聞いたら何でも教えてくれる。『俺はこうやっていた』と教えてくれる。それはあまり望んでいない。サバイバル感を味わいたい。文化の違いに直面した時に、自分でどう乗り越えていくか楽しみ」
メジャーで通用する唯一無二の武器は「高めのストレート」
そしてこの先、海の向こうでは世界屈指の強打者たちが待ち受けています。
「自分のピッチングの中で、どのボールが一番通用する?」
「ストレート。低めを狙わない。常に高め。キャッチャーのマスクぐらいの高さ」
一般的に最も打ちにくいとされるコースは、バッターの目から遠い低め。ではなぜ、今井投手は高めのストレートがメジャーで通用すると考えるのでしょうか?
「身長もリリース(ボールを離す手の位置)も低い。日本人の平均身長よりメジャーリーガーの平均身長の方が高いはず。低いリリースから常に高めに投げるストレート。下から突き上げていくようなライン」
「僕も一緒で、メジャー行ったらローテーションピッチャーの中で見上げながら喋っているので」
メジャーのピッチャーの平均身長は189センチ。日本のピッチャーに比べ、7センチもの差があります。
では、メジャーのピッチャーと今井投手。ストレートの軌道はどう違うのでしょうか?
身長190センチ以上、メジャーのピッチャーが上から投げ下ろす場合と、身長180センチの今井投手がより低い手の位置から投げた場合を比べると、今井投手のストレートは高低差がありません。
バッターから見ると、今井投手のボールはまるで浮き上がってくるかのように見えるといいます。さらに、こんなデータもあります。
今シーズン、外国人バッターに対し、高めのストレートで空振りを奪った割合は12球団の先発ピッチャーの中でダントツ。だからこそ、高めのストレートは今井投手にとって、メジャーでも唯一無二の武器になるのです。
「投げる時にメジャーのバッターは、基本的には上から下への角度のストレートばかり見ているので。日本人の背の低いピッチャーが投げる、下から浮き上がってくるような軌道は(メジャーの打者が)見慣れていない」
「対戦したいバッターはいますか?」
「やっぱり大谷翔平選手ですね」
「そこはドジャースを倒しに行くぞと」
「自分のストレートがどこまで通用するのか、大谷翔平選手に対して投げてみたい」
唯一無二の武器で果たしてどのユニホームを着るのか。茨の道を行きたいというところが頼もしい今井投手。交渉期限は日本時間来年の1月3日です。
(「報道ステーション」2025年11月24日放送分より)









