横浜F・マリノスのFW宮市亮の右膝に入れられた巨大なネジが、見る者にも痛々しさを突きつけてくる。レントゲン写真には、骨を貫くようにがっつりと埋め込まれた金属の異物がはっきりと写し出されていた。
Jリーグを経由せずに18歳でアーセナルに引き抜かれるなど類稀な才能を持ちながら、度重なる怪我に苦しんできたスピードスターの復活劇に密着する『宮市亮 キャリアをかけた新たな挑戦』の#1が、9月8日にABEMAで独占放送された。
そのキャリアは常に大怪我との戦いだった。2012年の右足首靭帯断裂を皮切りに、2015年に左膝前十字靭帯断裂、2017年に右膝前十字靭帯断裂を経験。そして横浜F・マリノスに加入し、約10年ぶりに日本代表復帰を果たした直後の2022年7月にも、4度目の大怪我となる右膝前十字靭帯断裂の悲劇に見舞われた。当時29歳だった宮市は「正直、引退も覚悟した」と振り返るほど、絶望の淵に立たされていた。
人生4度目の手術に踏み切った直後、痛々しい姿で治療台に横たわる宮市は、自身のスマートフォンのレントゲン写真をおもむろに公開した。「今はもうがっつりネジが入ってます」と語るその右膝には、靱帯を再建・固定するための巨大なネジが深く打ち込まれている。本人が「がっつりネジっすよね(笑)」と自嘲気味に笑うほど、生々しく過酷な痕跡だ。
「クラブ、ファン・サポーターに恩返しがしたい」
そこから待っていたのは、激痛を伴う壮絶なリハビリ生活だ。折れかけた心を支えたのは、背番号「17」のユニホームを着て激励したチームメイトや、「再びピッチで輝け」と横断幕を掲げて背中を押してくれたサポーターの存在だった。
そして、手術から295日後の2023年5月には戦列復帰。その約2週間後の柏レイソル戦では後半アディショナルタイムに劇的な決勝ゴールをマークした。「怪我をした時に、まだ現役を続けさせてくれたこのクラブ、支えてくれたファン・サポーターに恩返しがしたい」という強い決意が、宮市を再びピッチへと呼び戻したのだった。
迎えた2026-2027シーズンには直訴して横浜F・マリノスの副キャプテンにも就任し、「今シーズンは本当に期待してほしい」と意気込む宮市。復権を目指すクラブとしても、そして個人としても、その挑戦は刮目に値する。
(ABEMA/宮市亮 キャリアをかけた新たな挑戦)