スポーツ

報道ステーション

2025年12月4日 07:42

フィギュア17歳新星・中井亜美 憧れから武器になったトリプルアクセル「友達みたいな感覚」

フィギュア17歳新星・中井亜美 憧れから武器になったトリプルアクセル「友達みたいな感覚」
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 4日から名古屋でグランプリファイナルが開幕します。今大会はミラノ・コルティナオリンピックの代表選考に関わる重要な大会です。注目は、中井亜美選手(17)。突如、現れた17歳の新星を松岡修造さんが取材しました。

トリプルアクセル 構えの時点で「絶対できる」

 デビュー戦は、衝撃的でした。

実況
「中井選手149.08!自己ベストを11点以上を超えて、そしてなんと坂本花織を超えた!!!」

 グランプリシリーズ初出場で初優勝の中井選手。シニア転向1年目にもかかわらず、昨シーズンのグランプリファイナル・世界選手権の金メダリストたちを上回るスコアをたたき出しました。

 この快挙を象徴するシーンがショートプログラム。シニアのグランプリシリーズで跳ぶ、初めてのジャンプ。

 完璧な大技「トリプルアクセル」。勢いそのままに、グランプリファイナルの切符をつかみました。

松岡さん
「中井選手トリプルアクセル。来た!速い回転でしたね!」
公開練習に詰めかける取材陣
公開練習に詰めかける取材陣

 ニュースターの登場に、公開練習の日にはびっちり取材陣が。注目度は日に日に増しています。

松岡さん
「最初のショートで、トリプルアクセルを成功した感覚はどうでしたか?」
中井選手
「構えの時点で『これ跳べる』と分かってて」
松岡さん
「跳ぶ時に分かっちゃう?」
「構えの時点で『これ跳べる』」
「構えの時点で『これ跳べる』」
中井選手
「この時に分かるんですよ、構えの時点で」
松岡さん
「だって、まだ跳んでないですよ」
中井選手
「跳んでないんですけど、『絶対できる』って感じで」
松岡さん
「フィギュアへの憧れはいつぐらいからですか?」
浅田真央さんへの憧れを語る
浅田真央さんへの憧れを語る
中井選手
「5歳の頃に、たまたま浅田真央さんがテレビに映ってて、トリプルアクセルを跳び続けている姿をずっと見てきていた。自分もそうなりたい。キラキラ輝いてるなと」
松岡さん
「キラキラ?」
中井選手
「キラキラ感じました」
5歳からフィギュアスケートを始める
5歳からフィギュアスケートを始める

 浅田真央さんに憧れ、5歳の頃に出身地・新潟でフィギュアスケートを始めた中井選手。「いつかトリプルアクセルを跳びたい」。そんな思いを胸に、練習を積み重ねてきました。

練習を積み重ねてきた
練習を積み重ねてきた
中井選手
「痛い転び方をしてからは少し恐怖心が出てきたんですけど、やっぱりどうしても着氷したかったので、頑張って必死に跳んでいた」
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憧れから武器へ「難しいジャンプじゃなくなった」

 今では最大の武器となった「トリプルアクセル」。なぜ大舞台で決められるまでに成長できたのでしょうか。

 中井選手を指導する中庭健介コーチはこのように話します。

中庭健介コーチ
中庭健介コーチ
「ジャンプは基本的に、高さ、回転速度、体重移動のこの3つがとても大事な要素。その中でやっぱりパワー的に、自体重を上にボンと上げる力は女子選手は難しいと思ったので。今一番は高さではなく回転速度」
松岡さん
「高さじゃないんですか?」
中庭コーチ
「高さはもう捨てましたね」

 必要なのは、ジャンプの回転速度を上げること。そのヒントが、陸上トレーニングにありました。足元を見てみると、何かに乗っています。

中庭コーチ
「スピナーというんですけども、1年半前から本格導入しました」
バレエの練習で使用される
バレエの練習で使用される

 スピナーは、上部がくるくると回るようになっていて、この上に乗ることでジャンプの回転に必要な体の軸が作れるというもの。バレエの練習で使われている道具なんです。実際にやってみると…。

「スピナー」に乗る松岡修造
「スピナー」に乗る松岡修造
松岡さん
「こう回ればいいんですか?」
「回った時に、遠心力で振り回されちゃう」
「トリプルアクセルの質もすごく良くなった」
「トリプルアクセルの質もすごく良くなった」
中井選手
「氷上の感覚と回転速度が似ている。アップの時とかにイメージがしやすくなりました」
「低空飛行でも、回転の速さがあれば着氷できる。他のジャンプの安定感、トリプルアクセルの質もすごく良くなったと思います」

 技術だけでなく、もう一つ大事なポイントがトリプルアクセルの捉え方。

トリプルアクセルの捉え方
トリプルアクセルの捉え方
中庭コーチ
「(トリプルアクセルは)特別な人が特別にやっていた技術というイメージがどうしてもついている。伊藤みどりさんしかり、浅田真央さんしかり。上の存在じゃなくて、並列でいる感覚がとても大事」
中井選手
「トリプルアクセルが難しいジャンプじゃなくなった感じがした。前までは先輩みたいな感じ」
松岡さん
「トリプルアクセルさんが先輩!?こういう感じだったんだ。『先輩!』って」
「前までは先輩みたいな感じ」だったが…
「前までは先輩みたいな感じ」だったが…
中井選手
「だったんですけど、今は友達みたいな感覚」
松岡さん
「トリプルアクセルがですか?」
中井選手
「はい」
松岡さん
「友達になれたんですか?おめでとうございます!」

(「報道ステーション」2025年12月2日放送分より)

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