2 16日、楽天への入団会見を終えた前田健太投手が、1年ぶりにスタジオに登場しました。
前田健太にズバリ聞く!MLB移籍を目指す日本人選手
改めて戻ってきていかがですか。
「帰ってきたなという感じですね。(スタジオは)緊張するんですよ。めちゃくちゃ気持ちが引き締まります」
前田投手が描いたMLB移籍目指す選手
前田投手と、メジャーリーグの気になるニュースを見ていきます。現在、ヤクルトの村上宗隆選手(25)、巨人の岡本和真選手(29)、西武の今井達也投手(27)、西武の高橋光成投手(28)がポスティングシステムでMLB移籍を目指しています。
交渉期限でみると、最も早いのが村上選手で23日です。そして、今井投手は来月3日。続いて岡本選手と高橋投手は来月5日です。
大物選手から決まるといわれるメジャーの移籍市場。実は、まだまだ大物選手が残っているんです。
MLB公式が発表したFAランキングで1位なのが、カブスからFAの外野手・タッカー選手(28)。さらに、2位はレッドソックスからFAのサードのブレグマン選手(31)です。4位のブルージェイズのビシェット選手(27)は、ワールドシリーズで大谷選手からホームランを放った選手です。
そして、5位はヤンキースのベリンジャー選手(30)。ドジャース時代の前田投手とはチームメートでした。どのような選手でしたか?
「走攻守そろっている素晴らしい選手ですし、僕はドジャース時代めちゃくちゃ仲良かったです」
これら目玉選手の所属がいまだ決まらない中で、日本人選手がどの球団に移籍するのか注目となってます。公式でランキングが出てきましたが、そうなると日本人選手が決まるというのはまだ先なのでしょうか?
「大物選手から決まらなくても大物選手が取れない球団もたくさんあるので、意外と先にそうではない選手が決まったりする場合もある。そこまで長引かないと思いますし、ポスティングは期限があるので、その中で決まるので、もう少しで選手が続々と決まっていくかなと思います。恐らく期限が迫っている選手はオファーが届いていると僕は思っています」
当時、前田投手はどのような状況でしたか。
移籍について振り返る前田投手
「僕の場合は数球団からオファーをいただいていて、その中で細かい契約を詰めながら最終的に自分がどの球団に行きたいか決断するんですけども。恐らく、村上選手ももうすぐですけど数球団からオファーが届いていて、あとは細かいところを詰めている段階ではないかなという…予想ですけど」
細かいところを詰めていく中で、検査などはあるのでしょうか?
「僕の場合は身体検査を先にやったんですけど、基本的には球団が決まってから身体検査を行うので。やっぱりそこで破談になってしまっている選手とかも何件か見たことがあります。そのリスクはあるんですが、野手の場合はけがというか身体検査で契約がなくなるということは少ないのではないかと思います。投手のほうが、リスクがありますね」
前田投手の代理人が、15日に番組でも紹介したボラスさんでした。今井投手と岡本選手も同じくボラスさんが代理人です。
「素晴らしいエージェントですね。少し勘違いされている方もいると思いますが、すごく選手のことを考えてくれる代理人ですし、選手ファーストで選手の意見をたくさん聞いてくれて。僕もフリーエージェントになった時はお世話になりました。本当に頼りになる存在でしたね」
選手のことをよく研究して、よく知っていて、その情報の意思疎通が球団とできるというエージェントの存在は本当に大きいですね。
「大きいですね。球団が持っていないデータとかも持っていて、選手の強みを持って球団にオファーをかけてくれるので。選手側からするとすごく心強いですし、『契約がないのではないか』という不安を取り除いてくれる代理人でしたね」
10年前との違いは?「空振りとれるパワーピッチャーが主流」
ここで今年メジャー挑戦する日本人選手ですが、ピッチャーでは西武・今井達也投手と高橋光成投手になります。特に、今井投手は代理人がボラスさんです。今井投手の魅力、評価は。
西武 今井達也投手
「たくさんあると思いますが、まずストレートの球速が速いこと。そして変化球で空振りが取れるところが魅力。今、メジャーですごく評価されるピッチャーというのは空振りがとれるピッチャー。今井投手の評価はメジャーリーグの中でもすごく高い部類に入ると思います」
「空振りの取れる」投手が評価されるというお話があったが、アメリカと日本では評価のポイントが違うのか、それともアメリカでも時間とともに変化しているのでしょうか。
「ベースの評価はそこまで日本とアメリカでは変わらないと思うんですけど、アメリカのほうがもう少し細かくデータを見ているかと思いますね。球質だったり球速だったりというところも見ていますし、僕がポスティングしたのは約10年前なんですけど、10年前とはピッチャーの評価が少しずつ変わっていると」
前田投手はどういったところが高い評価だったのでしょうか?
「僕も変化球で空振りが取れるピッチャーでしたが、10年前の先発ピッチャーの評価って小さい変化で球数少なくバッターを打ち取っていくゴロを打たせられるピッチャーの評価が高かった」
「今はバットに当てさせない空振りが取れるパワーピッチャーが主流になってきているので、球速があっていい変化球がある。空振りが取れるボールがたくさんあるというところがピッチャーとして魅力になってくる。そういうピッチャーのほうがFAになった時にランクとしては高くなっている」
時代とともに変わっているということですね。そして、バッターでは岡本選手と村上選手になりますが、2人については?
「ピッチャーと違ってポジションというのがやっぱり野手の人にもあるので。求めているチームがこのポジションにはまるか。岡本選手だったり村上選手のポジションが空いているチームがオファーをかけると思います」
「どうしても欲しいという場合はレギュラーを動かしてとりにいく可能性もあるので。ピッチャーと違って先発ピッチャーであれば5人という枠がありますが、野手はポジションに1人なので。そのあたりでチーム選びは重要になってくる」
やはりざっくりいくと、バッターはこういう人がいいというのは…。
「やはりホームランですね。長打が打てる選手というのが重要になってくるので。この2選手は長打力がありますし、コンタクトもできるので、すごく評価が高くて。メジャーリーグでプレーするにあたって、僕もどれぐらいホームランが打てるのかというのは楽しみな存在です」
田中将大から受け継いだ18番「このチームで優勝したい」
ユニホームには18番の背番号
ここまでメジャー挑戦する日本人選手について聞きましたが、ここからは何といっても“楽天イーグルス”の前田投手に話を聞きます。背番号は「18」。この番号への想いは?
「すごく迷いましたね。この18番を着けるかどうかが僕の中で一番迷ったところで、楽天イーグルスの18番といえば田中将大投手ということで。球団もそうですし、ファンの人の思いもあると思うので僕自身が着けていいのかと悩んだ部分ではあるんですが、この18番を着けて僕はイーグルスファンの人にも認めてもらえるような姿勢や、野球に対する情熱を持ちながらプレーして、いつか認めてもらえるように努力していきたいと思って18番を着けることを決意しました」
田中投手と話はしたのですか?
楽天在籍時 田中将大投手(2024年)
「連絡しました。18番着けても大丈夫かなと。『もちろん、いいよ』って言ってもらえましたし、『気にしてくれてありがとう』って言ってもらえたので」
「彼の今まで築き上げてきた功績もあるので、僕はその思いもしっかりつなぎながら、より一層、チームのためにこの18番というものを大きくできるように頑張っていきたい」
11年ぶりの日本球界復帰になりますが、楽天に決めた一番の決め手は何だったのでしょうか。
「一番は先発ピッチャーとして必要としてもらえたことです。やっぱりGMから『一緒に頑張ろう。一緒に優勝しよう』と声をかけてもらって。優勝を目指しているチームの中で先発投手として評価していただいて必要だって言ってもらえたのは、すごく僕自身うれしかったですし、このチームで優勝したいって思ったので決断しました」
しかし、ローテーション先発ピッチャーとして守るとなると10勝以上、2桁いきたいですよね。
「いきたいです。それは必要だと思っています。評価していただいて帰ってきたので、チームに貢献して2桁以上の勝利と規定投球回数っていうのは僕自身、最低限クリアしないといけない数字だと思っています」
一方で、年齢を重ねていく中で、先発の柱の1人として回り続けることになると思います。オフの過ごし方や、キャンプも含めて、どうやって体をもう1回作っていくお考えですか。
「本当に今、体の状態がすごく良くて。年齢を感じないぐらい調子がいいんですが。新しいトレーニングを始めたりとか。しっかりと体のことを気を付けながら食事だったり、サプリメントだったり。正直、年齢を言われることはたくさんあるんですけど、僕自身年々若くなっている」
今までのキャリアの中で、今は自分の調子はどのぐらいのレベルにありますか?
「今、一番いいぐらい。ここ数年で一番いいですし。若い時よりウェートトレーニングの重量でいうと今が一番、重い重量を上げることができているので」
古巣の広島カープとは「死ぬ気で勝ちに」
田中投手の話も出ましたが、田中投手は日米通算200勝を今年達成しました。前田投手も目標にされる数字だと思いますが。
「僕自身も正直一番大きなモチベーションといいますか、200勝を目指して頑張っていますし、田中将大投手の200勝を僕も映像で見てすごくうれしかった。すごく刺激ももらったので、次は自分の番だと。僕もそこに届くように、何とか頑張っていきたい。そのためには来シーズンすごく大事になってくる。とにかくたくさん勝ち星を積み上げられるように勝負していきたいですね」
複数年、2桁くらいの気持ちがあるということでしょうか。
「あと35勝なので、1年で達成できる数字ではないのです。やはり来年、すごく勝負になってくると思うので。まずは2桁以上勝たないと見えてこないかなと思います」
来年の交流戦では古巣の広島カープと対戦することもあるが、そこへの思いは?
「僕自身、カープに対して投げるとなると、敵とは思えないですよね。なので交流戦でも、日本シリーズでも会いたいと思います。僕はイーグルスの一員になったので、絶対負けないし、死ぬ気で勝ちにいきます」
実は、新天地での目標を絵に描いてもらいました。
“新天地での目標”
「目標は日本一で。僕、野球人生でうれし涙を流したことがないので、うれし涙を流したいです」
楽天優勝の瞬間を書いていただきましたが、日本に帰って日本のプロ野球ファンにひと言ありますか?
「やっぱりもう一度日本のファンの皆さんの前で投げられるのはうれしい。熱いピッチングを皆さんに見ていただきたい。ぜひ、応援してください。よろしくお願いします!」
(「報道ステーション」2025年12月16日放送分より)