4日、名古屋で開幕するフィギュアスケートグランプリファイナルです。来年のオリンピック代表選考にも大きく関わる大事な今大会。大注目なのが、6人が出場する女子シングルです。現地の最新情報を松岡修造さんが取材しました。
大技組の中井亜美、渡辺倫果、A.グレン
今大会の女子シングルは大混戦です。大きく分けて特徴が3対3と分かれます。トリプルアクセルを武器とする“大技”組が中井亜美選手(17)と渡辺倫果選手(23)、アンバー・グレン選手(26)。そして、演技の“完成度”で勝負するのが坂本花織選手(25)とアリサ・リウ選手(20)、千葉百音選手(20)。さあ、どんな勝負になっていくのでしょうか。
まずは大技組。今シーズン、鮮烈デビューを飾った中井選手は、シリーズ開幕戦フランス大会では坂本選手に勝ち、いきなりの優勝。最大の武器はトリプルアクセル。磨きをかけ、今や友達と言えるほど得意になりました。
「フレンドトリプルアクセルどうですか」
「若干けんかしてる時もあったんですけど、最終的には仲良くなれたので、跳ぶ前に自信もって跳べば大丈夫かなと思います」
さらに、渡辺選手もトリプルアクセルが武器。ショート、フリー合わせて計3本挑戦することを明言しています。
「自分の中で信じてやれることができれば、おのずと結果はついてくる」
大技組の最後がアメリカのグレン選手。去年のファイナルではトリプルアクセルを決め金メダルに輝いた実力者です。
完成度組の坂本花織、A.リウ、千葉百音
一方、大技に対し演技の完成度で勝負するのが坂本選手とリウ選手、千葉選手の3人。
まずは坂本選手。自慢のスピードとジャンプへの滑らかなつなぎで加点を量産。芸術性を評価する演技構成点では他を寄せつけません。
「花織さんは今シーズンで引退を決断しています。残したいもの、それは大技がなくても女王になれるということ。出来栄え点、完成度、すべてにおいてトップを目指していきます」
「(最後のグランプリファイナル)自分のスケートを精一杯出せたら、それでいいかなと思っています」
さらに昨シーズン、坂本選手を破って世界女王に輝いたアメリカのリウ選手。初のファイナル制覇を虎視眈々と狙います。
「去年は常に笑顔だったと思います。私もあなたのような笑顔でいたいです」
「あなたはいつも笑顔じゃない!私のほうこそ見習うわ」
最後が千葉選手。実は出場する6人のうち唯一、グランプリシリーズ2勝。2大会通じてミスがほぼないという抜群の完成度を誇ります。
3日の練習でも次々にジャンプを成功させます。なぜ失敗しないのか。アスリートが避けては通れない緊張、その向き合い方が独特なんです。
「試合では言い過ぎかもしれないですけど『時に人間をやめないといけない時もある』っていう」
「『人間をやめる』はどうして出てきたんですか?」
「緊張感はネガティブではなく、なるべくポジティブに捉えたいなと思っている。緊張すると色んな症状が出てくる。口が乾きやすくなるとか」
「顔が怖くなるとか、それはいいことではないですか」
「そういうのが出てきた時に、緊張を過剰に受け取るでもなく、緊張していないと過小に受け取るでもなく、気持ちや体が準備段階に入っていると捉えて、最近はそう思うようにしてます」
その真意は緊張をネガティブではなくポジティブに捉えることでした。
「ファイナルの緊張はどんなものでしょうか?」
「気にしないと思うほど気にしちゃうので、あえて言いますけど。ファイナルから五輪選考が関わるので、そこはしっかり『ファイナルは緊張するよな』と受けとめて、恐れずしっかりやっていきたいと思います」
(「報道ステーション」2025年12月3日放送分より)







