オリンピックでの活躍が期待されているフィギュアスケートの坂本花織選手(25)と千葉百音選手(20)。実はこの2人、今シーズンそれぞれに涙の物語がありました。松岡修造さんがその思いに迫りました。
現役ラストシーズンの「涙」
先月の全日本選手権。演技を終えた坂本選手の目には大粒の涙が、あふれていました。
「今シーズンはよく泣かれましたね」
「本当ですね。もう干からびました」
「今回の全日本で初めて、『自分は来年この場にいないんだ』と実感してしまって、声援の真ん中に自分がいられるありがたみが急に押し寄せてきて、自分なんて幸せ者なんだって思って」
現役ラストシーズンは「涙」とともに歩んできました。戦ってきたのはオリンピックへの重圧…。
そんな中で見せた全日本での涙。5連覇を果たし3度目のオリンピックをつかんだ坂本選手。
その姿を見届けていたのが、同じく現役引退を表明していた樋口新葉選手(25)と三原舞依選手(26)。
ライバルとして同じ時代を戦い、ともに日本のフィギュア界を引っ張ってきました。
「(樋口選手と三原選手は)小学生のころから一緒に戦ってきたメンバーなので、三原選手は今まで、毎日毎日一緒に練習して切磋琢磨してきた仲間でもありますし、樋口選手は試合で会えば今の近況報告して、『お互い頑張ろう』みたいな感じで励まし合ったりしていて。全日本の試合前も結構不安が大きかったので、樋口選手がいるところに行ってハグを求めて『私も頑張れたしできたから、絶対かおちゃんできるよ』と言ってくれて、それがすごく響きました」
「このオリンピック何を残したいですか?」
「大技にチャレンジできなかった選手でも勝てるチャンスはいくらでもあるんだっていうのを証明したい。それをオリンピックでは目指してやれたらなと思っています」
見つけた強さ「ありのままの自分で戦う」
そしてもう一人、印象的な涙を見せたのが千葉選手。ひと月前は、失意のどん底にいました。
涙のきっかけは、このインタビュー前日まで行われていた、グランプリファイナルでの出来事。
オリンピック代表選考がかかっていたこの試合。ここまでGPシリーズ2連勝(第3戦、第6戦ともに優勝)と絶好調だった千葉選手は、このショートでも会心の演技。自己ベストをマークし首位発進!
これまで届かなかった世界一の壁を越えるチャンスが訪れていました。
しかし、翌日のフリー。結果はまさかの5位…。
「フリーはどんな百音さんでしたか?」
「弱い自分が出ちゃいけないとか、出しちゃいけないって考えすぎて、自分の弱いところを認められないまま本番に臨んでしまった」
実は千葉選手、これまでは自らを奮い立たせる手段として強い言葉を口にしてきました。
この意識が、千葉選手を苦しめる結果となっていたのです。
「はっきり言います。必ず同じことが起きますよ。緊張感はやってくるんです。その緊張をどうコントロールしていくのか」
「今回みたいな緊張してる自分を認めずに逃げると緊張が暴走する。自分の弱さを認めてこそ本当の強さなんだなって」
「頑張って『人間やめなきゃいけない』ではなく、自分自身で戦っていいんだっていうふうに僕は聞こえました」
見つけた強さは、「ありのままの自分で戦うこと」。そこから2週間後に行われた全日本。オリンピックへのラストチャンスとなる舞台では演技直前にもかかわらず、笑顔を見せます。
「自分の流れを持つためにも、緊張をあえて出しにいった」
グランプリファイナルで転倒したジャンプは着氷!自らの壁を乗り越えた姿で、次なる舞台、初のオリンピックに挑みます。
「怖さはあったんですけど『常に自分と対峙し続けよう』という強い気持ちでいけた。自分を信じてやり抜くことができたので、ほっとしています」
「全日本も緊張していたと思います。でも、そこで逃げなかった」
「あとは上がっていくしかないっていう、そういう決心はあります」
(2026年1月20日放送分より)









