スポーツ

2026年3月13日 07:00

強豪・AZ-COM丸和MOMOTARO’S チーム一丸で目指すリーグワン昇格

強豪・AZ-COM丸和MOMOTARO’S チーム一丸で目指すリーグワン昇格
広告
4

 創部12年、近年その頭角をあらわし、トップイーストの春季トーナメントを優勝。そして、秋のリーグでも王座に輝き、2冠を達成。さらに、リーグワン参入への登竜門、全国社会人トーナメントに挑む「AZ-COM丸和MOMOTARO’S」。

 物流の世界で日本一を目指す「桃太郎便」で知られる物流大手企業、「AZ-COM丸和ホールディングス」が、2013年に創設したラグビー部だ。

 そんなチームが今、リーグワンに参戦しようと本気で立ち向かっている。若き力に、日本代表経験者が加わり、いざリーグワンへ、鬼退治に向かう「ワイルドな奴ら」である!

専用グラウンドもなかった創設当初

 トップイーストの強豪「AZ-COM丸和MOMOTARO’S」。北風が舞う寒空のもと、12月末に行われる「全国社会人トーナメント」に向け厳しい練習を行っていた。優勝すれば、悲願の3冠達成となる。

 そんな選手たちに檄を飛ばしまとめあげているのが、MOMOTARO’S9年目、キャプテンの眞野拓也選手(31)だ。

「自分が入ったばかりのころはチームを作ったばかりの状況だったので、グラウンドじゃなくて河川敷で練習をしてっていう形で。いわゆるラグビーが好きな人が集まるクラブチーム。言い方があれかもしれないですけど、そういった形からのスタートでしたね」

 ラグビー部ができた当初は、クラブハウスも専用グラウンドもなかった。雑草が生い茂る河川敷のグラウンドで泥だらけになりながら練習を行っていた。

和佐見勝社長
和佐見勝社長

 それが数年前、和佐見勝社長(80)が資産20億円を東京大学の柏キャンパスに出資。研究施設も兼ねた専用グラウンドとクラブハウスが建設され、一気に戦う環境が整った。

専用グラウンドとクラブハウスが建設
専用グラウンドとクラブハウスが建設
「本当に信じられなくて。人工芝、天然芝、屋内練習場も含め、こういった環境を作ってくださったのは、チームのレベルアップにも一番寄与しているのかなと思います。トップイーストのAグループに上がったタイミングで、細谷GMが来てくださって。リーグワンを目指してっていうところで、このラグビー部の体制から変えてくださったのがもう1つの転換期だったかなと思っています」
広告

チームを常勝軍団へ

 チームを常勝軍団へと導いたのが、2年前に就任した細谷直GM兼監督(61)だ。NECや日野自動車で辣腕(らつわん)をふるったベテラン監督、だが細谷監督は、グラウンドでもミーティングでも驚くほどパワフルだった。

細谷直GM兼監督
細谷直GM兼監督
「NECの時は、監督が初めてのチームでもあったので、どういうふうに選手たちと接しようかなとか、しかもチームから少し離れてから、数年後に戻ってきてからの監督だったので、知らない選手もいた。それが日野を経験して、日野は下から上がっていくチームだった。下から上がっていくチームの楽しさをそこで味わい、丸和の社長さんから『ぜひ会いたい』って声がかかった時にも、社長の話を聞いて、『ああ、このチームはいいな』と思った。まあ、これは元からのスタイルだと思います」
「社長にお会いした時に、社長が私に『リーグワンに行きたい』というふうに。私はその時に社長に、『社長リーグワンってディビジョン1、2、3あるんですけど、どこに行きたいですか』って聞いたら、間髪入れずに『1だ』って言ってくれて。そういう高い目標と、そこに引っ張っていく推進力、そういった方って絶対チームに必要じゃないですか。だから、そういったもとで思いっきり、下からチームを作り上げていく魅力がこのチームにはあるだろうなと感じて。『ぜひその1に私も行きたいので、一緒に行かして下さい』という話をさせていただいた」
細谷GM兼監督「選手の熱がすごくあった」
細谷GM兼監督「選手の熱がすごくあった」
「どういうレベルであったりとか、どういった選手がいるのかとか、ほとんど分からないままで来た。2月13日かな、上の食堂で選手と顔を合わせて話をさせていただいた時、選手の熱がすごくあった。もっとゆるいのかなと思いながら、意識も含めて、やっぱり経験してないものを高い意識を持つのは難しいことですから。本気で強くなりたい、上に行きたいっていう姿勢とか思いが、ひしひしと伝わってきて、『この選手たちだったら何かともに一緒にやる価値があるな』と思ったのが印象に今でも残っています」
GM兼監督と木津武士プレイングコーチ
GM兼監督と木津武士プレイングコーチ

 こうして細谷新体制がスタートすると、次々とリーグワン経験者が入部。木津武士(37)氏は引退を宣言した翌シーズン、プレイングコーチとして復帰。

 スピードスター藤田慶和選手(32)や突破力が持ち味の鹿尾貫太選手(30)など、代表キャップを持つ選手も多い。

眞野選手
「すごい大きいと思います。正直ベテランが少なかったり、上を経験してるメンバーはあまりいなかったので。そういう視点から、プレーだけじゃなく、マインドの部分や練習に向かう準備のところであったりを、ある意味見せてくれたりもする。それはすごいチームにとっていい刺激になりました」
広告

決勝相手は永遠のライバル

 こうして、着々とチーム強化を図り、トップイースト屈指の強豪となったMOMOTARO’S。最後に狙うのは、「全国社会人トーナメント大会」での優勝。トップイースト、ウエスト、キュウシュウの上位3チームがしのぎを削る。決戦を控えた緊張の中、出場するメンバーが発表された。

 釜谷慎司選手(25)、高岸尚正選手(24)、南橋直哉選手(36)らが選ばれ、チームメイトの前で決意表明をした。

 3冠を賭けた戦いが、いよいよ始まる。

 全9チームで行われる「全国社会人トーナメント大会」。MOMOTARO’Sは、次々と強豪を破り、優勝を賭けた最後の戦いへと進んだ。

 決勝で戦うのは、去年敗れている「東京ガス」。リーグワン参入を狙うチームにとっては、負けられない相手だ。

 試合は、MOMOTARO’Sが優位に進む。鍛えあげたフィジカルと突破力で次々とトライを決めていく。キックも安定し、流れを引き寄せたまま、点差を広げる。

3冠を達成したMOMOTARO’S
3冠を達成したMOMOTARO’S

 東京ガスの反撃に連続トライを許す場面もあったが、終始リードしたまま、試合を進めたMOMOTARO’S。東京ガスに34対14で快勝し、ついに3冠を達成した。

あいさつをする眞野拓也選手
あいさつをする眞野拓也選手
眞野選手
「これから僕らもっともっと頑張って行くので、引き続き応援よろしくお願いします」
鹿尾選手
「眞野さんがけがで出られないぶん、自分がしっかりリーダーシップを持って、みんなに声かけをしたり、特に意識してやっていました。一言で言ったら最高です。みんなで積み重ねたものが、こうやって今すべて出し切れて、このスコアにつながって結果的に優勝することができたので。本当にうれしいの一言ですね」
木津プレイングコーチ
「一番良い形でリーグワンに乗り込むことができると思うので、選手1人ひとりの意識も、もう1段階上げて。次もし入れたら約1年弱あるので、しっかり今以上のチームを時間かけて作りたいと思います」

 3冠をひっさげ、リーグワンの扉を叩いたMOMOTARO’S。参入の合否発表は延期され、結果はまだ届いていない。(3月5日時点)

広告

ファンと共に次のステージへ

キャプテン 眞野拓也選手
キャプテン 眞野拓也選手
眞野選手
「正直延期については不安があって、僕たちとしてはベストの成績が収められたと思っているので、うまくいかないところは、『どうなんだ?』という気持ちしか今、ないですね。トップイーストの1位になることはもちろんなんですけど、リーグワンを目指してやってきて、リーグワンに参入できた時に、ディビジョン3を、険しい道なんですけど、1年で昇格できる、そこに挑戦できるチームを作っていこうということだったんで、そこはブレずに、もし参入ができたとしたら、初年度でディビジョン2に行くような、ある意味MOMOTARO’Sをリーグワンの中で、もっと認知していただけるような存在になっていきたいと思っています」
「みんなと一緒に同じ温度感で上がりたい」
「みんなと一緒に同じ温度感で上がりたい」
細谷監督
「今シーズン、リーグワンに行くんだっていう選手の気持ちを、背中を押してくれたサポーターの皆さんの声が(あって)、この成績につながっている。ここは本当に感謝ですよね。みんなと一緒に、同じ温度感で上がりたい」
「我々もファンの方の熱気をいただきたいと思っていて、最終戦はファンの方々が花道を作ってくれた。あれは多分、選手は控え室から出た時に今までにない景色だった。あの距離だいたい100メートルくらいあるんです。びっくりしたと思う。それぐらい熱狂的な温かいファンがいる」

 ファンに支えられ、ビッグチャレンジに挑む「AZ-COM丸和MOMOTARO’S」。次のステージで目指すは、その名にふさわしい日本一のチーム!強豪ひしめくリーグワンという鬼ヶ島へ、新たな船出を待つ、「ワイルドな奴ら」である!

ラグビーウィークリー

ジャパンラグビー リーグワン 2025-26 ディビジョン1

広告