日本プロバスケのBリーグで初のドラフトが1月29日に開催される。
ドラフトへの参加資格を持つ26チームのうち、23チームが参加する。
今回のドラフト導入にどのような期待や課題があるのだろうか。
男子バスケ元日本代表選手であり、現在は白鴎大学男子バスケ部の網野友雄監督にお話を伺った。
第1回目のドラフトは108人がエントリー
2026年10月から11年目のシーズンを迎えるBリーグは『B.革新』を掲げ、「B.PREMIER」・「B.ONE」・「B.NEXT」という新しい枠組みで新たにスタートする。
「B.PREMIER」には練習環境やホームゲームの平均入場者数などの基準をクリアした26チームが参加する。
「B.PREMIER」ではBリーグとして初めてドラフト制度が導入され、18歳〜24歳の選手、108人がエントリーした。
ドラフト参加クラブは23チームで指名順1位はサンロッカーズ渋谷に決まっている。
今までのクラブの選手の獲得の仕方は、各クラブのスカウトが大学や高校のリーグ戦等を見ながら有力な選手に声をかけ、双方に同意のもと契約を結ぶというパターンが多かった。特別指定の制度を使い、短期間クラブに所属することでクラブと選手が双方に見極めていた。
今回のドラフト制度では事前にクラブの指名順位を決定し、1位から順番に選手を指名していくウェバー方式を導入する。これはNBAと同じ指名の仕方だ。
選手の獲得方法や報酬が大きく異なってくる状況になり、Bリーグのクラブや、選手を輩出する大学などはどのように考えているのだろうか。
網野友雄監督
「1巡目が埋まるのかなってシンプルに頭をよぎった」
網野監督は、男子バスケットボール元日本代表、U-22男子バスケットボール日本代表のアシスタントコーチを経て、現在は白鴎大学教育学部で教鞭をとりながら男子バスケットボール部の監督を務めている。
白鴎大学男子バスケ部は第77回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ2025)で優勝し、2年ぶりに王座を奪還した。
プロを目指す選手を育てたり、プロの試合で解説を務めるなど、Bリーグに精通した網野監督から見たドラフトはどんなものかお話を伺った。
選手にとってのメリットとデメリット
ドラフト制度が導入され、選手側として大きく変わり、デメリットとなりそうなのは所属クラブを選べないという点だ。
「今までの自由競争の中で選手が声をかけてもらったチームを選んで(Bリーグの)環境に飛び込めるようなことができなくなることに関しては、かわいそうだなと思う。同じプレミアのクラブでも、アリーナや練習場所などの水準がまだ多少上下がある」
選手が各クラブに求めることは『環境』だという。
「B.PREMIER」に参入する条件の1つに、「ウエイトトレーニング施設が練習場(バスケットコート)から隔離している場合には練習場から移動距離3km以内の立地である」ことがある。
「例えば、理想は同じ建物の中に練習場とウエイト場がシューズを脱がなくても行ける場所にあること。そういう部分が整えばどこのチームに行っても納得するんじゃないかなと思います。」
プロになりたい選手としては大きなメリットもある。
「門が開けるっていうところと、自分がプロになりたいということを意思表示できるというところはいいところだと思います」
今までBリーグのクラブに加入するためにはスカウトの目にとまらなければならず、高校や大学で活躍しないとプロになるのは難しかった。しかし、ドラフト志望届を出し、2025年12月に行われたドラフトコンバインのような場で自分をアピールできるようになったことで、社会人チームに所属する選手や大学の下部リーグでなかなかアピールができなかった選手など、多くの選手が目にとまりやすくなった。
また、選手はドラフトの日にプロになれるかどうかが決まる。
「指名された選手に関しては、親族や幼いころから関わってきたコーチらが同じ日に知って、おめでとうと言うことができる。残酷だけど、指名されなかった選手は今年はプレミアは無理なんだと次を考えないといけない。それがはっきり分かる日になるのは良いところですよね」
Bリーグのクラブへの影響は
「B.PREMIER」に参入するクラブにはどんな影響があるのだろうか。
「1巡目(指名した選手の)1800万円っていうサラリーが現状ではちょっと高いかなっていう感じがします」
現在のBリーグで1,2年目の選手が活躍し、チームの中心となっていくことが少ない中で、ルーキーに支払う額としては多いのだろう。果たして、23チームが1巡目で指名するのだろうか。
Q. 何チームくらいになりますかね
契約の壁も立ちはだかる。ドラフト指名選手は原則2年契約だ。
「ドラフト指名した選手は2年しか保有できないので、ちょうど育ってきたぐらいの選手を他のチームは取れる(交渉できる)っていう感じ。今のBリーグクラブだったら、その1800万円にちょっと足せば取れる(くらいの収入がある)と思う。そしたらドラフトで無理やり取らなくてもいいよねっていう思考にもなりかねないですよね」
現在のB1で上位を走る3チームがドラフト不参加となった要因の1つになっているのだろうか。
「各チーム事情はあるでしょうけど、そういう途中の移籍を狙っていたり、名古屋ダイヤモンドドルフィンズみたいにユースがうまく育成できていたり、いろいろなパターンがあると思います」
今回ドラフト不参加の宇都宮ブレックスのアンバサダーも務める網野監督。
「(宇都宮は)若手の選手が上手く育ってきているのもあるんじゃないですかね。世代交代がちゃんとできているっていう」
各チームが戦力強化や経営面など、いろいろな戦略でドラフトに臨んでいるのだろう。
Bリーグのファンは自分が応援するチームがどんな選手をとるのか予想するのも1つの楽しみ方だ。





