今年(2026年)2月に行われたミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック から半年、日本のフィギュアスケート界では一時代を築いたトップスケーターたちが、競技生活に区切りをつけました。4年後のフランス・アルプスオリンピックへ向け、日本でも新たな世代が躍動し、まさに新時代が幕を開けます。
その新時代を象徴する1人であり、今季からシニアに挑戦する中田璃士(りお)選手の魅力に迫ります。
キスアンドクライで“柳田タオル”
昨年(2025年)12月ジュニアグランプリファイナルに出場した中田璃士(りお)選手は、銀メダルを獲得し、3年連続で表彰台に立ちました。その成績と共に話題を呼んだのが、キスアンドクライでのワンシーンでした。
キスアンドクライで掲げていたのは、ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手のタオルでした。
去年の日本シリーズでは、SNSに「ソフトバンク日本一!!!今度は自分が日本一になる!感動をありがとう」と投稿していました。
福岡遠征に密着
中田選手はジュニアグランプリシリーズ後の世界ジュニア選手権を制し、日本男子初の連覇を達成。そんな中田選手の元に、ソフトバンクからセレモニアルピッチ(始球式)のオファーが届きました。
フィギュアシーズンオフの6月、福岡への「遠征」に密着しました。
「頑張らないと。(球速は)110km/時ぐらいいけるかな」
本番前日、野球体験施設を訪れた中田選手。
なんと球速115km/時の好投。ピッチングの次は、バッティングに挑戦しました。
ホームランを放ちご満悦の様子です。野球でも才能を見せました。
そんな中田選手がその足で向かったのはアイスリンクです。
シニアデビューを控え、わずかな時間も無駄にはせず、この日はジャンプの練習に力を注ぎました。
中田選手は、最大の武器である4回転ジャンプは6種類のうち既に5種類を習得しています。残る「4回転アクセル」にも挑戦中です。
過去には、補助をつけた練習で着氷できたこともあります。
「(4回転アクセルは)日本でまだ成功している人がいないので。それもあってやりたいと思ったし自分の中で結構見えているので、あとは回数をこなして、いい感覚を持っていればいけると思います」
父の支えも
ジュニアで輝かしい成績を残してきた中田選手の成長を支えるのが、元選手でコーチを務める父・誠人さんです。中田選手がスケートを始めたのも父の影響でした。
「父が滑っているのが何回か写真は出てきたので、それは見ていたんですけど。初めて氷に乗ったのは2歳ぐらいが初めてだと思うんですけど、しっかりやり始めたのは3歳ぐらいの頃だと思います。(父は)『なんでできてないの?』って聞いたらすぐ一発で答えが返ってくるのがいいところで、何でも言える存在なので、スケートが一番やりやすいですね」
父・誠人さんが福岡出身ということもあり、中田選手にとって福岡は幼い頃から慣れ親しんだ土地です。
「今日は120km/時投げれるように…」
セレモニアルピッチ当日を迎え、まずは球場に隣接するグッズショップを訪れました。
「柳田選手を探したいですね」
「柳田選手です。これは家に2つぐらいあります。」
柳田選手のグッズを手にとり、嬉しそうな様子です。
「今日は120km/時投げられるように頑張ります」
心を躍らせながら球場の中へ入ると、用意されていたユニフォームは憧れの柳田選手と同じ背番号9でした。
「なんか入団した感じ。」
嬉しさが伝わる笑顔を見せました。
ついに“憧れの人”と…
「めっちゃ緊張します…やばい」
緊張した面持ちでグラウンドへ。そこに現れたのは“憧れ”の柳田選手です。
中田選手「中田です。よろしくお願いします。」
ディレクター「まずユニフォーム見てもらってもいいですか。」
柳田選手「おっ、9番。一緒ですね。好きなの?」
中田選手「めっちゃ好きです。」
柳田選手「なんでなんすか?」
中田選手「もう、その人柄とかやっぱホームラン打つ姿とかも、めっちゃ好きです。」
柳田選手「他にもいっぱい良い選手いるんですけど、あの、嬉しいです。」
ディレクター「実はちょっと柳田選手に見ていただきたいものがあって…」
ディレクターが見せたのはキスアンドクライで柳田選手のタオルを掲げる中田選手の画像です。
中田選手「柳田選手が好きなので、試合の後とかはいつも」
柳田選手「めちゃ宣伝してくれてるじゃないですか。ありがとうございます。」
びっくりしながらも照れくさそうな柳田選手ですが、フィギュアスケート界の未来のスターへ握手のお願いも。
中田選手「いやこちらこそ‥」
柳田選手「頑張ってください」
中田選手から同じアスリートとしてこんな質問も飛び出しました。
柳田選手「やってきたことしか出ないと思っているので、あの結果はあんまり考えてないすね。基本的にはもう、なるようになるというか。そういう気持ちでやっています。」
中田選手「自分もそれで。」
柳田選手「参考にしちゃダメですよ。」
最後には、試合用のスケート靴へサインをしてもらいました。
中田選手「ありがとうございます。次はこれを掲げて」
柳田選手「オリンピック次どこでやるんですか?」
中田選手「フランスです」
柳田選手「行きます。4年後ですね。行きます」
中田選手「絶対優勝します」
セレモニアルピッチ本番でも大役を堂々と務め上げた中田選手。憧れのヒーローからもパワーをもらいました。
「やっぱり一番憧れている選手にオリンピックで優勝するって言ったので、絶対に約束を果たせるように頑張ります」
シニア国際大会デビュー戦で自己ベスト更新
9月に「ISUチャレンジャーシリーズ日本大会木下グループ杯」でシニア国際大会デビューを果たしました。
ジュニア王者のポテンシャルを存分に発揮したのが、ショートプログラムの演技でした。
コンビネーションを含む2本の4回転ジャンプを決め切り、目標としていた100点には届かなかったものの96.48点で自己ベストを更新しました。
日本男子フィギュア「新時代の象徴」として、頂への道のりを歩みます。
「グランプリで、しっかり1・2戦、いい結果を残して、ファイナルに行って、ファイナルでメダルをとったあとに、全日本が来ると思うので、全日本で優勝して、世界選手権と四大陸に行ってメダルをとるのが、自分の今シーズンの目標です」















